盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
午後からいつもの干潟の調査地点へ出かけました。春の干潟のようすを知りたいと考えたからです。備後地域の干潟は、33年前に河口堰が完成してから、アサリ・シジミといった水産物なども壊滅的な状態となったそうです。今もヘドロがいっぱいで、とても人を寄せ付けない死の海のようなムードが漂っています。
ただ、昨年の秋から調べ始めてみると多様で貴重な汽水魚たちが生息していると分かったため、1年間を追って調べてみることにしました。
驚いたことに、タモ網で採集を始めると、いつものハゼ類だけでなく、次々とカレイ類の稚魚が採れていきます。たくさん群れているのです。この時期に汽水域を利用して成長していることが分かりました。
また、カレイ類だけでなく、さまざまな魚の稚魚が採集できました。あらためて干潟の大切さを感じながら、帰って種名を調べることと、クラブでの学習会をすることと、再調査の必要性を感じました。
1.左の写真は、マコガレイとイシガレイの稚魚を並べたものとイシガレイをはっきり撮影できたものです。どちらのカレイも稚魚着底期に河口を利用するのです。それにしても数の多さに驚きました。他の似たような干潟で何度か採集しても、こんなに採れることはありません。
2.右の写真は、少し海の方へ下った地点で採集したアサヒアナハゼ・タケギンポ・アイナメ・タケノコメバルの稚魚たちです。海藻のアオサが流れ藻になった中に身をひそめていたりしてこれから成長していくのです。
3.この他にもマゴチの稚魚など、多くの魚たちが春の干潟で生活していました。川から干潟に注ぐ栄養と太陽からの光の恵みとで、珪藻などのプランクトンがたくさん生まれること、外敵から身を守れる浅さと泥地であることが、「稚魚たちのゆりかご」をしっかりつくっているんだなあ、と感動しました。
いつものように調査した結果は、部員たちで学習会をしました。
そして、調査は続行となりました。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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