2014.06.10 掲載
こどもエコクラブに関わるサポーター・コーディネーターさんたちが、こどもエコクラブのサポートやコーディネートを通じ、どんな活動プログラムを行っているのか、またどんなことを感じているのかそのリアルな声をご紹介します♪
他のサポーターさんやコーディネーターさんのご意見は、クラブをサポートする側にとって大変興味深いものかと思います。このコーナーがクラブに関わる多くのみなさんにとって取り組みのヒント・今後の活動の充実のための参考となって、どんどんクラブが元気になりますように★井上 修さん(JECサポーター歴18年)
活動を始めたばかりのサポーターさんには、近くのこどもエコクラブとの交流をお薦めします。
各クラブが持っているノウハウを共有したり、専門家にも出会えたりもします。
■クラブ名:善通寺こどもエコクラブ(香川県善通寺市)
■クラブカテゴリ:近所や地域のお友達/メンバー30名・サポーター5名
-サポーターProfile-
地域の子ども会リーダー養成事業で経験した「自然遊び」から発展して、「地域の自然をもっと知ろう!」を合言葉に自然のしくみや成り立ち、人との関わりについて、様々な活動を通して学んでいる「善通寺こどもエコクラブ」さん。なんと、活動を始めて18年という大ベテランのクラブです。サポーターの井上修さんにお話を伺いました。
水辺の調査、自然環境保全(植物、昆虫、樹木)樹木診断、エネルギー教育、温暖化防止、まちづくりなどです。
町にかかわることで必要な行動が見えてきます。特に、小さな生き物を見つめることで環境保全の必要なことがわかるから、継続することがとても大切です。水辺の調査、樹木医になろうなど専門的な視点から、子どもの学びを引き出すようにしています。子どもの視点で考える「不思議」や「?」を大切にしています。
昨年度の壁新聞でも紹介した「こども樹木医になろう」です。市内の街路樹の剪定に問題があったので、調査を始めました。いろいろな意見がある中で、市民にとってふさわしい街路樹とは何かを考え、樹木に一番いい剪定や管理の方法を探っています。
環境に関連した学部学科を選んだ子どもが多くいます。環境情報学部、環境デザイン学部、教育学部、農学部などの進路を選んで、それぞれ活躍しています。後輩の面倒を見るために今も活動に参加してくれるOBもいますよ。
環境に関心をもって行動しようとする子どもの割合が少なくなってきたこと、学びの機会が少なくなったことです。環境情報は身近でたくさん入手できるようになりました。パンフレットも豊富にあり、メディアからの発信も多くありますが、知識としての理解に留まり、腑に落ちていないような気がします。子どもたちには、具体的な活動や行動を提示して、ゆっくりでいいので自分で感じたり考えたりすることを大切にするよう伝えています。
また、県内こどもエコクラブの登録・活動団体が減少しているのも寂しいですね。他の団体との交流(福祉、子ども会、スポーツクラブ、学校)も進めていますが、日程などが合わないことが多く、調整に苦労しています。
幸いなことに、私が善通寺五岳の里市民集いの丘公園で専門職として仕事をするようになったので、地域住民の相談を受けたり、地域環境学習・園芸体験学習・指導者養成等の事業を行ったりすることで、多くの学習者とコンタクトがとれ、学びの場をつくることができるようになりました。市内小中学校との連携では、出前授業とフィールドの相互活用が望まれますが、活動の拠点として地域を特徴づける自然環境や施設の活用を推し進めることができました。
子ども会の指導者として、遊びを通じて子どもの人間関係を広げるお手伝いをしてきましたが、以前は地域を理解し愛着をもつことはほとんどありませんでした。しかし、山や河川などの自然を活動の中に取り入れることによって、地域の暮らし方が見えてくるようになりました。少し前の暮らしと比べ、今の暮らしでは環境に負荷をかけていることがわかりますが、無関心のままの人も増えています。クラブの活動の中で自然と暮らしに関わっていくことによって、今の暮らしをどうすればよいのか考えるようになりました。
活動を通して、あらゆることに興味を持つとともに、樹木医等の専門性を高めてゆくことで自然の関係性に気づくことができました。小さな命から環境を見つめる視点を持ちながら、多くの人とのつながりを大切にして、想いをつなげていくことが、これからの持続可能な社会づくりに必要なことだと思います。
これまで活動を続けてきたのは、自分自身が発見や実験が好きだったからです。観察や体験を通じて得られるものは、何歳になっても新鮮な驚きをもたらしてくれます。ぜひ子どもたちにも自分の視点で気づき、楽しんでいく体験をしてほしいと思いますね。また、グループで活動することは、自分にない気づきも共有できるというメリットがあります。
多いときには、250名ほどのメンバーがいたこともありました。活動が活発だったので新聞にもしばしば掲載されましたし、子どもたちにとっても、一度は入ってみたいクラブとして人気がありました。レクリエーション、ハイキング、野外活動(スキー、海の活動)などアクティブな活動が多かったのですが、地域のエコクラブでは最大の人数を擁していたため、どこにいくのも移動がたいへんだったことをよく覚えています。今は、その時代の子どもたちが成人して、活動をサポートしてくれています。こどもエコクラブから巣立って活躍している姿は、子どもたちにとってよいお手本になりますし、地域にとっても刺激になっていると思います。
多くの子どもたちが自由に参加でき、問題解決のヒントになるような活動をしていきたいです。持続可能な社会づくりを意識したESD環境プログラムの実践を続け、自分の意見を持ち、地域の環境をよくするためにアクションを起こす子どもを育てるとともに、そういった地域の活動を指導者として支える人材を養成したいですね。たくさんのこどもエコクラブが地域にできて、交流や活動発表の場が広がれば最高だと思います。
活動を始めたばかりのサポーターさんには、近くのこどもエコクラブとの交流をお薦めします。各クラブが持っているノウハウを共有したり、専門家にも出会えたりもします。また、イベントなどを共同で開催することにして、マスコミを巻き込んで計画すると、社会的に知られ活動が広がりますよ。
こどもエコクラブのサポーターを経験した人は、他の団体でも中心的な役割を担っていることが多いです。子どもの活動をじっくり見つめ、成長を見守るスタイルが確立していることが理由ではないでしょうか。
「リアルヴォイス」では、幼児から取り組める簡単なプログラムから、学校や地域全体で取り組めるプログラムをご紹介いただけるサポーター&コーディネーターを大募集しています!また「こんなプログラムを紹介してほしいな」というリクエストも同時に受付けています♪
タイトルを「リアルヴォイス」とし、ぜひ全国事務局までメールをお寄せください。
プログラムをご紹介いただいた方は、こどもエコクラブ粗品を差し上げます。
皆様からのたくさんの声(ヴォイス)を、お待ちしています!