みどりのゆび (富山県)
積雪60センチ。スノーシューをはいて公園を歩いた。午後二時半、おりからの大雪は、一日ゆるんだ気候で表面が溶けてきて、足元はとても快適だ。しっかりポールをついて歩ける。グラウンドから斜面を下ると、川の橋にはたくさんの鳥の足跡。
カラスと背黒セキレイかな。
菖蒲池をまわり、川沿いに茂みと林のへりを歩く。生きものはそういうところに見つかる。ヘビの冬眠しているのは敷石からミゾソバの生えていた川っぷちのあたりかな、などと、と見当をつけながら歩く。
林のそばにも足あとが。カラスより大きい。その時オスのキジが走り出す。
そのあとを続けば、雪のうえに着いたばかりの足跡。すぐそばで、野鳥が飛び立つ。くちばしにはこゆびくらいの太さで20センチくらいの長さの枝をくわえて懸命に飛ぶ。アカハラだ。
野鳥たちは、もう巣作りを始めている。
カラの仲間の声も聞かれた。
この日公園を一周、約1.2キロ歩いて休館日の児童館のそばの遊具広場で、頭だけ雪から見えているリスののりものの、頭をいすにして熱いお茶を飲み、一息入れた。
もう春はちかい。
これまでになくスノーシューを楽しんだ。
深い雪のうえなのに快適なウォーク。
居彌ははじめうまく歩けない。
表面がザラメになった雪は重くてスノーシューにひっかかる。つま先をあげて雪を落としながら歩く。テクニックを習得するにつれ楽しくなってきたようだ。
スノーシューを初めて体験してもう4年になる。いつも冬の季節に車に置いて、どこでも歩けるようにしていたけど、すんなり歩いて、しかも「楽しい!」といったのはこれが初めて!
そうか。これまでいやがったりしたのはうまく歩けなかったからか。
こどもの成長の段階が道具とようやくつりあってうまくいくようになった!
それにもまして、雪や生きものたちとふれたい!というこどもの熱意が、じょうずにたくさん歩くモチベーションだと感じた。
喜ばしい春。
スノーシューで歩く負荷はかなり高い。とくにザラメ雪のときは、足首や足全体に、おもりをつけて歩くようだ。
また、ストックもかなり腕を使う。たなごころまで
しっかり筋肉をつかってそのあとはかなりずっしりとした運動感が得られる。
、身軽なこどもはウサギみたいに軽く雪のうえをはねてゆく。跳躍感さえある。
いまの季節を見てみておけば、半年後、ホタルやヘビを見る気持ちがぐっと深くなる。
冬こそ森へ来たまえ!そして雪の日や雨の日こそ!森の木や、鳥たちがどう振舞っているか、どんなにたくさんのものが見つけられることか!
こどもたちよ。こんなに身近なところに、しっかりと生きものたちは息づいている!
それを見ておくといい。そうすれば、ゴミをすくなくし、環境に負荷の少ない生活の方法をかんがえるようになる。
みどりのゆび(富山県)
みどりのゆび(富山県)
みどりのゆび(富山県)
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