岡山ハッケンジャー (岡山県)
活動している岡山での縄文時代の人のくらしを調べに岡山県立博物館に行ってきました。
私たちのクラブでは、秋になると「どんぐり」をつかったクッキー、パン、団子、まぜご飯などを作って楽しんでいます。
そこで、ふだんから「どんぐり」を食べていた縄文人が、どのように「どんぐり」を利用していたのか、詳しく知りたいと思ったのがきっかけです。
縄文時代の土器などの道具、木の実などを目の当たりに、どんな風に使ったのかなど考えながら、また、現代との違いを考えながら見学しました。
その日は、岡山県古代吉備文化財センターから、風習や自然にも詳しい学芸員の方が来られていて、じっくりとお話をうかがうことが出来ました。
また、ふだん、私たちが活動し、「どんぐり」を拾っている場所の、すぐ近所で、縄文時代の「どんぐり」が出土している遺跡があることを知り、メンバー・サポーターの一同嬉しくなりました!
「どんぐり」食については、「縄文土器」の登場により、「煮る・炊く」などが可能になったということ。「どんぐり食」が普及したこと。煮てそのまま食べたり、「石皿」と「すり石」を使って粉にして、ダンゴにすることが多かったのではないかということです。(※後で資料を探すと、他県ではパンの様なものも見つかっているようです)
◆「どんぐり」は貯蔵穴(ちょぞうけつ)に保存したものや、深鉢の底にこびりついた状態で見つかることが多いようです。西日本では、地下水が流れる場所に貯蔵穴をつくることが多く、地下水にさらして、あくを抜いたり、表面についた虫の卵や幼虫を殺したりと、色々な効果があったようです。
また、地下水の影響を受ける貯蔵穴と、乾いた貯蔵穴の2種類があり、縄文人は用途によって使い分けていたそうです。
◆出土する「どんぐり」は、イチイガシとアラカシが多いそうです。つぎに多いのはコナラだそうです。アラカシは現在でも普通に見られますが、イチイガシは岡山ではめったに見られません。現在とは気候などに違いがありそうです。
◆普段、岡山ハッケンジャーが「どんぐり」料理の時に使う、「スダジイ」について尋ねると、意外にも、あまり出土していないとのこと。当時、自生していなかったことは考えられないようで、もしかすると、「スダジイはあくぬきの必要が無いため、生でそのまま食べることが多く、堅果はポイとすてていたのではないか?そのため、貯蔵穴などでは見つかっていない可能性も考えられる。あくまで推測です」など、興味深いお話も聞かせていただいた。
「どんぐり」など食用にされた木の実はもちろん、土で作った縄文土器や、火を起こすのに使われた薪など、縄文時代が自然の恵みでくらしていた様子を垣間見ることができた。
また、地下水が流れる貯蔵穴をあく抜きに使うなど、巧みに自然を利用する縄文人の知恵には驚かされた。
※弥生時代になると、稲作の普及で、米で炭水化物を摂取するようになり、「どんぐり食」は徐々に衰退したようだ。ただ、山間部など、開墾が困難な地域では、弥生時代になっても貯蔵した「どんぐり」が出土されることがあるとのこと。
「どんぐり」以外で、食用にされた跡が見つかる木の実は、トチノキ、オニグルミということ。
岡山ハッケンジャー(岡山県)
岡山ハッケンジャー(岡山県)
岡山ハッケンジャー(岡山県)
岡山ハッケンジャー(岡山県)