盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
昼食後、車に戻る途中で露店で漁具を売っていました。5mを越える長いワナが600円ほどでした。漁具も網目も大きくて圧倒されそうです。とにかく水路に沈め、あちこちのすき間から魚が入るのを待つという方法です。私たちのちゃちな、もとい繊細な仕掛けで、エサの匂いで魚を集める方法とでは、まったく感覚が違います。やっかいなのは、Fサポーターがフリーズしたことです。「買おうか買うまいか」悩んでいるに決まってます。気が済むまでほっとくしかありません。略・水路に戻り、仕掛けを上げました。何匹もタナゴ類が入ってます。「Fさん! ひょっとしてスイゲン・・・」「fangiじゃ! fangiじゃ! Oさん!魚が痛む! 走れ!走れ!」叫び声は村中に響き渡りました。まったく年寄りをこき使うもんです。でも嬉しいので走ります。まさかこんなにいきなり出会うとは・・・
夢にまで見た中国のスイゲンゼニタナゴの仲間に出会うことができました。歓喜歓喜です。村の人たちも集まってきます。私たちの嬉しそうなようすにみんなも笑顔で声をかけてくれます。
もちろん案内して下さった上海海洋大学院生の王さんも大喜びです。それからは、採集した魚たちの記録写真を撮りつつ、仕掛けを沈めることを繰り返しました。
結局、オス7個体・メス5個体の計12個体の中国スイゲンを採集できました。王さんは、自分の役割終了と言いたそうな顔をしています。明日は大雨ですし、自分の研究もあることでしょう。そうそうつきあってはいられないはずです。
「王さん、20匹は必要なんだ!」たどたどしい英語でうそをつきました。ごめんなさい。明日もつきあってもらいたいのです。「OK!OK!明日はとことんね。」よかったあ!
1.日本のスイゲンと本当に瓜二つ。「縦線が太い」ことが中国スイゲンの特徴と考えていたが、確かに太いものもいる。しかし、細いものもいる。判別は簡単にできない。タイリクバラタナゴが日本で広く繁殖し、遺伝子かく乱を起こし、ニッポンバラタナゴを駆逐していったように、どんな理由であれ日本に持ち込まれたら大変なことになると思った。
2.撮影して居ると「尻びれ周縁部の黒さ」「全体の透明感」に違いがあるように感じてきた。やはりじっくり観察しないといけない。撮影のようすを村の人たちも覗いてくる。日本と同じで嬉しい。
3.なぜ、午後からいきなり採れたのか未だに疑問。もともと行動範囲の広いタナゴと言われてはいるが・・・
興奮しつつ、夜はホテル近くの小さな食堂に行きました。この店には4日間通いつめました。すっかり仲良くなりました。メニューがすべて写真で張り出され、値段も書いてあるからです。大体の料理は10元(150円)以下、量は2人前。この日は牛肉ラーメンです。本当においしい。
K大のOB部員は「中国にいるんですか!」とメールを送って来た。彼女は日本でクラブをしていると思っていたようだ。そういえば言ってなかったかもしれん。ま、もう一度「来るように」とメールを送り返した。来るかもしれん。中国スイゲンのように可能性はゼロじゃない。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)