活動レポート

活動レポート

オオクチバス消化管内容物確認調査

盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)

活動日:

2015年10月24日

実施場所:

福山市のため池

参加メンバー&サポーター数:

9人

活動の分野:

  • 自然・生物多様性 自然・生物多様性

SDGs:

活動内容

 春にアサザを確認した池で、オオクチバスを採取して、何を食べているのか調べることにしました。それは、春にバスの稚魚を数匹採取した時から恐れていたことが現実となったからです。春には、シマヒレヨシノボリの稚魚が群れていたり、モツゴの産卵が観察できたりしたこのため池で、行くたびにオオクチバスが成長し、20cm程度の小バスが次々と釣れるようになっていたからです。
 このままでは本来生息していた魚たちがすべて食べられてしまうかもしれないと思い、実際何を食べて成長しているのか確かめることにしました。採集は、Oサポの用意したタナゴ釣り7人分で行いました。

参加者のようす

 Oサポが言うには、「1時間あれば1人10匹は釣れる。特定外来種だからむごいと思うだろうが、すぐに処理しよう。消化管の中身をしっかり確かめるためにも。」ということでしたが、結局24匹しか釣れませんでした。
 よほどこの日は食いが渋かったのかもしれません。それまで3ケタの数を釣ってきたらしいOサポでさえ釣れなかったのですから。
 その後、解剖の方法を学び、胃を取り出し中身を確認していきました。

感想・気づいたこと・考えたこと

1.ヨシノボリ類など魚類を多く食べている、なぜならモツゴ・タモロコなどが殆ど釣れなくなっているからだ、と予測した。
2.ところが、胃(肉食性の魚にはある)の中は、24匹中13匹は空っぽ(エサに使ったヌマエビは除く)、後の11匹からは明らかにテナガエビと思われるのが1匹、スジエビが1匹、残り9匹もエビらしきものが消化されている状態だと判明しました。
3.予測は完全にはずれ、小バスたちは、エビ類を食べて成長しているのでした。

その他

 福山市には多くのため池があります。しかし、どの池にもオオクチバス・ブルーギルが放流され、在来の魚たちはどんどんいなくなっています。それどころかバスとギルだけになった池は、その後富栄養化が進み、完全に生き物がいなくなってしまっています。今回のため池は、まだかろうじて元の状態が保たれた数少ない池なのです。Oサポの予測ははずれたけれど、このため池が自然を維持できるようキャッチ&キルを続けていこうと思います。ちなみに必ず持ち帰り、肥料として利用するようにしています。

皆さんは芦田川水系に生息する絶滅危惧種1a類の淡水魚であるスイゲンゼニタナゴの保護活動を中心に、備後地域の環境保全活動を、30年近く続けているのですね。素晴らしい活動にエールを送ります。
今回は在来種の魚たちがオオクチバスに捕食されている様子を調べるため、オオクチバスを捕えて解剖して胃の内容物調査を行ったのですね。はじめの予測と違ってオオクチバスは在来種の魚ではなく海老類を食べていたことが分かったのですね。原因を推測して調査確認するのは研究の基本ですが予測が外れたのも成果の一つです。時期を変えて再度調査してみるとどんな結果が得られるでしょうか?
オオクチバスが放流された池がその後富栄養化が進んで生きものがいなくなっていくことにオオクチバスがどのようにかかわっているのでしょうか。ため池が自然を維持できるようキャッチ&キルを続けていくのは大切ですね。
心なき人たちによって、周辺の水域で魚の密漁や不法放流がなくなることを願っています。
エコまる
盈進中学高等学校環境科学研究部のみんな、報告ありがとう!
環境に関することならどんなことでもエコロジカルあくしょん!
これからも一緒にがんばろう! がんばってるなと思ったら拍手をしてね★
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クラブのプロフィール

  • クラブ名盈進中学高等学校環境科学研究部
  • 所在地広島県
  • クラブの種類学校のクラブ

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