盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
タナゴの文化について調べるチームが「江戸時代の食文化」として「タナゴのすずめ焼き」を紹介し、タナゴが身近な魚だったことを知らせていきたい、と言ってきました。
さっそく全国のつくだ煮屋さんをネットで調べ、調べた中で唯一フナやモロコを混ぜずに100%タナゴで調理している千葉県のお店を見つけてきました。
問い合わせてみると、「日本のタナゴ類は絶滅の危機にあり、自然保護の観点から、すべて中国から輸入したタイリクバラタナゴになります。」とのこと。
部員たちと「ひょっとすると混獲でいろんな種類のタナゴが含まれるかもしれないぞ!」と気体で腹を膨らませて到着を待ちました。
今日届きました。すぐ部員たちと確認です。
上の写真を見て下さい。醤油漬け・串刺し状態のままですが、明らかに左上のタナゴと右上のタナゴは種類が違います。左は体の側面にはっきりと縦線が長く延びています。まだ、封を切れないのが残念ですが、左のタナゴは、最近スイゲンゼニタナコと別種と分類された韓国のカラゼニタナゴRhodeus notatus にほぼ間違いなしです。
なかなか外国のタナゴ類を調べる機会のない私たちにとって、本当に得難い体験となりました。
みんなで喝采をあげました。当日、試食して頂くだけでなく、もっと詳しく同定して、ヤリタナゴ・オオタナゴ・トンキントゲタナゴなども含まれていないか確かめてみることになりました。
カラゼニタナゴ・カゼトゲタナゴ・スイゲンゼニタナゴの生息域は大きく離れています。しかし、採集して直に見てみても殆ど区別がつきません。まして、最近は簡単に採集の許可は下りません。中国へ行って魚採りなど夢のまた夢です。
しかし、今回のような機会を逃さずに、100%タイリクバラタナゴはあり得ないこと、中国にもカラゼニタナゴは生息しているという最近の文献を把握しておくことで仮説が立てられ、実際に「中国のカラゼニタナゴ」を確認できたのは、本当に嬉しかったです。
江戸時代からの醤油屋さん、ありがとうございました。
できれば、つぎは輸入したままの「醤油ぬき・焼かないまま・できれば冷凍もの」を注文したいなあ。
でも、とっても失礼な注文ですよね。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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