盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
昼食後、私たちはスイゲンゼニタナゴのいる川と用水路を見に行きました。
まず1カ所目の川は、昔先輩たちが案内してもらい保護観察委員さんとともに採集をした場所だそうです。この川は工事中でしたが、浅瀬や深み、砂地の状態がとてもよく「スイゲン以外にも貴重な魚がいる!」と顧問の先生方がよだれをたらしました。「入ったら絶対にとれる。でもダメ!入ったらだぁ…」と欲望と理性の葛藤をしていました。その間、守る会の皆さんと私たちは、説明してくださっている方の話を聞いていまいした。
2カ所目の用水路は、産卵母貝が棲みやすいように用水路の端に工夫がなされていました。作って初めのうちは爆発的にスイゲンが増えたそうです。しかし、泥が堆積しはじめた現在はすっかり数が減ったそうです。
3カ所目の用水路は、魚の隠れ場のようなものをいたるところに作っていたり、用水路全面が木でできていたりとても工夫してあり、見てびっくりしました。また、スイゲン保護の看板も立ててありました。その時「何しょうるん?用水路の見学?」とちょうど地元の方が聞いてきました。スイゲンを守ることを地域でやっているのだと感じ、流石だなあと思いました。
1カ所目の川の時に、川に沿って歩いていくと、途中人工池がありました。顧問のO先生は寝そべって覗きます。「タナゴの稚魚じゃあ!スイゲンじゃないなあ。なんだと思いますか?」と守る会の方や案内してくれた方に確かめています。「やっぱり、タイバラっぽいですね。」と言いあっているとき、後ろから部員がガサガサと来たので逃げてしまいました。「静かに近寄らんか!」と怒ってしまいました。そして、結局なんだったのかよくわからないうえに、顧問のF先生からは「うそじゃぞー」と言われて、O先生は散々な目に会いました。なんだか可哀想です。
1.1つ目の生息地では、自然の状態を残したままの河川のように見えるのに、実際には細かい工事をしていたのに驚きました。オイカワなどの魚もたくさん泳いでいる姿が見えました。
2.2つ目の生息地の産卵場所のための浅場と隠れ場を作る工夫にも感心しました。でも、人が手入れをしないと用水路にたまる泥で産卵できなくなることも分かりました。自然の川だったら大雨の時に泥を洗い流してくれるけれど、用水路では人の手が入らないと維持できないと分かりました。
3.3つ目の生息地では、むしろ積極的に「ここに貴重な絶滅危惧種がいるぞ!」という看板でのアピールと、護岸はすべて木材にするなど、たくさんの工夫がしてありました。淵にアブラボテなどたくさんのタナゴ類が越冬している様子も分かりました。
4.いろいろな形の生息地を観察して「保護のしかたにも多様性が必要なんだ」と思いました。
この文は、高2女子部員が書きました。
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