山川ファミリー (滋賀県)
田植え後1週間から1ヶ月の間に,カイエビ,ホウネンエビなどの大型鰓脚類が発生することがあります.ある田圃では大発生するのに,同じ人が同じように耕していてもすぐ隣の田圃では全く発生しないなど,発生の条件はあまりよくわかっていません.そこで,カイエビ,ホウネンエビが発生した田圃の土を所有者の了解を得て採取し,人工的に孵化実験を行うことにしました.食品保存容器や熱帯魚用のヒータなど,身近にあるものを使って田植え直後と同じ水温の水たまりを人工的に作り,そこに,採取した土を入れて観察します.
1ミリにも満たない大きさの幼生をみつけ,それをスライドガラスに取り,顕微鏡で観察するのは非常に根気のいる作業です.大人のサポータが作業を主導せざるを得ない場面がほとんどですが,田圃の生物の発生を机上で再現できることに,みんな驚いていました.
実験開始後2日後に原生動物3個体を発見,開始後4日たった大晦日にカイエビの幼生が産まれたことが確認できました.5月中旬の滋賀県南部の気温に基づいて,水温を夜間15度,昼間25度にコントロールしていますが,ホウネンエビには温度が低すぎるのか,発生は確認できませんでした.6月上旬から中旬の気温(夜間20度,昼間30度)にするとどうなるか,比較実験をしてみたいと考えています.
同じ土から,カイエビやホウネンエビの捕食者が発生するかどうかも調べたいのですが,ほかにどのような生物が発生しているのかを同定する作業は専門知識も必要で非常に大変です.また,机上の実験よりも実際の田圃の水を採取して調べるのが最もよいのは明らかなので,5月下旬から6月にかけて特定の田圃の水を継続的採取して調査してみたいと思います.
山川ファミリー(滋賀県)
山川ファミリー(滋賀県)
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