2023.12.11 掲載
今月は長野県塩尻市の「わおん♪自然探検隊(しぜんたんけんたい)」さんの活動をピックアップ★
リピーター多数で14年続いてきた秘訣とは!?長野県塩尻市の小曽部川や森の中での魅力的な活動についてお話しを伺いました。
クラブのSDGsアクション
わおん♪自然探検隊は、NPO法人わおんが運営しているこどもエコクラブです。NPO法人わおんは、子どもたちがもっと元気に輝く地域をめざして、森を中心とした自然体験などの子どもたちへの体験活動を実施しています。
理事長(山田勇さん)が以前にも別のこどもエコクラブに関わっていたことがあり、NPO法人わおんでも実施したいということでわおん♪自然探検隊の活動を始めました。
「わおん♪」という名前から音楽団体とも間違われがちですが、「わ」に、環、和、話、輪などの意味をもたせており、それぞれが「わ」の音を奏でて、社会全体が「わ」のハーモニーになると良いなと思い、団体名にしています。
塩尻市内外のいろんな学校から多種多様な子どもたちが集まっています。わおん♪自然探検隊でしか顔を合わせない子たちが多いですが、活動を通して仲良くなり、時にはけんかもしながら一緒にひみつ基地をつくったり、ハンモックにのったりして、楽しそうに活動をしています。リピート参加OKなので何年も通ってくれる子が多く、登録人数も60名ほどになりました。
主に塩尻市内の学校に参加者募集チラシを配布している他、メールマガジン、ブログなどで募集をしています。対象年齢は小学3年生から中学3年生まで。毎年、新規の子どもたちを20名程度を募集しています。リピーターの子は上限無く、希望があれば受けています。
年間8回、4月から翌年1月まで大体月に1回程度開催しています。今年度はチラシのようなスケジュールで開催しています。
春・夏・秋に実施しているキャンプが人気です(※今年度は秋の実施なし)。登録人数が増えたことや感染症対策もあり、現在は登録者を半分ずつに分けての実施になっていますが、それでも20名程度の子どもたちが一緒に1泊2日を過ごすのは楽しいようです。一緒に過ごす時間が長いので、とても仲が深まりやすいです。
新型コロナウイルスが広まっていた頃は自分たちで料理をつくることができませんでしたが、落ち着いてきたので夕食づくりを復活しました。子どもたちから「やっとキャンプって感じがしてきた」という声が上がり、ご飯作りはキャンプの醍醐味のひとつなのだと改めて感じることができました。
夏のキャンプでは、フィールド(塩尻市洗馬小曽部)を流れている小曽部川(こそぶがわ)で、生き物調査をしたり、川に流される体験をしたりときれいな川を存分に楽しんでいます。
森の中での活動は、基本的に子どもたちがやりたいことを自由に遊べるように心がけています。
「げんすけのひみつ基地(げんすけ=わおんのキャラクター)」というフィールドには水が湧き出ていて、小さなせせらぎのようなものが流れている場所があります。そのせせらぎで遊ぶ子もいれば、周りの森でハンモックをはったり、自分なりの基地をつくったり、木登りをしたりとそれぞれ、自由に遊んでいます。
せせらぎではサワガニをみつけたり生き物探しをする子もいますが、多くの男子に人気なのは、石をどけたり逆に集めたりしながら川の流れを調整すること。ダムみたいなものをつくって、一気に流すというのも人気です。しかし川はひとつなので、なかなかそれぞれの思うようにいかないらしく、「誰が水を止めてるの?流して!」と争いが発生することもあります。水は魅力的ですが、そんな時は奪い合いにもなるという人類の歴史を垣間見ている気分になります。
クラブに参加したてのメンバーは自分が遊びたいことに夢中で楽しんでいることが多いですが、だんだんと周りを見ることができるようになり、危険なことをしようとしている子がいると注意したり、こうすると安全だよと教えていたりします。自分が注意されてきたことを、他の子に注意している姿をみると大きくなったんだなと感じます。
また高学年になるにつれて、道具の使い方も上手になります。ロープワークやノコギリ、ナイフ、ナタなど、安全に便利に使いこなすようになり頼もしく感じます。
1回の活動で6~10名ほどのサポーターが活躍してくれていて、高校生のサポーターも3名います。基本的には子どもたちがやりたいことを実施できるように、道具を準備したり、大きなけがをしないように見守ることが仕事です。子どもたちと一緒に遊んでいることがほとんどですが、それが大事だと思っています。子どもたちは地域の大人と接する機会が少なく、大人=家族・学校の先生となりがちです。でも実際には大人はいっぱいいて、それぞれ性格なども違うものです。きっちりしている大人もいれば、大ざっぱな大人もいる。いろんな大人がいるんだということを知るきっかけにもなっているのではないかと思います。
地域の方々の協力やさまざまな支援があったおかげで、長く続けてくることができました。子どもたちが楽しそうに活動をしている姿を見ることができるのも大きいです。
参加している子どもの弟や妹の「私は来年、やっと参加できる!」という声を聴くと、続けていかないと!と強く感じます。
またこどもエコクラブ全国事務局からさまざまな情報をお送りいただいているのは励みになります。ほかの地域のみなさんの活躍をみながら、自分たちもコツコツとがんばろうという気持ちになります。
環境活動の第一歩は身近な自然を好きになることと考え、地元の子たちと一緒に森を満喫しながら遊んでいます。みんなで外であそび、自然のなかで自由にあそべるあそびの達人を目指しながら活動を続けています。
「わおん♪自然探検隊」さん、ありがとうございました!
「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
インタビューを受けてもいいよ☆というクラブのみなさん、
ぜひ全国事務局までメールをお送りください!