盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
今年の秋の文化祭も直前となりました。今年は最近出版された「広島県レッドデータ2011」に指定されている水生生物について、その生息地を確認し、飼育・観察しながら展示して、多くの人たちに見てもらうことをテーマにしています。絶滅のおそれがある生き物なのでできるだけ少しだけ、しかも直前に採集し展示していきます。
この日は、要注意種に指定されているウキゴリを、採集にでかけました。6月頃に幼魚がさかのぼってきていたあたりを中心にサポーターの一人が向かい、部員4人ともう一人のサポーターが田んぼに広がる用水路へと向かいました。どちらの地点もいつも魚が多く見られる場所です。
どちらの場所も魚の姿は本当に少なく「なんでこうなるの!」と欽ちゃん跳びをしたくなるほどでした。それでもけん命に魚の採集を続けました。部員たちグループは結局タモロコ・コウライモロコ・オイカワなどを手に入れただけで、うなだれつつ戻りました。その魚たちだけでも展示には貴重だからです。魚と魚を比べて見てもらえるからです。と、1年生部員がバケツを持ったまま田んぼへ・・・。肩を泥だらけにした彼の第一声は「大丈夫です! 魚はこぼしていません!」大笑いをしました。彼は一人前の部員になりました。
一人で出かけていたサポーターの方は2匹のウキゴリを採集でき、目的は果たせたのですが、浮かぬ顔のまま。やはり相当ひどい状況だったみたいです。
1.例年、魚の増減は見られますがこんなにも少ないとなると、展示どころか、その種の生存にも関わるのではと思うほどでした。
2.大雨・洪水の影響だけならば、いずれまた回復する日もくるでしょうが、川底の変化が大きければ淡水魚の産卵に大きな影響が起きることになります。これからも調べに行きます。
3.文化祭の展示は、おそまつに見えても一種2匹までしか水槽に入れないことにしました。酸素の出る石などを使ってできるだけ見えやすく工夫しながら進めています。
4.レッドリストをあらためて確認すると福山市だけで県のリストの75%近くの淡水・汽水魚がいることになります。福山市の自然のすごさをあらためて感じました。
文化祭まであと4日。しんどいときに活動報告は息抜きになります。ありがたいことです。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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