2023.01.10 掲載
今月のリアルヴォイスは、静岡県静岡市のわんぱく題楽さんに注目です!
わんぱく題楽さんは地域に根ざした「認定NPO法人 しずおか環境教育研究会(略称:エコエデュ)」のエコクラブです。こどもエコクラブとしての活動も12年目となるベテランクラブとして、里山に息づく命と自分の命の響き合いを体感できるような活動を行っています。
クラブのSDGsアクション
わんぱく題楽の活動場所は静岡市でも貴重な里山の景観や伝統が残る場所で、身近な地域の子どもたちと、野菜の収穫体験の楽しさやそのおいしさを実感したいという想いから始まり、今年 発足20年目をむかえました!発足後しばらくたってこどもエコクラブの存在を知り、全国エコ活コンクールなどで全国の子どもたちの活動を知ることができるのが魅力だなと思い、登録しました。
発足当初は小さな畑の開墾から始まりましたが、畑が広がり、田んぼの活動が加わり、1年を通じて里山の森、川、田んぼ、畑など、私たちの命のつながりを体感できる活動となりました。とれたてのお米で新米ご飯やお赤飯、収穫した野菜でカレーを作ったりと、旬の味を楽しみます!
活動は年間を通して行っていますので、四季折々の農作業を体験します。特に田んぼの行事や作業は、1月の春田打ち(たうち)の神事から始まり、しろかき、田植え、かかし作り、稲刈り、脱穀…と、新米を食べるまでの過程を大切に伝えています。家庭や学校でもなかなか体験できない活動だという事をメンバーたちもわかっていて、田んぼ作業はどれも好評です。
また、里山の森を活用した落ち葉堆肥作り、竹細工、かくれ家作り、シイタケの菌打ち(きんうち)なども人気です。森の素材はかつて私たちの暮らしにとても役立つものだったこと、それが使われなくなって放置竹林や荒廃した森になってしまったことなどの環境問題にも触れ、その具体的な解決方法の一つとして利用する方法を体験してもらいます。メンバーたちには、のこぎりや小刀、インパクト、カナヅチなどの道具も安全に使えるように指導して、積極的に使う体験をしています。
【稲刈り】と【菌打ち】
活動内容も盛りだくさんですね!自分たちで作ったお米や野菜で旬の味を楽しめるなんて、なかなかできない体験です。里山の森での活動も、自然が好きな子にはたまらない活動ですね。クラブにはどんなメンバーがいるのですか?
メンバーは静岡市をはじめ、周辺の市町村から集まった小学生です。毎年多くの新規参加申し込みをいただき、キャンセル待ちの方も出るほどです。HPで募集告知していますが、口コミで知ってくださる方が多いようです。
継続メンバーもいますので、田植えや稲刈りをはじめ、初体験の子どもたちにもメンバー同士で教え合うような、年れいをこえたつながりも生まれます。協同作業をしていく中でみんな仲が良く、よく働きます。今年は兄弟姉妹の参加も多いですね。
虫や魚など生き物が好きな子が多く、生き物がたくさん集まる畑や、川、田んぼが大好き!という心やさしきメンバーたちです。里山ののびのびとした環境が好きな男の子、食べることや野菜を育てることが好きな女の子など、色々な子が参加しています。
4月に開校式を行うのですが、1年生は緊張や、場所見知りもあり保護者からなかなかはなれられないという様子から始まります。なので、4月の活動はたっぷりのアイスブレイク、フィールドハイクなどで1年間の活動が楽しみになるように工夫しています。
苦労と言えば、近年夏のあつさが厳しく、しかも畑や田んぼは日かげがほとんどないので、熱中症のリスクを回避するということに大変気を使います。また活動日が年間で決まっているため、台風などでフィールドに行けなかったり、近年はコロナで活動ができなかったこともあり、その時期の農作業ができないということもありました。まかなければならない種はスタッフがまき、その様子をビデオにしたり、ご家庭でできそうなことは郵送したりと工夫してきました。
農作業と言う関係上、時期によってやる内容が毎年決まっているので、後半になってメンバー同士のコミュニケーションが取れてくれば、農作業や火おこしなどを高学年の子が低学年にやって見せたり直接教えたりする姿が見られ、感動します。
また毎回の活動後に書いてもらうふり返りでは、自分で育ててきた野菜の苗の成長が楽しみだという言葉が聞かれ、水やりや敷きわらなどの育てる過程を楽しめるようになってくると、メンバーたちの成長を実感します。
地域の人たちがスタッフになってくれたり、農家さんが指導してくださったり、身近なフィールドを活かしたプログラムを開発できることが特徴だと思います。参加者だった保護者や子どもたちが、成長していく過程でまたつながりを持てたりすることも良いところだと思います。
主催側の想いや目標になりますが、わんぱく題楽の活動を通して、本来子どもたちが持っている好奇心やセンス・オブ・ワンダー~不思議だなと感じる感性~を呼び起こし、育み、感性豊かな子ども時代に様々な体験をし、それが生きて働く知恵となり、創造力となってほしいと願っています。
また、四季折々の農体験が『食を選択する力』になると共に、里山の森を利用した火育体験から身近な環境問題にも興味、関心をもち、問題解決に向けた行動ができるようになっていくことが目標です。
「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
インタビューを受けてもいいよ☆というクラブのみなさん、
ぜひ全国事務局までメールをお送りください!