盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
学園祭に向けて、今日はアブラボテの捕獲にでかけました。アブラボテはタナゴ類の中では中上流域を好むため福山市近郊では伏流水のわき出る水域で観察できます。今回は、高校2年の部員が福山市内で「アブラボテしかいない」と豪語する地点に出かけ、採集する予定でした。しかし、その場所に着いてみると確かにアブラボテは多くいましたが、様々なタナゴ類を含め他の淡水魚の姿が観察でき、またタナゴ類の産卵場として適した環境と判断したため、「生息環境を荒らすべきでない」と判断し、急きょ『タナゴ釣り作戦』に切り替えました。こういうとき、さまざまな採集道具を積み込んでいると安心です。
タナゴ釣り初心者2名を含み5名での捕獲結果は、アブラボテ52尾、ヤリタナゴ18尾、オイカワ15尾、コウライモロコ2尾となりました。
初心者もそれぞれ先輩の指導を受け、10尾程度はつり上げていました。
あらかじめ飼育室に準備しておいた水槽にアブラボテだけ持ち帰り、飼育・観察を行っていきます。
最初、釣り竿や仕掛けの小ささにとまどっていた初心者の部員も、先輩の指導ですぐにうまく釣り上げられるようになっていった。そのうち、上から見るだけでヤリタナゴとアブラボテの区別がつくようになり、アブラボテだけねらった釣りになっていった。
アブラボテは、婚姻色の出たオスや産卵管ののびたメスも釣れていたため、春産卵型のタナゴにもかかわらず、サポーターの言っていた通り、この場所での産卵が続いていることが分かった。サポーターもけがばかりしているんじゃなく、生態系をしっかり把握していると感心した。
タナゴ釣りの文化が関東では当たり前なのに、関西では殆ど知られていないことに愕いていた。2時間で100尾近くも釣れ、とても楽しめるのに、なんでだろうと首をかしげていた。
川でも用水路でも魚が生息するのに適した環境は限られていて、そのポイントとなる環境条件を把握することが大切だと思った。
採集の仕方にはいろいろあり、生息環境を壊さないことも大切なことだと感じた。
相変わらずサポーターは、すぐに飽きたみたいで、一人さまざまな流域へとうろつき、ギンブナだの、ヌマムツだの、目的以外の魚とたわむれていた。本当に私たちの部の顧問は好奇心が強すぎるのは困ったものである。
文化祭に向けて、芦田川のタナゴ類の飼育準備はすべて整いました。日本のタナゴ類について、とっても楽しめる展示にしていく予定です。
盈進中学高等学校環境科学研究部(広島県)
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