盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
「ウキゴリ属の婚姻色を見に行くか?」とサポーターに誘われ、出かけました。話によると、ウキゴリ属は北方系の淡水魚で、産卵期は冬、しかも他の魚と違いメスにきれいな婚姻色が出るとのこと。寒さよりも好奇心の方が勝ったため、朝の7時の干潮時間に出かけてみることにしました。この干潟には、少なくとも3種類のビリンゴ属がいます。
1時間30分ぐらい採集をしてそこから1時間ほどかけて採集した魚の撮影を行いました。 今回サポーターはとてもやさしく部員2人ともカメラと観察ケースを貸してくれました。
ただし、いつものように1人でふらふら採集を行い、部員2人は安全を確保された場所で採集を行いました。
この時期の調査をすることで、ほぼ干潟の魚を1年間にわたって観察することになります。
いつものようにサポーターはせっせと1人で採集に行ってしまいます。サポーターが「アナジャコやテッポウエビの穴などにいそうろうするする種もいるから、柔らかい泥にできた穴を軽く踏んでみるといいよ。苦しくなってエドハゼなどが出てくるかもしれんよ。」と言っていたので実際にアナジャコなどの穴を踏んでみると数匹のビリンゴが採れました。エドハゼも採れました。採集できた時の先輩はとても嬉しそうでした。
サポーターからカメラと観察ケースを借りた部員は各自撮影をしました。撮影の観察ケースにはたくさんのごみが舞っていて部員2人とも苦労しました。サポーターはいつもきれいな水を用意していて、それを借りました。
1. 今回採集出来た魚はビリンゴ、マサゴハゼ、ゴクラクハゼ、ヒモハゼ、シマイサキ、シモフリシマハゼ、エドハゼでした。自分で撮影記録をしてみて楽しかったし、違いがよく分かりました。サポーターが何台もカメラを持っている理由も少し分かりました。
2. 今回採集した魚の1つのマサゴハゼですが、年間を通して同じサイズの成魚が採れます。繁殖行動などはどうなっているのだろうと思いました。
3.ビリンゴのメスが抱卵していましたが、まだ婚姻色が十分出ていなかったので繁殖期は2月~3月頃だと思いました。写真左は、腹が卵で大きく膨らみ黄色い色は少し出ています。右は、ひれやほほが黒ずんでいます。この両方が本当にきれいに出るそうです。
4.サポーターや先輩は干潟の形態が秋の時と変わっているといっていました。軟泥部が減ったみたいです。
5.ウキゴリ属の産卵が冬なのは、耐寒性に優れていて他の魚よりも早く稚魚が孵化することで生存に有利になるのかなと思いました。
6.今回撮影に使用したカメラは素人でも簡単に魚が撮影できる使いやすいカメラでした。 撮影はカメラのおかげで何とかできたのですが観察ケースから魚を取り出すのに苦労しました。
今回は、中2部員がはじめて干潟に挑戦した記念も兼ねて、活動報告を書いてもらいました。
もちろんサポーターが目を通しています。
ちなみに、こうした干潟にすむ絶滅危惧種について観察や記録は続けますが、それらを保護しようとした時、私たちに何ができるのか悩んでしまいます。知って伝えていく以外にできることは何かあるでしょうか?
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