盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
20年以上続けているこの調査のうち、泥にまみれて二枚貝の調査を終えた後の楽しみでもある生息魚類調査を行いました。「みんな網とバケツ持っていいぞお!」のかけ声にいっせいに魚採りが始まります。今年は、二枚貝調査が長引いたため、30分しかできません。採集した魚は、陸に運び、種類とおよその生息密度を記録していきました。
はいつくばって泥の中を1時間以上二枚貝を探し続けた後の魚採りですから、そりゃ満面の笑みで採集し始めました。
しかし、昨年のように次々と魚が採れることはありませんでした。調査30分前にあらかじめサポーターが目視観察しておいた時も、いつも見られてきたコイ・ギンブナ、そしてヤリタナゴ・オイカワの群れも見られず、「今年は少ないぞ」と考えた通りになりました。
それでも年度最後の採集で、全部員が何らかの魚を採集できていました。
1.昨年は、下流域の泥をバキュームで吸い取る作業をしていただいた結果、冬場を過ごす深みが作られ、24種もの淡水魚をしかも大量に採取・確認できたのに対して、今年は14種類と数も量も圧倒的に少なくなっていた。たった1年で深みが埋まりかけているのかもしれない。
2.この用水路に限らず、広島県のあちこちで、昨年の夏以降、淡水魚の姿が減っている。この日参加して下さった「スイゲンゼニタナゴを守る福山市民の会」の方々も同じような思いでいたようで、「川の魚は年によって大きく変動するんですよ。」とおっしゃっておられた。こういうとき、いろいろな地域で活動されている方々と交流しあえることはありがたいと感じた。
3.タナゴが棲めるよう多自然型水路に改良してから、2000年までは生息し続けてくれたスイゲンゼニタナゴは今年も戻ってきてはくれなかった。残念でならない。アホウドリならば飛んできてくれることもあるだろうが・・・
4.調査した淡水魚たちは、観察用ブラケースに種類ごとに分けてしっかり全員で観察した。当たり前のことだが、一匹も殺すことなく元の場所へと放流した。
5.助成金で作成した新「福山の淡水魚下敷き図鑑」を、この日部員たちにごほうびとして配った。何せ、きっちり下敷きを作っても、すぐまた「未記録の魚」をサポーターたちが見つけてくるので、たぶんきりがないと思う。
サポーター2人は、この午前中の調査の前から打ち合わせ済みで、学校に戻り片付けをした後、部員たちに内緒で、とある場所へと採集に出かけました。
その結果、また「びっくりする魚」と出会うことになりました。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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