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Case30.~楽しい"遊び"をとりいれながら武道とエコに取り組む!~玉谷道場(兵庫県姫路市)

2023.05.10 掲載

今月は兵庫県姫路市の「日本武道 玉谷道場スポーツ少年団」さんにインタビューします!
今年で発足22年目。子どもたちのペースにあわせて活動する地域で愛される息の長いこどもエコクラブさんです(^^)

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interviewmigi-t2.pngこどもエコクラブ結成のきっかけを教えてください!

 

学生時代から空手を学び指導員をしていましたが、子どもたちの社会教育活動として空手だけでなく自然について学び環境を守っていく意識を培えるような活動をしようと、こどもエコラブを市内で一いち早く結成しました。活動場所について地元の教育委員会に相談したところ、営利活動ではないということで、中学校の敷地で活動できることになりました。

interviewmigi-t2.pngクラブの自慢は何ですか?


スポーツを通じて気持ちの良い汗をかき、おいしい水を飲んで「水の大切さ」、「自然のすばらしさ」を体験しています。「おいしい水はどうやったら手に入るのか?」というテーマで週末にはハイキングにでかけたときは、「いつも飲むお水も格別においしくなるね」と水について関心が高まりました。また、夜の星空観察も活動の一つにとりいれています。それらの活動を通して子どもたちは自然に環境のことを考えるようになっているようです。

interviewmigi-t2.png年間を通じて武道の練習の際に活動されていますが、どのようにして武道にエコ活動を取り入れているのでしょう?メンバーが喜ぶ企画のポイントや工夫している事などをぜひお聞かせください。

道場では毎週2回(火曜日と金曜日)の夕方19:30~20:30の1時間に活動しています。そのうちの前半の半分は「アクティブ・チャイルド・プログラム(ACP:日本スポーツ協会が開発している運動プログラムで遊びを通じて体を動かします。)」のいくつかを組み合わせて楽しんでいます。休憩をはさんで、後半は、空手の基本動作の練習に励みます。たとえば、組手としての「突き」と「蹴り」、かたの動きを練習します。子どもたちは毎回同じ流れだと飽きてしまうので、そこに「エコ活動」をうまくエッセンスとして導入しています。季節の変わり目などには、練習の最後に正座をして呼吸を整え、まわりの音をききとります。ある時は風の音、ある時は虫の声をきき、五感を鍛えるようにしています。
練習とエコ活動が結びつくことでそれぞれが相乗効果をもたらしているように感じています。特に子どもたちに人気のあった活動としては、新聞紙や段ボールを再利用して遊ぶ「エコ忍者ごっこ(自主企画プログラム)」で、手裏剣や剣をつくって楽しみました。

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アクティブ・チャイルド・プログラム
子どもたちが楽しみながら積極的にからだを動かせる。 それがアクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)です。 日本スポーツ協会は、子どもが発達段階に応じて身につけておくことが望ましい動きを習得する運動プログラムとして、 アクティブ・チャイルド・プログラムを開発しました。 以来、主に次の4つのテーマについて、実際の指導現場への普及を図っています。

interviewmigi-t2.pngこどもエコクラブでご紹介するプログラムにも挑戦されていますね!日本武道 玉谷道場スポーツ少年団さんがこれまでに実践したプログラムで特におもしろかったものはどれでしょうか?また参加してよかったことを教えてください。

全国一斉活動で実施した葉っぱのプログラム「葉っぱラッパーズ」がよかったですね。各家庭から5~6種類の葉っぱを持ち寄ってもらい、それらをみんなで触ったり、観察したりしました。葉っぱによっては「トゲトゲ」があったり、「つるつる」していたり、また、みかんの葉っぱはよい香りがしたりと、みんなで見せ合うことで相乗効果がアップして、メンバーが活動に楽しみながら参加してくれました。
プログラムを実施する際には、その目的やテーマを子どもたちにわかりやすく伝えるように心掛けています。例えば葉っぱラッパーズであれば、葉っぱの特徴がどんな役割をもっているのか、自分たちの体におきかえて話をしたり、地球環境と関連付けて話を膨らませるようにしています。「トゲ」がある葉っぱは、なぜあるのかな?自分を守ろうとしているのかな」「恐竜も体に「トゲトゲ」があるよね、バラの茎にも「トゲ」がたくさんあるよね。外敵からまもろうとしているのかな。」など、そういう話を聞くことで子どもたちはより自然に関心をもつようになっています。

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interviewmigi-t2.png活動の中で、メンバーの皆さんが主体的に動く秘訣はなんでしょうか?


活動を行う際にはあらかじめそれらを引き出すような対話を積み重ねておくなど、特に活動の前にどれだけ子どもたちの興味・関心をふくらませておけるかが肝心だと考えています。そうすると活動前にすでに子どもたちの中で自らの興味・関心が芽生えているので、ひとつ話をするとどんどんひっかかってくれるように思います。結局、それが一番の子どもたちの活動の原動力となるようです。

interviewmigi-t2.png保護者とも積極的にかかわられているとか?

ハイキングや野外活動には、保護者もお誘いします。そして、子どもと一緒にお弁当をひろげて自然に親しんでいただきます。保護者が参加してくださる際には、「子どもたちから目を離さないようにしてください」とお願いしていますが、大人も子どもとおなじように、楽しみの輪が大きくなることをイメージして活動しています。保護者の皆さんにも「どきどきわくわく」を感じてもらうことが活動の秘訣の一つかもしれません。

 一つ目の同心円が子どもたちの関心の輪だとすると、それを取り囲むように同心で保護者の円が囲んでいくと、最高の同心円の輪が広がります。

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interviewmigi-t2.pngクラブが22年にわたって継続できた理由はなんでしょうか?

 

現在はおかげさまで口コミだけで、メンバーが集まってきてくれています。途中で辞める人はほとんどいません。これまでチラシを配布したことはありませんし、保護者の口コミで、メンバーが登録して活動している状況です。16ミリフイルム映画会や星空観察も練習日に企画しているので、楽しく活動を続けられているようです。

interviewmigi-t2.png22年間のサポーター経験を通して、子どもたちに最も伝えたいことはどんなことでしょうか?

 

子どもたちには、物事をいつも同じところからではなくて、様々な角度や視点で考えることを学んでほしいと思っています。少しでもヒントになるようにたとえば、こんな風に話しています。

「私たちの地球はくるくる回っているようだけど、光が何億年かかっても届かないほどの広がりのある空間(宇宙)の中にあるらしいよ。だから、考えてみてごらん。そこからみると私たちが活動しているこの玉谷道場は、取るに足らないちっぽけなものであるかもしれないね」
また、図形の「円柱」を題材にしてよく話をします。「円柱」は「上から見ると円形」でも「横から見ると長方形」になる。見る角度によって見方がかわる。正しいと思っていても、人の見方が違えば、その意見が異なってくるし、何が正しい意見なのか、それは立場やその人の見方によってかわってくるよね。もしかしたら、そこには「いい人」もいれば、「悪い人」と感じてしまう人もいるかもしれない。でも、「それぞれの存在には意味があるよ」と伝えています。
何が正解かはわからないこともあるけれど、子どもたちにはそれぞれの人生でこの玉谷道場で学んだことを少しでも良い糧にして生きてほしいと願っています。

日本道場 玉谷道場スポーツ少年団」のみなさん、ありがとうございました!
~全国事務局より~
日本武道 玉谷道場スポーツ少年団で空手を習いに来た子どもたちは、いろいろな遊びにチャレンジしたり、16ミリフィルム映画をみたり、星空観察までして環境のことについて考えて行動できるようになるということで、最初は本人たちも保護者の方々もビックリされたことと思います。「空手だけでなくていろんなことが学べるからお得だな~」というメンバーもいるようです!
子どもたちは活動を通じて、いろいろな角度で物事を考えたり、気づいたりと、代表サポーターさんからの声掛けで、環境への気づきが自然にできていくところが、ほんとに素晴らしいと思いながらお話を聞きました。代表サポーターさんは常に子どもの主体性を重視しつつ、様々な体験と遊びやプログラムを組み合わせて飽きることなく活動できるように、こどもエコクラブをはじめ、子どもたちにためになるプログラムや機会にアンテナを張っていらっしゃるとのことでした。この真摯な姿勢に大変感銘をうけました。全国事務局も各地のクラブのみなさんによりよい情報やプログラムを提供できるようにさらに歩み続けていきたいと思います!お話をきかせていただきほんとうにありがとうございました☆

 

「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
インタビューを受けてもいいよ☆というクラブのみなさん、
ぜひ全国事務局までメールをお送りください!

  1. 地道にコツコツと地域で活動しているよ!というクラブ
  2. ゆかいなクラブ名の秘密、教えます!というクラブ
  3. 大学生・社会人としてがんばっているこどもエコクラブのOB/OG