盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)
今年の文化祭テーマは「タナゴ再び!」に決定! 全国15種のタナゴ類の現状について、また地域に生息するスイゲンゼニタナゴをはじめとするタナゴ類の展示、また世界に分布する40種のタナゴ類について、できるだけ多くの方々に分かりやすく、深く伝えたいのが趣旨です。
さて、展示用のタナゴ類ですが、ここ数年すっかりタイリクバラタナゴの生息数が減ってきたと部員たちと話していたところ、淀みやワンドとは全く無関係の「三面コンクリート護岸の用水路で簡単に採れる」と豪語する部員が現れ、「そんなん採れんわ!」と確かめに行きました。
写真の通り、下流に2本網をかまえ、上流から2本の網で追うという実に情けない採り方です。しかも1人は制服のままです。用水路は結構流れもあり、また産卵のための二枚貝はありません。タイリクバラタナゴの生息地としては適していないと思って当然です。
しかし、ほんの30分の時間で10匹のタイリクバラタナゴを採集できました。完全に豪語した部員の勝ちでした。
もちろん、オイカワ・ヤリタナゴ・コウライモロコ・ギンブナなどの方がはるかにたくさん採れたのですが。
ニッポンバラタナゴを駆逐した外来種のタイリクバラタナゴも泥地の止水域を好むタナゴの仲間のため、芦田川では減少しているのは確かなことだけれども、夏場には生活域を広げ、生き延びていることが分かりました。
婚姻色がしっかりでているオスも2尾、産卵管ののびたメスも1尾採取できたことから近くに産卵に適した場所があることが分かりました。いつか確認できたらいいなと思います。
飼育室で観察飼育していきます。
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