盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
福山市周辺の島の淡水魚調査第2回は、フェリーで走島へと向かいました。写真でも分かるように、川というより溝です。しかし、そんな場所でも淡水魚は生息していました。純淡水魚としては、モツゴ・タモロコとメダカの3種、場所を変え、汽水域では二次淡水魚であるアベハゼ・チチブ・スジハゼの3種が採取でき、周縁魚であるシマイサキも確認できました。
特に、スジハゼは最近形態的な特徴からツマグロスジハゼとスジハゼに分類されたところです。いつも私たちがでかけるフィールドではツマグロスジハゼばかりだったこともあり、スジハゼに出会えたことに驚きました。
グーグル地図を拡大しても川らしい川は表れないため、とりあえずサポーター一人で出かけることにしました。「いないならいない」というデータを残しておかないといけないからです。採集データをまとめるとき「いない」と記録するのと「不明」と記録するのでは大きな差が出ます。
ところが、純淡水魚のタモロコも含め予想以上に多数の魚類が採集できたため、戻った後部員たちに嬉しそうに報告していました。
1.まず、モツゴ・タモロコの自然分布はあり得ない。県西部の島での採集記録(吉郷2012)でもタモロコの記録があるが、ほぼ間違いなく「釣り人による放流」といえそうだ。メバル釣りの餌として余ったため逃がしたものだと思った。
2.カダヤシは、この走島でも分布していた。防虫効果のために導入された時期があったのかもしれない。釣りの餌としては販売していない筈だからだ。
3.腹びれのふちが透明で、体側縦列が5列明瞭に見える典型的なスジハゼに初めて出会えた。これで記録がまた増えたし、ツマグロスジハゼの分布との比較を始める一歩になると思った。
広島県東部島嶼部の淡水魚相のデータは、まだまだ未知のことが多いと思ったので、今後も続けまとめていきます。
一人よりみんなで行ければ本当は最高なのですが・・・
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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