盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
Oサポーターと部員たちでミーティングをしていたところ、Fサポーターがふらりとやってきた。「キセルハゼおったよ。」「これ、記録。」とデータを置いていってくれた。
キセルハゼは1年ちょっと前に部員たちと初めて見つけた絶滅危惧種で、大型個体3匹を採集し広島県での標本記録として保管してくださっている。その後、数回調べても見ることなく今日に至っていた。それを一人ぬけがけをして調べてきたようなのである。
さっそくみんなで見てみることにした。
写真記録を見ながら、ちょうどウキゴリ属の学習会をしたところだっただけに、みんな理解が深まったようだ。特に、よく知らない1年生部員たちは素直に感動していた。
バケツの中に3匹のキセルハゼが入っている。大きさもさまざまで、「ということは間違いなく繁殖を続け世代交代しとることになるが!」と喜び合った。
と、M部員が「Fサポーター、ぬけがけですよね。」とポツンとつぶやいた。空気がかたまった。そう、みんなフィールドに出たいのである。Oサポーターも少し悔しいのを我慢しつつ「自分もぬけがけするもんなあ」と反省した。
1.キセルハゼ3匹のうち、1匹は間違いなく幼体である。写真とはいえ初めて幼体を見て、本当に安心した。
2.1年間だけでも調査した流域は本当に多い。希少種たちがその後どんな生活を続けているのか、環境の大きな変化は起きていないか、気になる地点ばかりである。手分けしてでも、ぬけがけと言われても調べておかないといけない。Fサポーターに感謝である。
3.バケツの中には、ツマグロスジハゼ・ヒメハゼ・マゴチ・ウリタエビジャコなどの姿も見える。昨年と同じ連中が干潟に残ってくれていることにもほっとした。
とにかく生き物の名前と特徴とおかれている環境の状況は、部員たちに伝え続けようと思う。このクラブは、「できるだけ正確に知り、自然保護のための基礎データを伝える」ことを中心においておきたい。できることなら、絶滅危惧種リストがもうこれ以上増えませんように。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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