盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
お正月三が日も過ぎ、休みもあと一日となったサポーターがひまそうな(冬課題をすませたともいう)部員を誘って、以前から気になっていた小さな川で魚類調査をしました。
何が気になっていたのかというと、私たちがいつも調べている芦田川にはいないとされるオオヨシノボリが生息している可能性があるからです。サポーター自身、他県でこの魚を採ったことはあっても地元の広島県ではまだ一度も出会っていないこともあり、わくわくしながら出かけました。
地元の方からも「魚はおるで」「川の水は枯れたことがないで」と聞いていたため、良さそうな採集地に着くとすぐそれぞれ胴長をはき、網とバケツを手に川に入りました。
純淡水魚のカワムツがとても多く、確かに枯れたことのない川である証拠です。オイカワ・ドンコも採れました。
しかし、ヨシノボリ類で採れるのはシマヨシノボリばかりです。3人とも腕は確かなので「いるのなら採れる」と遡って行きました。すると、「おーっ!」というサポーターの雄たけびが響きました。オオヨシノボリと出会ったのです。頬が緩みまくりです。
観察ケースに入れ、シマヨシノボリとの形態の違いを再確認した後、採集を続けました。結果、少し上流へ行くだけでオオヨシノボリが当たり前のように次々採れていきました。みんな大興奮した半日でした。
1.胸びれ・ほほ・尾びれの特徴でヨシノボリ類は分類するのが図鑑での基本ですが、部員たちも「見た目で全く違う」ということに気付きました。直に感じる大切な感覚です。
2.他の部員たちにも見てもらうために、年老いた大型個体をペアで、シマヨシノボリとともに持ち帰りました。今、飼育観察しているところです。年老いた大型個体だけにしたのは、繁殖も終え、もうこの冬を越せないと判断したためです。オオヨシノボリの方が少し暴れん坊みたいです。
3.この種は一般に大きな河川の中上流域に生息するとなっていますが、芦田川で見つけたこともなく、また今回調査した河川は小さいことから、部員たちは不思議がっていました。サポーターたちがしょっちゅう新しい記録を出すことも含めて。
4.つくづくと淡水魚の分布は謎だらけというか、新しい出会いに満ちているというか、いい学習になります。こんな自然体験をいつまでも覚えていてほしいものです。
部員たちの疑問に答え、次回「サポーターたちはどのようにして新しい調査地点を決めているのか?」を報告します。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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