盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
ゴミや水草を除去した頃から雨脚が激しくなってきました。カッパを着ていてもずぶぬれです。ヘドロに足をとられ、胴長に水が入った部員もいます。次第に無口になっていきました。
そんな中で、上流域でのくい打ち作業が始まりました。水路の中に立って重い大きな金づちで、1本また1本と木のくいを打っていきます。体格のよい高校男子部員でも息が上がります。そのくいにさし網を針金で止めていきます。止めた後、コンクリートブロックで両岸へと固定していきます。その間にも上流から流れてきたゴミが網にたまっていきます。
そして、全員でならんで、もう1本のさし網をその地点からゆっくり引いていきます。下流へと魚たちを追いやって逃がすためです。両岸の部員は特に中へ魚が進入するすき間を作らないよう慎重にしていきます。途中2つ橋があります。その下をはいずるようにくぐっていきます。ひきずった網を下流域に立てたくいに結び付け、作業完了です。
さすがにばててきたのか女子部員の中には、水路からあがれなくなった人も出てきました。サポーターが手を差し伸べるとあっさり払われてしまいました。強い意志です。自力で上がってきました。
ヘドロで足が沈み、水深が40cm位、水面から橋までの高さ40cm位、ほふく前進の中、あちこちで「いてっ」という声が上がります。頭を打っているのです。ま、人生にはつきものです。ぜひ、写真記録に残したいと思いつつ、部員の懸命な姿に打たれ、サポーターも知らぬ間に一緒に網を引っ張っていました。すてきな師弟愛です。ちなみにこの時カメラが雨のため動かなくなってしまっていたこととは関係ありません。
1.作業を終え、部員たちの多くが寒さでふるえていたことに、やっと気付いた。
2.あらためて自然保護活動は「半端な思いではできない。」と感じた。
3.こうした活動の目的を明確に報告できないもどかしさを強く感じた。守ろうとする者もいれば、平気で違反をしようとする者もいる。個の利益を優先する大人たちと幾度となくやりとりしてきたが、「こいつらのずぶぬれの姿を見ても、何も思わんのかい?」と、言ってやりたい。
月曜日には、作業で使った胴長などの道具一式をきれいにしなければなりません。また、工事終了後は、網を取り去り、くいを抜いていく作業が待っています。くいは残してはいけないのです。
だから、昼を過ぎ解散後、サポーター2人は、悔いを残さぬよう論争中のカワバタモロコ採集地へと行ってみることにしました。部員達にはもちろん内緒です。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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