2024.11.13 掲載
滋賀県からは10枚の壁新聞の応募があったよ。その中から3枚をご紹介。
池田師範よろしくお願いします!
滋賀県 その1
守山市 「認定NPO法人 びわこ豊穣の郷 目田レンジャー」 SDGs |
甲賀市「山内エコクラブ」 SDGs |
日野町「日野川エコスクール」 SDGs |
認定NPO法人 びわこ豊穣の郷 目田レンジャーのみなさんへ
師範から一言!
声が出る新聞というアイデアは見事ですね!QRコードを読み取ると記事が出てくるのかな、と思っていましたが、新聞を作ってくれているみなさんの声が聞けて頼もしく感じました。MLGsはMother Lake Goalsの略で2030年の琵琶湖と琵琶湖に根ざす暮らしに向けた13のゴールのことなのですね。目田川での活動を、MLGsに関連づけるとより身近な目標として感じることができるのではないでしょうか。
全国多くの公園で外来種駆除に取り組んでいて、水辺の外来生物だとアメリカザリガニの名前があがってきます。
確かに全国的に指名手配中の外来生物ですね。先日都内公園に行ったときに、池のまわりにアメリカザリガニ、ミシシッピーアカミミガメ、カダヤシなどの外来生物に対する注意が掲示されていましたが、新聞の「WANTED アメリカザリガニ」のイラストは見た目のインパクトがあり、とても気に入りました!
それにしても230匹もつかまえたのはすごいですねー。地域の人にインタビューすることで、オオバナミズキンバイという特定外来生物のことを知ることができて良かったです。環境活動に取り組んでいる人との交流を通して、いろいろな気付きや発見につながると思います。
「ゴミをへらして生き物を守ろう」では3Rにリフューズとリペアの2つ加えた5Rに取り組んでくれました。私も昨年虫とりあみをアシナガバチにかじられて穴があいてしまいましたが不織布テープをはって今年も使っています。ぜひみんなで5Rを続けていきたいですね。
◆声の出る壁新聞!QRのリンクはこちら
とっておきのゴシドウ★
アオダイショウは私も毎年1回は見かけるヘビです。今年はかなり間近で観察できましたが、ヘビは舌を出し入れしていますよね?!これは空気中のにおいを舌につけて、口の中にある器官でにおいをかいでいるためです。今度舌の動きも観察してみてください。
ゲンジボタルの一生を卵→幼虫→さなぎ→成虫の期間がそれぞれどれくらいかを分かりやすく書いてくれました。産卵は川のコケが必要だということが分かりますが、幼虫、さなぎはどこにあるのでしょうか?
「ホタルを守ろうプロジェクト」を大人に提案してみたというアクションはすばらしいと思います。ところでバーブエや今回の提案にあるコドラートの設置や石を増やすことで、ホタルの一生のどんなところに役立つのかな?例えば、ホタルが産卵するのに必要なコケが増えるとか、さなぎになるための土の流出をおさえることにつながるといいですね。
山内エコクラブのみなさんへ
師範から一言!
野州川特派員レポート(プランクトンの巻)を楽しく読みました。地図で野州川を調べてみると、新聞に書いてくれたようにとても長い川で、その大部分が甲賀市を流れているのですね。2021年からテーマを決めて野州川の秘密を調べる活動を継続していることはすばらしいと思います。エコスクールでは五感を使って観察するとありますが、私自身も自然を観察するときは五感を使うことを大切にしています。
新聞に描いてくれたプランクトンは肉眼で見えないだけに不思議な形をしていて、見たことがないものもあります。琵琶湖の水からは見つからず、野州川の水からは見つかったプランクトンがいるというのも面白いですね。今回の調査でたまたま見つからなかったのか、それともこれまでも見つかっていないのでしょうか?
肉眼では見えないプランクトンを顕微鏡を使って観察し、生態系における「食う」「食われる」のつながりがプランクトンの世界でもあることを知ることことができたのは、大きな気づきですね。陸地の観察においては、目に見える植物を食物連鎖の底辺としてとらえることが多いのですが、プランクトンを通した活動というのがとても興味深い方法だと思いました。
とっておきのゴシドウ★
今回の調査では、プランクトンの観察と水質(窒素、リン等)を上流から下流まで行うことで多くの発見と気づきがあったようですね!「まとめ」の内容を感心して読みました。下流にいくにしたがってプランクトンの種類が増えるとともに水質が富栄養化したことから、人間活動が生態系に影響を与えていると考えてくれました。
植物にとって窒素、リン、カリウムが肥料の主な3要素で、富栄養化の原因は農業排水以外に生活用水と工業排水があります。環境やエネルギーに関する問題の多くは人口が増加したことに起因することが多く、人口が例えば1.5倍に増加すると、一人当たりの生活用水が同じでも地域全体では1.5倍の生活用水になります。「まとめ」に書いてくれたアクションを中心に美しい水や環境を守る取り組みをぜひ続けてください。
日野川エコスクールのみなさんへ
師範から一言!
新聞全体に川のイラストを描いて、源流→上流→中流→下流それぞれの場所での活動の様子と結果をまとめてくれたデザインが目をひきます。真ん中の川は日野川ダムがあるので日野川でしょうか。活動の大きな目的が「ひみつを探ろう」「つながりを見つけよう」「よさを伝え活用しよう」であり、活動を通して気付いたことに対して「私達にできること」というアクションを考えてくれているので、活動が持続的な内容であることが分かるとともに分かりやすい新聞構成になっていると感じました。
山で地層を見たり川の石を探したりすることで、何万年もの時間スケールでの地形の変化を感じることができたようですね。日本は山地が多く、山から海までの距離が短く、急勾配の川が多いのが特徴です。今回の調査でも綿向山から琵琶湖まで、生き物だけでなく、水辺の石や樹木などの自然のすがたが多様であることを感じることができたことでしょう。
新聞に写真をのせてくれた生き物たちは、調査で見つかった生き物たちでしょうか?源流や上流ではトビケラやカワゲラの幼虫、中流にはアカザもいてきれいな環境であることがうかがえます。
一方、下流ではブルーギルやブラックバスなどの外来種が見つかったようですね。水辺の診断をとして、魚以外にも外来の植物も見つかったかもしれません。今年、奄美大島で特定外来生物であったマングースを根絶できたというニュースがありましたが、特定外来生物をへらすのはとても大変で、地域全体で取り組んで長い年月がかかるものです。日野川の水質や生き物調査の記録を毎年続けていくと、時間的な変化を知ることができるので、これからも活動を続けていってください。
とっておきのゴシドウ★
上流、中流、下流で川の診断5項目をレーダーチャートで整理してくれたので分かりやすいですね。上流から下流に向かってどんどん数字が下がっているようです。"水のきれいさ"はCODで決めたのだと思いますが、他の項目はどのように数字を決めたのか同じような活動をしている人の参考になるので機会があればぜひ教えてください。例えば、新聞の記事の中で、昔と比べてごみを捨てる人が多くなり、農業によって川にリンや窒素が増えてしまうことが書いてあるので、"地域とのつながり"の項目はこれらを数字にしたものかな、と考えていますが、"川のきれいさ"と人の活動の関係を知ることができるよい視点だと思います。
池田師範、ありがとうございました!次回はどこの地域かな?お楽しみに!
滋賀県 その1
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