盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
これまでの淡水魚類調査では、ひとまとめにヨシノボリ類として見逃してきたため、『芦田川にシマヨシノボリはもういない』と思い込んできました。そこで、今年、数尾確認されたポイントに低学年中学生とともに採集に行きました。
もう一人のサポーターの意見では「シマヨシノボリは砂地にいて、もぐる」とのこと。大学時にヨシノボリが研究対象だった私には信じられない意見を述べてきます。「かならず平瀬にいるはず」と考え、砂地と平瀬の砂礫底の2カ所で採集しました。
なお、ヨシノボリ採取は、低学年でも安全で確実に採れます。
4人とも砂地では一尾とも採れません。砂礫底のポイントに移動後4人とも次々にヨシノボリを採取していきます。シマヨシノボリかどうか確かめ方を教えます。中2北沢隊員がおたけびをあげました。「シマヨシノボリじゃあ!」間違いありません。「また、シマじゃあ!」立て続けに4尾採取です。サポーターは、隊員のとったヨシノボリと他種との選別と写真記録におおわらわです。そのうち中2松浦隊員が「わしもとったどー!」と走ってきます。
くそっ、腹立つ! わしにもやらさんかい。というのは、サポーターのタモ網は、バケツで選別した後の300尾以上のヨシノボリが酸欠しないよういけす代わりに使っていたからです。
おもむろに北沢隊員のタモ網をうばい、なんとか最大級のシマヨシノボリ一尾をゲットすることができました。計7尾のシマヨシノボリを含め、持ち帰りました。
1.シマヒレヨシノボリ・トウヨシノボリ・偽橙色型・シマヨシノボリが、同所的に採取されたため、今回は棲み分けは確認できなかった。
2.芦田川はシマヨシノボリの生息密度がきわめて低く、河口堰の影響もあるのではないか?
3.シマヨシノボリ7尾を他のヨシノボリ類とまとめてバケツに入れると、頬の縞模様による判別をしなくても、明らかに体色がちがうことがわかった。持ち帰り、大きな水槽に入れ直しても、中学生のだれもがシマヨシノボリを指させるほどの違いがあることがわかった。
4.どうして、こんな簡単な判別に20年以上も気づかずにいたのか、恥ずかしくなった。
5.部員たちはみな大喜びであった。月曜から一尾ずつ確認作業というつらい日々があることも忘れて・・・
高校生隊員たちは、芦田川でカワバタモロコ発見というとんでもない記録を上げたそうです。あー、そっちにも行けばよかった。
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