盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
今日は待ちに待った上海での魚採りです。待ち合わせた8時半までに、贅沢にもバイキングをいただきました。一人15元(約250円)もするのです。屋台の1元の肉まんで十分ですが、ゆで卵の黄身が仕掛けの練りエサの材料に必要なのです。大学教授からは「中国の水路は栄養分が豊富、通用しないよ」と言われましたが・・・
さて、上海で初めてRhodeus fangiが記録された場所へ出発です。略・着きました。ショックでした。とてもタナゴたちがいるとは思えません。汚濁が進み、平坦に流れるだけ。とりあえず王さんの案内で魚市場にでかけました。たくさんの種類の淡水魚が並ぶ中、小魚も安い値段で売ってました。タナゴたちもいます。大小関係なく根こそぎとっている印象でした。しかし、目的のタナゴは探してもいません。市場を出て、あちこち巡り、ようやく「ここがいいかも!」と感じる流域に出会いました。一人は練り餌を作り、仕掛けを沈めます。もう一人は胴長をはき、水路に入ります。ヨコシマドンコ・モツゴ・チョウセンブナなどしか採れません。あきらめかけ昼食の直前に仕掛けを上げました。なんと美しいカラバラタナゴが入っていました。日本式仕掛けの効果ありです。とても長い中国式仕掛けが沈む中でよくぞ入ってくれました。ひょっとすると出会えるかもしれんなと、撮影後再び仕掛けを沈め、昼食休憩です。
カラバラタナゴは、日本には分布していないタナゴです。ひそかに一番美しいタナゴと思っています。なぜ、スイゲンゼニタナゴの仲間は、日本・韓国・中国と広範囲に点在しているのに、カラバラタナゴの仲間は、韓国・中国にしかいないのでしょうね。本当に分からんことばかりじゃなどと、少し興奮気味に昼食を食べました。ソラマメがシーズンのようで、小さな食堂では剥きたてを食べさせてくれます。もちろん剥くのを手伝いました。観光するつもりは全くないので、地元の人たちとワイワイできることが一番です。しかも、昼から仕掛けを上げてみるのが楽しみですし、日本に帰ってから部員たちにいろいろなお土産話もしたいですし・・・
1.とにかく今のところみんなとっても親切だ。地域の人たちが仕掛けたワナも「上げてみよう」と王さんが頑張っていた。マナーに反する悪い日本人になりたくないので断ったら、地域の人とも話を進め、上げてくださった。目的の魚は残念ながらいなかった。
2.始めて記録された場所も含め、環境がどんどん悪くなっていることは確かなようだ。午前中に採集した魚は、殆どがひれやうろこが傷つき、寄生虫が見られたりもした。このままでは近いうちに魚のすめない環境になると痛切に感じた。
3.日本であれば、まずスイゲンゼニタナゴがいると思えない地点でも探しまわってやっとたどり着いたのだから、カラバラタナゴの採集がきっかけになって、昼から出会えれば「夢の一つがかなうなあ」と思うと飯がのどを通らなくなった。
この日の夜、持って行っていたミニパソコンに、K大に進んだ部員OBからメールが届いた。「土曜日顔を出していいですか?」「いいよ。待ってるからね。広島空港8時半出発上海行きに乗るんだよ。」と答えておいた。
はたして、彼女は無事、香川県から上海市へ着くことができるだろうか?
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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