盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
クラブのOB(元部長・現学校の先生)からの電話。「久しぶりに会いたい」とのこと。この「会う」というのは、「採集に連れてって」という意味にしか聞こえない。天気予報は毎日はずれ雨が続く。川は増水し危険だ。いつも調査している干潟も潮が悪い。
ということで、海水浴場近くの磯の潮だまりでやってみることにした。
もうすぐ目的地に着くとき、小さな漁港にある干潟が目にとまった。とてもやりやすそうだ。急きょ変更して、この干潟で久しぶりにOBと魚とりをした。
仕事も家庭も忙しい中、久々の採集にOBは夢中になっていた。イソギンポ・アベハゼ・チチブ類の稚魚・ヒモハゼ・ビリンゴなど、採れるたびに「先生採れましたあ!」と嬉しそうに近づいてくる。「お前も先生やろが!」と何度も言うのだが、私たちの前では生徒に戻るのだろう。
そして、この行き当たりばったりの採集で、また新しい魚たちとの出会いが待っていた。それは、ニクハゼというウキゴリ属の仲間である。この属では、もっとも外海に近い水域に分布する。そして、シロチチブも採集できたのである。「あら、こんなところで?」てな感じだった。
1.ニクハゼが、エドハゼ・キセルハゼ・クボハゼよりさらに外海に近い汽水に生息するとは聞いてはいたが、OBとの遊び半分で、しかも目的地とは違う途中下車での採集で確認できたのは驚いた。よくもまあ、こんなに偶然が続くものだとあきれた。
2.前回、芦田川河口でシロチチブを採集し、すごい記録だと言われ大喜びした日から1カ月もたたないうちに小さな漁港であっけなくもう一人のサポーターが採集してしまった。結局のところ、「調べられていないことが多い」だけなのかもしれない。
3.OBは、父親になって4カ月目。さすがに仕事と子育てに疲れたのだろう。いいよ、いつでも連れて行ってあげるからね。
次の日から合宿だというのに相変わらずのサポーターたちでした。
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