盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
新年初のフィールドワークを敢行しました。基本的に個人研究のまとめや研究会での発表原稿に追われている今日この頃なのですが、メンバーたちが「どうしても川に行きたい」とサポーターに直訴してきたため、「このくそ寒いのに・・・」と思いつつ、「自分たちで準備や目的・活動の責任をしっかり意識して行うならいいよ。」ということで、春・夏・秋と調査を重ねてきた地点での生息魚種調査活動を行いました。
準備も集合も採集活動時のグループ行動も、また、途中での休憩も最後の分かち合いも、全部リーダー中心にやっていました。
サポーター二人は、メンバーの採集してきた淡水魚たちの写真記録をし続けていればいいという極めて楽な活動となりました。前日に、予測として「冬期の魚種はかなり貧弱になる。」と考えていたのですが、予想以上に多くの種数が確認され、正直驚きました。
何より、安心安全に活動してくれている様子に驚きました。3月に明石市で行われる「魚類自然史研究会」において、2本の発表を予定していますが、その1泊2日の旅行もこれなら大丈夫です。
1.ギンブナ・カワヒガイ・イトモロコ・カマツカ・カネヒラ・アブラボテ・オイカワ・タモロコのコイ科9種、シマヨシノボリ・トウヨシノボリ・シマヒレヨシノボリのハゼ科2種、シマドジョウ、ブルーギルと13種もの魚類が確認された。冬にしては多い。
2.ただし、ひれや体に傷がある個体が多く、厳しい冬をようやく乗り越えたようすが良く分かった。
3.採集後、昨年の文化祭後に採集・飼育していたシマヨシノボリを元の生息場所に放流した。両側回遊魚であるシマヨシノボリにとって芦田川の河口堰は、大きな障害になっているようで、この地点でしかまとまった個体数を確認できていないためである。この日採取できた自然下の個体と理科室で半年飼育してきた個体とでは、明らかに飼育下の方が丸丸と太っている。甘やかして育ててしまったと後悔した。
4.冬期の淡水魚たちの過ごす場所は、基本的に大きく変わる。砂の中に潜って過ごすもの、石の下で耐え続けるもの、深みに移動するもの、寿命を終えるものなど、さまざまである。だから種類はかなり多く見つけたけれども、採取できた数はずいぶん少なかった。
「どうしてこんなに生息魚種調査をしたがったのか」「なぜ自分たちでやりきったのか」考えてみました。分かりました。12~1月とサポーター2人で日曜日を使って、あちこち調査に行っていて、そのようすを嬉しそうに話していたため、うっぷんがたまりにたまったようです。
いやあ、採集を終えた後のメンバーたちの晴れやかな顔は何ともいえんものでした。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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