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【2023 壁新聞道場!】たのもーーーう!福島県 その1

2023.08.02 掲載

福島県からは8枚の壁新聞が届いたよ!その中から4枚をご紹介。
沼田師範よろしくお願いしまーす。

福島県 その2 その3

いわき市「いわき市立高坂小学校SDGs隊

いわきのハス再生プロジェクト
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私たちで再生させるハス
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高坂小学校の歩み
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(消えた)ハス (もどって)こい新聞
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いわき市立高坂小学校SDGs隊のみなさんへ
師範から一言!

今回、みなさんは『虹色スマイルプロジェクト』(「ハス再生プロジェクト」「ハスの花咲く内郷・常磐プロジェクト」)の活動をそれぞれ4枚の壁新聞にまとめてくれました。
福島県の国宝建造物(こくほうけんぞうぶつ)である白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)の浄土庭園(じょうどていえん)の池では、毎年夏、古代からよみがえった大賀(おおが)ハスが美しい花を咲かせていました。しかし2021年、とつぜん見られなくなりました。アカミミガメが繁殖(はんしょく)し、ハスの芽などを食べてしまったのが原因と考えられています。
それより前の19年、高坂小学校では住職の方から、大賀ハスの種を分けもらっていました。学校の「希望の池」に定植し、1輪の花が咲きました。今回、白水阿弥陀堂のハスが激減したことを知ったみなさんが「学校のハスを再生のために役立ててほしい」と手紙を書き、それがきっかけでプロジェクトがスタートしました。
阿弥陀堂を建立した徳姫のふるさと、岩手県平泉の中尊寺金色堂(ちゅうそんじこんじきどう)から出土した種から発芽したといわれる大賀ハスが食害(しょくがい)されたことはとても残念です。しかし高坂小に分けられた種が、1すじの希望となりました。みなさんが提案(ていあん)したプロジェクトに多くの方が賛同(さんどう)。参加者は250名以上になり、高坂小で発芽させたハスの種子は、地域の多くの方のもとにわたりました。また高坂小の活動も、進級とともに後輩(こうはい)へ受けつがれています。

ところでアカミミガメは、なぜ白水阿弥陀堂の池で増えていったのでしょうか。
アカミミガメは、アメリカ南部からメキシコ北東部が原産(げんさん)。日本には1950年代後半に、ペットとして持ち来まれました。とくにお祭り屋台での「ミドリガメ」(子ガメ)の「カメすくい」は大人気で、90年代半ばには年間100万匹も輸入されました。
しかし小さなかわいい姿は、子ガメの時だけ。全長30センチ近く、30年以上生きる個体もいます。しだいに飼(か)いきれなくなったカメは、人間の手で池や湖、水田、川などに放(はな)されました。今は北海道から沖縄まで、全都道府県で生息が確認されています。
最大で20を超える卵を、年間5回まで産む繁殖(はんしょく)力が高いアカミミガメが一度放されると、ハスや水草などの植物が食べつくされるだけでなく、生存競争(せいぞんきょうそう)に負けた生物、それらを食べていた生物などに次々に影響をあたえ、多様な生態系がくずれていきます。
2023年6月、アカミミガメは、アメリカザリガニとともに「条件付特定外来生物(じょうけんつきとくていがいらいせいぶつ)」として規制が始まりました。野外に放せば、罰則・罰金(ばっそく・ばっきん)の対象です。しかしすでに飼っている人は、寿命まで育てる責任があります。私たちもペットも、同じ命ある生き物であることをわすれてはいけません。

壁新聞ごとに一言!
いわきのハス再生プロジェクトのみなさんへ

まず、ハスの花びらや葉などのイラストで区切られた大胆(だいたん)なレイアウトが、目を引きました。白水阿弥陀堂や大賀ハスについて、徳ひめちゃまの広報活動、プロジェクトのきっかけになる手紙など、囲みスペースごとにこまかく書かれています。写真も、徳ひめちゃまが種を見ているかわいらしい様子など、効果的に使われています。
説明だけでなく、例えばハスの種を渡すときにクイズをして楽しかったことや、プロジェクトは多くの方の協力が必要であること、植物の大切さなど、作り手の思いもしっかり入っていて、気持ちが伝わって来ました。
大賀ハスは開花すると、あざやかなピンク色からしだいに白色へと変化していくと聞きますが、希望の池の花はなぜはじめから白だったのか?種子のちがいか、と書かれていましたが、ふしぎですね。「感想」にも「下級生に聞かれてもよいように大賀ハスについて調べておこう」と書かれています。その後の色についても、ぜひ調べて、おしえてください。

私たちで再生させるハスのみなさんへ

『私たちで再生させるハス』は、とくにタイトルや見出しに作者の強い意志が感じられました。今回まさしく「ハスの危機」となる事態(じたい)になりましたが、高坂小だけでなく、近くの宮小や綴(つづら)小の子どもたち、地域の方との協力を広げていくことではじめて、内郷地区をハスでいっぱいにするプロジェクトは実現されます。それが、みなさんの「将来の願い」であるのですね。
中央に描かれた大賀ハス、アカミミガメのイラストもよく描けています。アカミミガメの黄色や黒のもようも細かくて、市の環境企画課の方の出前講座で、しっかり学んだことがわかります。
進級で学校での担い手は代わっていくと思いますが、これだけがんばって活動したプロジェクトです。白水阿弥陀堂の池のハスが再生し、内郷がハスの花でいっぱいになる「将来の願い」の達成まで、何らかのかたちで関わっていって欲しいと思います。

高坂小学校の歩みのみなさんへ
 

他の壁新聞が自分達の活動を中心にまとめているのに対し、『高坂小学校の歩み』は、小学校で何が行われて来たのかを順序立ててレポートするスタイル。とても興味深く読みました。
こども環境相談室に相談したり、施設に見学に行ったり、職場体験や出前講座を受講(じゅこう)したり・・・。みなさんが1つ1つ、どのように学び、歩みを進めて来たのか、よく理解できました。
さいごに「コロナ禍で頑張る観光業」で、地域の観光に注目したこともとてもよいと思いました。これまで白水阿弥陀堂の極楽浄土のように美しく咲くハスの花は、多くの人の心を魅了(みりょう)して来たと思います。今回それが中断してしまいましたが、これから再生し、さらに内郷がハスの花でいっぱいになれば、地域の貴重な観光資源となることでしょう。
全国でも食害された環境を再生した事例がたくさんあります。まずは24年度に池へ無事定植されることを多くの人が願っていると思います。レポートを楽しみにしています。

(消えた)ハス (もどって)こい新聞のみなさんへ
 

 まず、「(消えた)ハス(もどって)こい新聞」は、まるで一般紙のように割付(わりつけ)がしっかりできています。新聞名、見出しもよく考えられていて、文章も簡潔(かんけつ)。ムダがなく、そのバランスが優れています。写真のキャプション(画像の説明)もわかりやすいですし、文字色も濃く、とても読みやすかったです。
新聞には付きものの4コマ漫画も、かわいらしい絵とはうらはらに、本質(ほんしつ)をついた鋭(するど)い視点に、おどろかされました。2コマ目で礼儀(れいぎ)正しく池にやって来たアカミミガメが、もうしわけないと思いながらもおいしいハスを食べてしまう。それはだれのせい?なのか。1コマ目の「ここなら幸せになれる」とカメを連れて来た人間であることは明らかです。人のおろかさへの風刺(ふうし)が効(き)いて、まさに新聞漫画の原点のようでした。すばらしいです。
自分が理解したことを整理し、人に発信する力があると思います。これからも関心を持ったこと、他人に伝えたい情報を発信し続けていって欲しいと思います。

いわき市立高坂小学校SDGs隊のみなさんへ
とっておきのゴシドウ★
 7月末にいわきに行く用があり、願成寺白水阿弥陀堂に伺(うかが)いました。ウグイスやセミはさかんに鳴いていましたが、訪れる人は少なく、浄土式庭園はとても静かでした。

 池に近づくと、ところどころにアカミミガメの捕獲(ほかく)・調査の道具が見られました。そしてよく見ると・・・わずかに残った大賀ハスがありました。池を管理している方の話では「昨年は1輪だったが、今年は5輪程、咲いている」ということ。私は午後の時間帯に行ったのですが、ピンク色の可憐(かれん)なつぼみも見つけられました。花が少しずつ増えていることを知り、とてもうれしくなりました。
原因となるものをきちんと取り除いたうえで、高坂小学校の希望の池から発芽し、地域に広がった種子が定植できれば、きっとハスの花でいっぱいの池を取りもどすことができるでしょう。みなさんの活動を応援しています。

 

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沼田師範、ありがとうございました!次はどこの地域かな?お楽しみに!

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福島県 その2

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