2019.06.10 掲載
今回は、小学5年生から高校3年生まで活動していた家入 真子(いえいり まこ)さん(クラブ名:「香南市こどもエコクラブHappiness(ハピネス)(高知県)」に登場していただきます。
こどもエコクラブの活動で特に印象に残っているのは、中学2年生の時に、森林保全に役立てていただくために香南市へ寄付をしたことです。寄付金は、地元のお祭りで、自分たちが作ったクッキーや間伐材で作った木の鉛筆、牛乳パックで作った鉛筆立てなどのエコグッズを売って自分たちで得たものです。
保護柵の中と外で、植生の比較調査をして |
当時、地元を流れる物部川では土砂崩れやアユや水量の減少などの問題があり、私たちはその問題について関心を持ちました。サポーターの先生に、山でシカの食害が広がっていることが1つの要因ではないかと聞き、詳しく知りたいと考えて現在は高知大学の名誉教授でいらっしゃる依光良三先生から直接お話をお聞きしました。「このままシカの食害が広がると、物部川も私たちの生活も危ない!なんとかしたい!」と考え、「シカの食害から物部川を守る」というテーマで活動が始まりました。依光先生は私たちとともに山へ登り、シカの食害の現状を教えて下さいました。また、依光先生を通して、「物部川21世紀の森と水の会」のみなさんや、高知大学農学部の学生さん、地元の猟師さんなどと山へ登る機会も多くあり、一緒に活動する中で、多くのことを学びました。出会った方々から、学習会への参加、山のイベントへの参加などのお話をいただき、啓発活動もしました。寄付金集めはその一環として行ったものです。「私たちも、行動を起こすことで力になることができるんだ!」と思い、これからも活動を頑張ろうと仲間で誓い合ったことを、今でも覚えています。
多くの方々と出会い一緒に活動したり、自分たちで情報を収集したり、新しいアイデアを考えたり、貴重な体験をしたり、色んなイベントに参加したりすることを通し、問題を解決するために仲間と共に考え協力して活動することの楽しさやよろこびを知りました。これらは全て私たちをサポートしてくださった先生方のおかげであると思い、次第に指導者になりたいと考えるようになりました。
現在は地元の大学院で教育学を専攻しています。子どもたちが、体験活動を通して学び合い、それぞれが持つ能力を最大限に引き出すことができる先生になるために頑張っています。こどもエコクラブの活動で培った行動力や挑戦していく力は、大学院の学びでも活かせていると思います。情報を収集してイベントの運営委員会に参加してみたり、人脈を広げたり、様々なところで研究の調査や支援活動をしたりして、大学で講義を受けているだけでは学べないことを多く学べていると感じています。
また、教育学を専攻しているため、子どもと関わる機会が多くあります。こどもエコクラブで、体験を通して学ぶことがとても楽しかったので、子どもたちには体験活動を通して学んでほしいという気持ちが強くあります。体験活動を通して学ぶことができる授業をするにはどうすればよいかを考えながら、授業づくりに取り組んでいます。
家入さんたちがつくった壁新聞。環境大臣賞を受賞しました!! |
現在私は、香美市こどもエコクラブのサポーターとしても活動しています。自分の経験をもとにして、体験を通して子どもたちに楽しく活動してもらうためには、どのようにサポートすればよいのかを常に考えています。自分で設定した課題を達成したり、最後まで活動を成し遂げたりして楽しそうに活動している子どもたちを見ていると、私もとても嬉しくなります。これからも、活動や学びを通した子どもたちの成長をサポートしていきたいと思います。
こどもエコクラブのメンバーのみなさん、活動していると上手くいかないこともたくさんあると思います。そんなときは、仲間と本音で話し合ってみてください。「これからの活動はこんなことしてみたい!」「新しくこんな方法で活動してみるのはどうかな?」など、色んな考えが出てくると思います。また、やってみようと思ったことはとにかくやってみること、「なぜだろう?」「どうすればいいのだろう?」と思ったことは、聞いたり調べたりして積極的に取り組んでいくことで多くの人と関わることができ、活動が広がっていきます。先生方や地域の方、サポーターなど、皆さんの周りにいる方々は皆さんの応援団です。もちろん私もその1人です。頑張ってください。応援しています!
「リアルヴォイス」では、以下のようなクラブやメンバーたちをとりあげて紹介していきます。
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