2013.02.27 掲載
こどもエコクラブに関わるサポーター・コーディネーターさんたちが、こどもエコクラブのサポートやコーディネートを通じ、どんな活動プログラムを行っているのか、またどんなことを感じているのかそのリアルな声をご紹介します♪
他のサポーターさんやコーディネーターさんのご意見は、クラブをサポートする側にとって大変興味深いものかと思います。このコーナーがクラブに関わる多くのみなさんにとって取り組みのヒント・今後の活動の充実のための参考となって、どんどんクラブが元気になりますように★船山 桃子(ふなやま ももこ)さん(JECサポーター歴11年)
今回のリアルヴォイスは、JECプレス(2013年3月号)に掲載した
「先輩なう」船山桃子さんの記事を特別掲載!
JECプレスに載せきれなかったお話も掲載しています。
ぜひ、みなさん読んでくださいね☆
-サポーターProfile-
■クラブ名:野島自然観察探見隊(神奈川県)
■クラブカテゴリ:近所や地域のお友達/メンバー235名・サポーター24名
野島自然観察探見隊さんは、結成14年目のクラブです。
横浜の海岸線に唯一残された自然の砂浜「野島海岸」を中心に活動をされているクラブです。
初めはメンバーとして野島自然探見隊さんに入られた船山さんが、どのようにしてメンバーを
温かく支えるサポーターとなっていったのか、みなさん是非ご覧ください。
中1の時に母の勧めで参加したこどもエコクラブ「野島自然観察探見隊」。よくわからなくて不安な中、サポーターのお兄さん・お姉さんに優しく声をかけてもらい、だんだんと活動が面白くなってきたことを鮮明に覚えています。冬の森の中を探見しながら友達ができていき、落ち葉が土に溶け込み土になる話を聞いているうちに、探見隊に打ち解けていく自分がいました。なかなか出会う機会のない大学生・社会人のサポーターや年下の子たちと仲良くなることがなんだか不思議でもあり、自分の自慢でもあり、クラブが自分の居場所になっていきました。
クラブの活動は、学校では体験できないことばかりでどきどきわくわくしっぱなし。それらの体験は今の自分の原点になっています。生まれて初めてのキャンプでは、野外調理や川遊び、登山やキャンプファイヤー、初めてのテントに大興奮!その時にラジカセから流れていた音楽を聴くたびに、活動で楽しかったことを思い出します。その中でも印象的だったのは、参加者の私達以上にサポーターが楽しそうだったことと、私たちのために夜遅くまで打ち合わせをし、早朝に登山の下見をしてきてくれたことです。私たちメンバーが、安全に楽しめるよう努めてくれている様子を見るたびに、サポーターのお兄さん、お姉さんがとても格好良く見えました。いつも班のメンバーをまとめてくれて、明るく盛り上げてくれるサポーターに憧れを更に抱いたこのキャンプは、私がサポーターを目指したきっかけの活動でした。
中2の秋の「オーバーナイトハイク~夜を越えて~」も、忘れられない活動です。中間テストの前日だというのにどうしても参加したくて、教科書とノートをリュックに詰めて参加!深夜0時の時報の合図と同時に野島青少年研修センターを出発し、朝日を目指して江ノ島までの約20キロを歩きました。ルート中、真っ暗でとても怖いところもありましたが、お互い励ましあい、眠い目を何度もこすりながらゴールを目指しました。友達やサポーターとのおしゃべり。恋愛の話で盛り上がったり、しりとりをしたり。夜中に競争をした砂浜や、寒い中食べたバナナやドーナツ。江ノ島に足を踏み入れる瞬間にみんなと一緒にしたバンザイ・ゴール!!汗が冷えて寒くなってきた中、みんなで見た江ノ島の朝日など、いろんな思い出と感動を今でもよく覚えています。一人では味わえない達成感を手に入れた感じがしました。
こどもエコクラブの中で年下のメンバーと活動することで、人に伝えることが少しずつ上手になってきたように思います。言葉を選んだり、抑揚や強弱など表情をつけたりして話すことによって、ちゃんと話が伝わるようになってきました。サポーターになってからは、人の話を聞くことも上手になってきたのではないかと思います。子どもたちの想いを受け止めるにはしっかり子どもの話を聞かなければわかりませんから。
私はどのサポーターよりも、泣いた時間が多いのではないでしょうか。チャレンジして壁にぶつかっては、仲間に助けてもらってきました。これは私にとって財産だと思っています。たくさんの失敗を経験したことによって、次の人に伝えることができます。失敗があるからこそ必ず成功に結びつくことを学びました。
現在、私は中学校の非常勤講師をしており、この経験は今の仕事でも大変活かされていると思います。うまくいかなくても先輩に相談しながら、地道に努力しています。子どもの言葉の端々や表情から何を感じて何を考えているのかをしっかり観察して読み取って、その先を読んで指示を出すようにしています。
サポーターになって改めて感じたことは、『体験してはじめて身につく』ということです。聞いたり本で読んだりするのは簡単ですが、それは「本物の体験」ではありません。自分で体験して初めて自分の「言葉」にすることができるんだと思います。だからこそ、子どもたちには出来る限り本物を伝えていきたいと考えています。そのためには、サポーター同士の協力と地域の方とのネットワークがとても大切です。クラブの恒例の活動として長野県戸隠でのキャンプがあるのですが、その際には地域の方に大変お世話になっています。それは、先輩サポーターが何度も何度も戸隠に足を運んで地域とネットワークを築いたからだと聞いています。キャンプの度に、いつも地域の方に感謝をしています。
私の現在の夢は、『子どもの可能性を引き出せる学校の先生』になることです。そして、常に子どもの視線(相手の視線)に立てる大人になることが目標です。私が、『学校の先生』を目指したのは、野島自然観察探見隊での活動中に「学校はつまらない」という声を子どもたちからよく聞くようになり、何か私にできることがあるのではないか、子どもと関わることを仕事にしたい!と思ったことがきっかけでした。
子どもたちが、日々の生活の中で何でもいいから生きがいを感じ、「楽しい!」と思える瞬間を持ってほしい、力になりたい、そう思っています。私はまだまだ未熟ですが、こどもエコクラブで学んだことを生かしてこれからも仕事をしていきたいと考えています。
自分が参加者のころ、憧れを抱いたサポーターになってから12年近くになりましたが、思うことはいつも同じです。それは「一期一会」の素晴らしさ。そして、感動を分かち合うことの面白さです。同じ景色を見ていても、私が見た視点と、他の人が見た視点は違う。その違いが面白いのです。仲間との違いを楽しむこと。それが活動のポイントだと思います。そしてそれを否定しないこと。否定をしてしまった時点で、活動はつまらない方向に進んでいってしまうと思います。この体験や経験、つながりはお金で買うことはできません。本から得ることはできません。また、自然を通して仲間と「発見」を共有し、分かち合うことはとても素敵なことです。
こどもエコクラブクラブのみなさん、ぜひ、自分の五感を大切にしてください。見て、聞いて、嗅いで、触って、味わって、たくさんの経験をしてください。そして、その経験を新しいうちに誰かに伝えてください。言葉にしてください。絵でもいい。表現してほしいと思います。その表現したものは、確実に自分の力になります。
なんだか偉そうなことを言いましたが、自分自身がこどもエコクラブの活動を通して、いつも大切なことを子どもたちから教わっています。子どもの発想力やパワーから、いつも元気をもらっています。私が、活動中に怒った顔をして注意をすることがあるのは、みんなが怪我をせず、仲良く安全に楽しく過ごせるように願っているからです。私がクラブの活動をずっと続けてこられたのは、私を支えてくれる家族や仲間、そして笑いかけて話しかけてくれるみんながいるからです。そんな私のやりがいは、子どもたちが「楽しかった!」「また来たい!」と言いながら家に帰ってくれること、そして「ももちゃん」と名前を呼んでくれて、頼りにしてもらえることです。
いつも、活動に来てくれる子どもたちにとてもとても感謝しています。
この場をお借りして、伝えます。「いつもありがとう。」
「リアルヴォイス」では、幼児から取り組める簡単なプログラムから、学校や地域全体で取り組めるプログラムをご紹介いただけるサポーター&コーディネーターを大募集しています!また「こんなプログラムを紹介してほしいな」というリクエストも同時に受付けています♪
タイトルを「リアルヴォイス」とし、ぜひ全国事務局までメールをお寄せください。
プログラムをご紹介いただいた方は、こどもエコクラブ粗品を差し上げます。
皆様からのたくさんの声(ヴォイス)を、お待ちしています!