2022.07.10 掲載
今月は鹿児島県鹿児島市の「田上川こどもエコクラブ」さんにフォーカス!
なんと活動19年目の大ベテランクラブです。町を流れる田上川の生き物観察を通じて命のつながりを感じるとともに、地域や河川の環境を見直すきっかけにしています。
クラブのSDGsアクション
それでは早速、インタビューしてみましょう!
鹿児島市を流れる2級河川新川水系の田上川では、都市化や洪水のため公共工事が進められており、河川環境にも負荷がかかっています。そこで、地域の公民館の講座の一つとして地域を見直すための見守り隊が結成されました。その講座のメンバーでこどもエコクラブに登録したのがきっかけです。
はい。講座のメンバーは約30名で、毎回入れ替わりますが、一度参加した方がリピーターになってくれたり、楽しかったよ!と、次の世代の子どもたちへつないでくれたりしています。そのおかげで19年も続けることができました。
また、公民館の講座ということで「ちょっと気になるな」と思っている地域のご家族も安心して参加してもらえますし、講座の運営に携わる公民館の皆さんの協力で毎年楽しい企画ができています。アウトドア学習なので、コロナ禍でも毎年活動することができました。いつも関わってくださる皆さんに感謝しています。
川の活動というと夏休み!という印象がありますが、私たちは春の小川をイメージし、水温が徐々に上がる5月から7月初旬に主に活動して、様々な生き物の命が生まれ育っていく様子を観察しています。産卵、稚魚の様子や、卵を抱いた魚や甲殻類の観察はとても神秘的で、メンバーたちも命のつながりを実感しています。
また、活動中は川の清掃活動もしています。ペットボトルや空き缶、タバコの吸いがら、デジカメ、自転車が見つかったこともあります。短い時間でも子どもたちは積極的に収集してごみの種類について調べて、川の状態が海に影響をすることやそれぞれの保全の大切さを理解しているようです。
地域の宅地化が進んできていますが、川の上流には生き物のすむ豊かな自然が残されています。
在来種のメダカやカワムツ、タカハヤ、オイカワ、ヨシノボリ、サワガニ、テナガエビ、スジエビ、モクズガニ、ニホンイシガメ、アカハライモリ、シュレーゲルアオガエルなど、きれいな水にすむ生き物やレッドリストに指定されている生き物など、本当に様々な生き物が観察できます。
これらの生き物がこれからも田上川にすみ続けられるよう、地域の環境を守っていきたいと参加者みんなに感じてほしいと思っています。
活動で学んだこと・感じたことなどをまとめて夏休みの自由研究にしたり民間のプログラムに積極的に応募したり、自治体の開催する環境フォーラムへ参加・発表するなど、思い思いに内外へ発信しています。
まとめる力はもちろん、自分の言葉でわかったことを発信する力が身についているなぁと感じています。
雨の多い6月の活動日が多く、いつも河川の水位を気にしながら行っています、活動場所が雨でなくても上流で降っていることもありますから。新川水系の下流側は堤防を固めて付け替えられた河川のため、下流に行くほどせまくなっています。かつて、大雨の後に川があふれていたため河川上流に洪水調節用のダムが建設されて下流の水害は抑えることができていますが、防災の活動はリスクマネジメントの上でもとても重要だと思っています。
昨年度、県で開催された環境子どもフォーラムに参加しました。子どもたちは発表の場があるとがぜん張り切りますので、オンライン開催など含めたプログラムなどを実施してもらえると、遠方や家族単位でも参加しやすいと思います。全国にいるこどもエコクラブの仲間と交流できるとうれしいですね。
「田上川こどもエコクラブ」さん、ありがとうございました!
「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
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ぜひ全国事務局までメールをお送りください!