盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
今年の学園祭テーマに決定した「備後の干潟」について、1年間を通して調べ続けています。とっても大きく泥も深く、とてもじゃないけれど全体を調べることはできません。比較的安全なポイント数か所にしぼり、定点として調査を進めています。
7月の調査は6日と13日に行いました。文献に書かれている通り、河口域に山のようにいたカレイ類の稚魚たちはすっかり姿を消してしまっていました。調査地点で確認できたのは、いつものハゼたちでした。
そこで、少し下流域へとOサポーターは一人向かっていきました。
Fサポーターは、いつも粘り強く調査地点で地道に調査し続けます。Oサポーターは、いつもあきっぽく調査地点周辺へとふらつきます。お互いの阿吽の呼吸のようです。
結果として、Fサポはタビラクチやチワラスボといった絶滅危惧種を確認でき、生活場所のようすを肌でつかみ教えてくれます。Oサポは、「こんなん採ったどー!」と言ってこれまで確認できていない魚を見せてくれます。この日は、手のひら近くに成長したイシガレイとマコガレイ、そしてクジメと・・・なんとシロチチブでした。
1.河口付近で豊かな栄養分の下、カレイ類の稚魚たちは、成長とともに次第に海辺へと移動していた。
2.7月の干潟で明らかに増えてきたハゼ類は、マハゼだった。減ってきたのはウロハゼだった。
3.チワラスボ・タビラクチは年間を通してこの調査地点に生息していると思えた。
4.シロチチブは、標本にした。持ち帰って検索し、間違いないことを確認するためと、いつもお世話になる県の研究者さんにデータを見てもらうためである。驚かれていた。どうやら広島県初の生息確認らしい。
干潟の生物の多様性には、本当に驚かされるとともに、また「出かけたい!」という衝動を残してくれる。いわゆる干潟依存症である。この多様な生物が、水を浄化してくれていることもだが、干潟を利用しているカレイ類などの魚たちが、私たちにとってとても大切な資源でもあることも知っておかねばと思う。日本から多くの干潟が消えている。それだけ私たちの食料資源も確実に減っているということを。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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