盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
春にアサザを確認した池で、オオクチバスを採取して、何を食べているのか調べることにしました。それは、春にバスの稚魚を数匹採取した時から恐れていたことが現実となったからです。春には、シマヒレヨシノボリの稚魚が群れていたり、モツゴの産卵が観察できたりしたこのため池で、行くたびにオオクチバスが成長し、20cm程度の小バスが次々と釣れるようになっていたからです。
このままでは本来生息していた魚たちがすべて食べられてしまうかもしれないと思い、実際何を食べて成長しているのか確かめることにしました。採集は、Oサポの用意したタナゴ釣り7人分で行いました。
Oサポが言うには、「1時間あれば1人10匹は釣れる。特定外来種だからむごいと思うだろうが、すぐに処理しよう。消化管の中身をしっかり確かめるためにも。」ということでしたが、結局24匹しか釣れませんでした。
よほどこの日は食いが渋かったのかもしれません。それまで3ケタの数を釣ってきたらしいOサポでさえ釣れなかったのですから。
その後、解剖の方法を学び、胃を取り出し中身を確認していきました。
1.ヨシノボリ類など魚類を多く食べている、なぜならモツゴ・タモロコなどが殆ど釣れなくなっているからだ、と予測した。
2.ところが、胃(肉食性の魚にはある)の中は、24匹中13匹は空っぽ(エサに使ったヌマエビは除く)、後の11匹からは明らかにテナガエビと思われるのが1匹、スジエビが1匹、残り9匹もエビらしきものが消化されている状態だと判明しました。
3.予測は完全にはずれ、小バスたちは、エビ類を食べて成長しているのでした。
福山市には多くのため池があります。しかし、どの池にもオオクチバス・ブルーギルが放流され、在来の魚たちはどんどんいなくなっています。それどころかバスとギルだけになった池は、その後富栄養化が進み、完全に生き物がいなくなってしまっています。今回のため池は、まだかろうじて元の状態が保たれた数少ない池なのです。Oサポの予測ははずれたけれど、このため池が自然を維持できるようキャッチ&キルを続けていこうと思います。ちなみに必ず持ち帰り、肥料として利用するようにしています。
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