2021.05.10 掲載
今回は秋田県井川町の「井川義務教育学校自然観察クラブ」さんの登場です★
こどもエコクラブでの活動歴は12年目、それだけでもすごいのに、学校の自然観察クラブとして地域の川の水質調査には35年も継続して参加しているという、歴史の長い熱心なクラブです。
活動には地域のことをよく知っている頼もしい「地域の先生」がサポートしてくれていることもクラブの特徴で、その先生と一緒に地域の自然を楽しみながら学ぶ、いわゆる「地域密着型のクラブ活動」が自慢です。
それでは早速、インタビューしてみましょう!
私たちの地域には「井川」という川があります。町の名前にもなっているように地域のシンボル的な大切な川です。その井川の水質調査が昭和60年(1985年)から始まりました。
水生生物による水質調査で、私たちは当初からその調査に参加しています。最初は上流・中流・下流それぞれで「きれいな水・きたない水・とてもきたない水」を判定していましたが、令和になってからは上流等の場所に関わらず「きれいな水・きれいな水・きたない水」の判定となりました。毎年しっかりと調査していますが、水質はよくなってきているようです。
どうしてだろう?とメンバーみんなで考えて、人口の減少のほか、ごみを捨てない、洗剤等を使いすぎない等地域の方々の環境意識の向上が原因ではないかと考察しました。
「井川の川や緑を守ろう」はクラブの活動のめあてにもなっています。
川に入って水生生物を採集する活動はとても楽しく、メンバーはみんな生き生きしています。初めのうちは、おっかなびっくりで石をひっくり返す子や、不安そうに生物を採集しては「先生、これ何?」と見せに来る子もいますが、活動が終わるころには、みんな服が濡れるのも気にせずに、笑顔で活動に取り組んでいます。年間の活動の振り返りをした時も、メンバーからはその時の話がしばしば出てきます。
自然観察クラブの名の通り、これからも自然に触れ・観察する活動を楽しく続けたいと思います。
調査データは秋田県事業の「水生生物から見た八郎湖流入河川の水質調査報告書」に提出して、県の皆さんに発信しています。また、総合的な学習の時間の活動のひとつとして、4年生のクラブメンバーが学習発表会等で井川の自然や水質について全校児童生徒や保護者に発表して、広く川の保全を呼びかけています。楽しいだけでなく、自分たちの活動が地域の環境保全の一環になっていることをメンバーみんなで感じる機会にもなっています。
「地域に開かれた学校」として、地域の方々にもクラブの時間に来校してもらい、いろいろなお話を伺うところからスタートしましたが、近年は、地域の先生に中心になっていただいて活動計画を立てたり、ご指導いただいたりしています。井川の調査活動でも、地域の先生に採取した水生生物を判定していただいています。
それぞれの「専門家」である地域の先生が指導してくださるので子どもたちは一層興味をもちますし、地域により密着した活動にもなっています。
採取した水生生物の同定を地域の先生から教わる子どもたち
初めはただ水生生物を採集したり、自然と触れ合って遊んだりすること自体を楽しんでいたメンバーが、やがて、活動を通してふるさとの自然の大切さを感じたり、今の豊かな自然をずっと守っていくためにはどうしたらよいか考えたりする姿が見られるようになりました。この環境は何もしなくて与えられているものではなく、自分たちで守っていくものなんだという意識が生まれていると感じます。
「日本国花苑」内での自然散策
他のクラブがどのような活動をしているのか、様々な情報に触れることができるのがよいと思います。自分たちだけで活動をしていると、活動の幅がなかなか広がりませんが、他のクラブの様子を見ると刺激になっています。
私たちが継続調査している「井川」では、だんだんと水質が良くなってきており、大変うれしく思っています。小さな活動でも、やがて大きな成果を生むかもしれません。自分たちにできることをひとつひとつ続けていきましょう!
井川義務教育学校自然観察クラブさん、ありがとうございました★
「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
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