活動レポート

活動レポート

スイゲンゼニタナゴ産卵母貝分布調査

盈進中学高等学校環境科学研究部 (広島県)

活動日:

2012年03月20日

実施場所:

福山市芦田川用水路

参加メンバー&サポーター数:

22人

活動の分野:

  • 水
  • 自然・生物多様性 自然・生物多様性
  • 分野その他 分野その他

SDGs:

活動内容

 私たちは、20年近く絶滅危惧種スイゲンゼニタナゴの生息保護地での産卵母貝の分布調査を続けています。
この魚は、現在岡山県の河川と広島県の芦田川にのみ生息しています。他のタナゴ類と同様に二枚貝に産卵する習性をもっていて、流れのある小川や用水路で、小型のイシガイやマツカサガイを選んで産卵します。
 そこで、産卵期をむかえる前の3月に二枚貝の種類と分布をヘドロのたまった川底を手探りで確認しています。手はかじかむし、サポーターの先生はゆるめてくれないし、腰は痛むし、大変です。
 ただ、長い間先輩たちの続けてきた活動をつなげてみると、この流域が、川底の状態だけでなく、すんでいる魚の種類、そして二枚貝の種類や数まで大きく変化していっていることが分かりました。
 すでに2007年からスイゲンゼニタナゴの姿も見られなくなりました。多くいたマツカサガイは減り、泥地に適応したトンガリササノハガイばかりになり、他のタナゴ類の越冬地にもなっていない状況です。

参加者のようす

 1年間の決まった活動の中で、一番きつい調査です。しかも、ここ6年間はスイゲンゼニタナゴを一尾も確認できていないこともあって、とてもつらそうです。でも、誰一人くじけることなく、黙々とヘドロをほじくり続けています。産卵できるイシガイやマツカサガイを採集したときに、大きな声で地点と貝の名を叫ぶ姿は、とても誇らしくも見えます。
 楽しみにしていた調査後の差し入れの飲み物も、今年は事業仕分けの経費削減のせいか、サポーターがせこいせいか、なくなってしまい、とても残念でした。

感想・気づいたこと・考えたこと

 長年のデータを比べてみると、川底にシルトやヘドロがたまるにつれ、しばらくは大きな変化はみせないけれども、確実に個体数が減っていく原因になっていることが分かりました。
 大阪でニッポンバラタナコの保護池を観察させていただいたとき、「ドビ流し」といって、池底の栓を抜くことでよりよい環境に戻す方法を教えていただきましたが、私たちの場合、用水路のヘドロを流すことによって下流の農家の方々にも悪影響が起きます。
 自然保護は、机の上だけじゃできないとつくづく思います。
 また、心なき人たちが幾度となく採集に来ることも地域の人からの聞き取り調査で知りました。本当に自分勝手な大人たちも多いと思います。

その他

 また、いろいろな活動を報告しようと思います。よろしくお願いします。

盈進中学高等学校 環境科学研究部の皆さん、こんにちは。スイゲンゼニタナゴの保護活動に取り組みご苦労様です。この報告から、用水路の水質汚濁が原因のように思われます。例えば国土交通省高谷川河川浄化施設(芦田川大渡橋東詰を東に進むすぐ)は河川の水質保全のために汚染されている川の下流に浄化施設を設置している例があります。水質の保全活動は関係する機関を巻き込んだ活動が必要と思はれます。何か参考になれば幸いです。これからも皆様の活動報告を楽しみにしています。
また、用水に流れ込む生活排水等の浄化対策など上流域での汚濁源対策などを用水の管理者(○○用水管理事務所:かんがい用水を管理している者)や市の環境関連課の方たちに現状を理解して頂き対策をお願いすることが必要と思いました。
エコまる
盈進中学高等学校環境科学研究部のみんな、報告ありがとう!
環境に関することならどんなことでもエコロジカルあくしょん!
これからも一緒にがんばろう! がんばってるなと思ったら拍手をしてね★
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クラブのプロフィール

  • クラブ名盈進中学高等学校環境科学研究部
  • 所在地広島県
  • クラブの種類学校のクラブ

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