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Case28.~ふるさとの環境のために行動できる人を育てる~大津こども環境探偵団(滋賀県大津市)

2023.03.13 掲載

今月は滋賀県大津市の「大津こども環境探偵団」さんにインタビュー!
環境に積極的に関わり、行動できる人(大津市では、「環境人(かんきょうびと)」と呼んでいます。)を育成するために大津市が始めた事業で、今年で何と発足33年目!!こどもエコクラブよりも先輩になるんですね(^_^)

クラブのSDGsアクションsdg_icon_15_ja_2.pngsdg_icon_04_ja_2.pngのサムネイル画像

 

interview-cameramigi.pngのサムネイル画像事業のねらいや仕組みについて教えてください

icon_ootu.png学校教育とは違ったところで、環境について触れる機会を提供したいという想いで誕生しました。大津へのふるさと意識の醸成や、人と人とのつながりを築くことも事業の大きな目的です。ootu202303-1m.jpg
小学3年生~中学3年生までの子どもたちを団員として募集し、自然環境や生活環境など、環境全般にわたる総合的・系統的な環境学習を、1年間を通じて実施しています。新型コロナウイルス感染症のため昨年度は2回しか活動できなかったのですが、今年度は4回の活動を実施することができました。
毎年40~70名の応募があり、続けて参加するリピーターも多数います。団員にはオリジナルのキャップ、団員証などの探偵団グッズが結団式の時に配られます。

interview-cameramigi.pngのサムネイル画像クラブの自慢は何ですか

icon_ootu.png大津市は自然環境に恵まれており、活動のフィールドには困らないところです。琵琶湖での活動一つとっても、環境学習船に乗ることもあればカヌーを漕ぐこともあります。また、天台宗の総本山・延暦寺があることで有名な比叡山は標高が848mあり、多くの動植物が生息する豊かな森になっています。
また時には街に繰り出し、ごみなどの身近な環境問題をテーマにした活動を行うこともあります。

interview-cameramigi.pngのサムネイル画像クラブ名だけでなく、毎回の活動にも「探偵」という名前がついていてとてもユニークですね。名前に込めた意味や思いを教えてください

icon_ootu.png大津こども環境探偵団の活動では、なんだろう、なぜだろう、といった疑問について団員が自主的に“考える“ことを大切にしています。わからないことを自分たちの力で解き明かしてほしいという思いから”探偵“の名を冠しています。
これまでの33年間で47種類もの「○○探偵」活動を行ってきました、同じ「○○探偵」でも、テーマや内容は大きく変わるため、それ以上の多様な環境学習を行ってきたことになります。

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interview-cameramigi.pngのサムネイル画像「エコリーダー」と呼ばれるボランティアの方々が主体となって運営されているのが特徴的ですが、「エコリーダー」とはどのような人たちなのでしょうか

icon_ootu.pngootu202303-3.jpg活動の企画を立てるとともに当日は進行や安全管理を行うなど、より充実した体験・学習になるようサポートする役割を担っています。活動を通して、子どもたちだけではなくエコリーダー自身も個人として、指導者として成長することを目的としています。
毎年、団員(子どもたち)の募集と同時に高校生以上を対象としたエコリーダーの募集も行っており、現在22名が在籍・活動しています。年齢や職業も様々で、元団員だった方も多くいらっしゃいます。

interview-cameramigi.pngのサムネイル画像活動を通して子どもたちが成長している、確かに力がついていると感じるのはどんな部分でしょうか

icon_ootu.png学習の内容、ポイントをしっかりと覚えてくれています。近年は、各活動の最後に必ず「環境を守るために何をするべきか」というテーマでグループワーク(意見交換)を行っていますが、回を重ねるにつれ、これまでの活動内容を踏まえた意見が多く出されるようになります。

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interview-cameramigi.pngのサムネイル画像30年以上も事業が続いてきた秘訣を教えてください

icon_ootu.png本事業は大津市の環境基本計画の中で、人と自然、人と社会環境の関係について自ら関心を持ち、認識を深め、主体性をもって責任ある行動をとる「環境人」を育成するための環境教育事業の一つとして位置づけられています。子どもだけでなく「エコリーダー」として地域の大人も関わることができる形にしたことで、市民の方々に深く親しまれるようになったことが長く続いてきた理由だと思います。
33年間、豊かな自然環境の中での活動を通してふるさと意識を醸成し、その環境を大切にするとともに誇りに思う心を育んできました。また、市内の様々な地域、学年の子どもたちが参加し、同じ目標をもって活動することで学校や年齢を越えたつながりが生まれています。親子2代にわたって参加された方や市の職員になった方もいらっしゃいますよ。
来年度34年目を迎える大津こども環境探偵団ですが、3年前に30周年記念誌を発行しています。探偵団の歴史や主な活動、関係者の声が詳しく掲載されているのでぜひご覧ください。

大津こども環境探偵団 30周年記念誌 大津こども環境人の探偵記録

interview-cameramigi.pngのサムネイル画像「大津こども環境探偵団」さん、ありがとうございました!
~全国事務局より~
30年以上も前、環境に対する人々の意識がまだあまり高くなかった時代に、地域の環境を守るために行動する人を育てることの重要性に気づき、この事業を発足させた大津市の先見性に目をみはる思いです。またその方法も単なる知識伝達ではなく、子どもの主体性を重視し、様々な体験とその後のグループワークを組み合わせることで意識や行動の変容を促すことまで考えられており、こどもエコクラブの理想を体現しています。
教育の成果があらわれるまでには長い時間を要するといわれますが、多くの市民に支えられて「環境人」を育ててきた「大津こども環境探偵団」の歩みをみると、着実に成果があがっていることを実感できます。「継続は力なり」、全国事務局もこの言葉を信じて各地のクラブのみなさんと一緒に歩み続けていきたいと思います!

大津こども環境探偵団の活動の様子をみてみよう!活動レポートはこちら

「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
インタビューを受けてもいいよ☆というクラブのみなさん、
ぜひ全国事務局までメールをお送りください!

  1. 地道にコツコツと地域で活動しているよ!というクラブ
  2. ゆかいなクラブ名の秘密、教えます!というクラブ
  3. 大学生・社会人としてがんばっているこどもエコクラブのOB/OG