2014.05.16 掲載
こどもエコクラブに関わるサポーター・コーディネーターさんたちが、こどもエコクラブのサポートやコーディネートを通じ、どんな活動プログラムを行っているのか、またどんなことを感じているのかそのリアルな声をご紹介します♪
他のサポーターさんやコーディネーターさんのご意見は、クラブをサポートする側にとって大変興味深いものかと思います。このコーナーがクラブに関わる多くのみなさんにとって取り組みのヒント・今後の活動の充実のための参考となって、どんどんクラブが元気になりますように★池田 勝(いけだ まさる)さん (JECコーディネーター歴3年)
いつも不思議さや学びがいっぱい、
子どもたちが育ち、自己実現できる
そんな子どもたちから学び、大人も成長していく
それがこどもエコクラブの活動
-コーディネーターProfile-
■都道府県:滋賀県立琵琶湖博物館 環境学習センター
滋賀県は、日本で最大の面積と貯水量を持つ琵琶湖を抱え、県民による湖岸清掃や外来種への対策など環境への取り組みが大変熱心な地域です。
今回は滋賀県立琵琶湖博物館環境学習センターこどもエコクラブ担当の池田勝さんからお話を伺いました。
大変嬉しいことに、滋賀県のクラブが全国規模の大会で、数多く表彰されました。滋賀というと琵琶湖というイメージがあり、琵琶湖の環境の改善に向けた活動が多く行われています。その中で、表彰されたクラブはさらにステップアップして、滋賀ならではの伝統食に目を向けたり、クラブだけでなく多くの地域の人々を巻き込みながら活動し、地域の環境をテーマに、地域として盛り上がるきっかけづくりを図ったことなど、そのような点が表彰につながったのかと思います。
また、各クラブは、子ども主体のこどもエコクラブ活動を行っています。それにより、大人が思いつかない自由な発想で活動し、子ども自身が未来の環境に責任を持てる活動へ発展しているのだと思います。子どもの主体性は、壁新聞だけではなかなか表現されにくいのですが、発表会では子どもたちが活き活きと発表し、審査員からの質問に自信を持って答えている姿が見られ、子ども自身の言葉、表情でこどもエコクラブ活動を実践している様子が垣間見られます。またその子どもたちの様子に他のクラブの子どもたちも影響を受け、新たな活動テーマを考えたり、来年は自分が発表したいと思うようになると思います。
滋賀県事務局より、すべてのクラブへ案内を郵送したり、メールを送ったりしています。特に新しいクラブや久しぶりのクラブへ積極的に参加の呼び掛けをしています。参加クラブは毎年10団体前後ですが、参加することで子どもたちもサポーターも刺激を受けて、次の励みにしてもらおうと思っています。
また、交流会として、表彰が目的にならないようにと心がけています。どんな活動や発表でも、子どもたちが楽しみ、学び、次の活動へ意欲が湧くような発表会になるように、近隣のクラブ同士で投票する「会場特別賞」を設け、参加者から交流会の参画者へと意識を高めてもらうようにしています。また琵琶湖博物館の特徴を活かして、学芸員による野生生物や歴史、古代などの体験コーナー、農家風の建物を活かした食体験など、"交流会に参加して良かった!"と思ってもらえるような仕掛けを毎年工夫しています。
参加されたクラブからは、「子どもたちが来年はこんな発表してみたい!次こそ大賞に選ばれたい!と意欲を見せています」とのサポーターの声が聞かれます。また審査方法のヒントや交流会のあり方などもサポーターと話し合うことも多く、事務局としても刺激をたくさん受けています。
滋賀の地元企業、平和堂の公益財団法人平和堂財団さんが、滋賀の環境活動をより盛り上げようと環境学習センターへ相談に来られました。一般的な助成金となると、計画書や報告書、領収証の整理などの事務が煩雑で申請のハードルが高くなり、環境活動を広げていく上で、こどもエコクラブ活動にはそぐわない面が多いのではないのかと懸念が出ました。そこで低額でも良いので、簡単に申請できて、活動にすぐ直結するようにとの目的で、県内のこどもエコクラブを対象とする活動助成をいただくことになりました。各クラブは、活動時の自然図鑑や魚捕り網、ルーペなどの物品や、普段出掛けにくい場所への電車代バス代、ゲスト講師の謝礼など多目的に利用してくださっているようです。使い方が自由で報告が不要なのもこの助成の特徴です。
滋賀県事務局では、メールマガジン「そよかぜ」を毎月2回発行しています。滋賀県内の環境イベントや環境学習施設での講座、リーダー研修、助成金などA4用紙7~8枚ほどにもなる情報を掲載して発信しており、メールアドレスを登録いただいてるクラブに送っています。クラブで一般参加できるイベントがあれば掲載していますし、サポーターがさらに学んでもらう際にも利用いただいています。
また、コーディネーターとしてクラブの活動を訪問させてもらっています。先日もTANAKAMIこども環境クラブさんの川の生きもの調査活動を、当日講師の琵琶湖博物館学芸員と訪問し、一緒に春の川に入り生きもの探しをしました。取材者として活動についてサポーターからお話を聞いたり、時には先生役として生きもの探しの方法を教えたり、子どもたちの発見を促すように言葉掛けしたりと、勝手ながらクラブの活動を楽しませてもらっています。そのことで、サポーターからの相談を聞き、環境学習センターのネットワークを活かしてお答えさせていただいて、新たな活動につなげてもらうなど、お互いの信頼関係をつくるようにしています。
各サポーターの努力により、本当に子どもたちが育っているなぁと感じます。こどもエコクラブの良い点は、細々でも長年活動されていると、大学生や社会人になった以前の参加者がサポーターとして帰って来て、今度は支える側として活躍されるようになっているところです。子どもたちにとっては、先生とも親とも違うサポーターがいて、異年齢の仲間がいて、いつも不思議さや学びがいっぱいの自然があることで、大好きな居場所となるクラブとなっています。そこで育つと、いつか大きくなってサポーターになろうと思ったり、気づいた時にはサポーターになっているようです。環境を通して、子どもたちが育ち、自己実現できる場としてのこどもエコクラブ活動が必要であると感じています。またそのためには、サポーター自身も子どもたちから学び、成長する場であると認識することが必要とも思います。
特にコーディネーターとして意識している場面はありません。どちらかというと、各クラブが活発に活動できるために、私たちに何ができるかを考えていますので、コーディネーターというより、各クラブのサポーターのサポーターと思っています。そのため、可能な範囲でクラブとつながり、気軽に相談してもらえる関係をつくることが大切と考えています。ですが、なかなか滋賀県内全てのクラブ(約150クラブ)とつながるのが難しいのが悩みです。
県内でもこどもエコクラブ活動が行われていない地域がありますので、市町の環境課や学校、公民館などへ働きかけて、クラブを増やしていきたいと思います。またその地域のクラブのサポートをしたいと思います。そうすれば、どんどん多様な活動が増え、お互い刺激あふれるこどもエコクラブ活動になるかと思います。滋賀の環境活動を金平糖のようにいろんな所が飛び出た活動にしたいですね。そして、「大人の環境活動よりも、子どもの方がすごいんだぞ!」と自慢できる(今でもいっぱい自慢ですが)県にしていきたいです。
活動を支えてくださる各クラブのサポーターさん、ゲストの講師の方、助成してくださる平和堂財団さん・・・みなさんの支えで、滋賀のこどもエコクラブ活動が育っています。感謝しますと共に、さらに子どもと大人が育つ滋賀のこどもエコクラブ活動にご期待ください!
「リアルヴォイス」では、幼児から取り組める簡単なプログラムから、学校や地域全体で取り組めるプログラムをご紹介いただけるサポーター&コーディネーターを大募集しています!また「こんなプログラムを紹介してほしいな」というリクエストも同時に受付けています♪
タイトルを「リアルヴォイス」とし、ぜひ全国事務局までメールをお寄せください。
プログラムをご紹介いただいた方は、こどもエコクラブ粗品を差し上げます。
皆様からのたくさんの声(ヴォイス)を、お待ちしています!