盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
7回目になる山野川での採集合宿。今年は、全国中高生水フォーラム・八王子と重なり、1日目夜遅くに空港からヒーヒー言いながらかけつけた部員たちもいた中、全員で自然豊かな山野の環境と町民たちとの心温まる交流をどっぷり味わうことができた。
日頃、中四国水質ワースト1を40年近く保持し続けてきた芦田川で活動をしている部員たちにとって、1年に1度の山野合宿は「水のきれいさ」を体中で浴び、味わえる唯一の機会だ。
今年は、採集や観察もそれぞれに好きなやり方を選ばせチームを作った。潜水観察・手づかみ・タモ網・釣りの4チームである。それぞれのまとめも行い、お互いを思いやりながら満喫できていたようだった。
互いのチームの活動の妨げにならないようフィールドを分け合っていた。リーダー中心にとてもスムーズな動きをしていたため、サポーターは安心して日頃は絶対にやらない食事の準備をしてやろうか、という気になった。
文化祭展示用の魚を採集するために汗だくで頑張る部員、キャーキャー嬌声をあげながら手づかみに挑みつつ尻で押しつぶしムギツクを圧死させた部員、次々と魚を釣り上げる部員、水中メガネとシュノーケルを空気中でも使い続ける部員、前夜の町民学習会での発表で精根尽きはてた部員、さまざまである。
そのさまざまな姿がそのまま多様性であり、チームなのだと感じた。
1.これまでで17種の魚類を確認してきたが、今年は確認魚種が最も少ない年となった。原因は、河床形態の大きな変化にあると思った。激しい早瀬が減りアカザがほとんど見られないこと。淵が浅くなり優占種だったカワムツが激減しオイカワ・ズナガニゴイ・イトモロコが優占種になっていたこと。砂の堆積で浮石も減り、カワヨシノボリ・ギギ・オヤニラミ幼魚の隠れ家も減ったこと、が印象的だった。
2.川面をのぞくと例年以上にたくさんの魚が観察できる。いつものようにきれいな川に見える。ただ、その魚たちのメンバーは昨年とは違っている。毎年なんとか48が国民総選挙でセンターなど選ばれ代わっているのと同じ様な事が起きている。地元の人は、川を見続けているからそのことに気付いているのだな、と思った。
東京から広島空港を経て、海パンもないまま駆け付けた部員たちの根性は素晴らしいと思ったので、予備の海パンを貸してやった。はよ返せ。
地元の人たちとの交流は本当に楽しかった。殆どのおじさんたちは魚好きで話が尽きなかった。方言も一部知ることができたので、いつか聞き取りをじっくり腰を据えてやってみたい。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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