盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
今年の合宿二日目は、山手橋で国交省と20年以上続けている水生生物調査をしました。この調査は、その川に住んでいる水生昆虫を指標生物として、川のきれいさの目安にすることが主な目的です。
調査内容は、川底の石の裏にいる水生昆虫を採取して、シャーレに一種類ずつピンセットで分けます。その後、種数とその中での優占種を確認します。水質判定に水生昆虫を利用するのは、本来もっと複雑なものなのですが、小中学生にでもできるよう簡単な判別方法を採用しているようです。また、全国一斉調査なので、私たちのデータも含め、全国の一級河川のようすを後から教えてもらえるのもありがたいことです。
その後、いつものことですが川の魚種調査もさせていただきました。これは、長年の付き合いの結果、余分にやらせてもらえる時間を作ってくださっています。1時間ほど待たせてしまいました。ありがとうございます。
しかも、ライフジャケットを全員分用意してくださっていて、サポーターもとっても安心。着かたの知らない部員にはいい勉強になりました。
今年はこの調査の直前まで近くの橋の工事が行われていました。その影響で底質が変わり、水生昆虫のいる浮石が少なくなっていました。そのため調査可能な範囲もとても狭くなり、浮石の奪い合いのようになっていました。
水生昆虫は釣り餌に使われますが、魚に比べてなじみの薄い生物です。形も奇妙で、一年生は毎年のことですが驚いていました。また、炎天下の中でしたので、ライフジャケットはとても暑そうでした。
採集した水生昆虫はシャーレに入れて、ピンセットで種類別に分けていきます。中学生は慣れない手つきでしたが、配布された資料を見ながら頑張って分けていました。
その後の魚類調査では、体力がない部員はついていくだけでも精一杯の様子(本当に暑かったのです!)でした。
1.例年と同じでコガタシマトビケラ・ヒラタドロムシが多く優占種となっていて「やや汚れた川」と判定された。
2.一方で、汚れた川に生息するヒルも増えていた。これは、河川工事の関係で瀬が減ったことや水量が少なくなったことと関係しているのかもしれない。
3.指標生物以外にもヒゲナガカワトビケラやチラカゲロウなども見つかった。指標生物にならないのは、水質に関係なく広く生息しているからだ。
4.余分にさせてもらった魚類調査では、今年はウキゴリ・ゴクラクハゼなどの二次淡水魚のハゼ類が例年になく増えていた。水生昆虫の変化に比べ、生息する魚種の変化は激しいと思った。
初めて学校で宿泊した後の調査のため、熱中症などを心配したが、部員全員元気そのもので、この形式の合宿も捨てたものではないと思いました。
今回は高校部長が報告させていただきました。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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