2018.03.09 掲載
こどもエコクラブに関わるサポーター・コーディネーターさんたちが、こどもエコクラブのサポートやコーディネートを通じ、どんな活動プログラムを行っているのか、またどんなことを感じているのかそのリアルな声をご紹介します♪
他のサポーターさんやコーディネーターさんのご意見は、クラブをサポートする側にとって大変興味深いものかと思います。このコーナーがクラブに関わる多くのみなさんにとって取り組みのヒント・今後の活動の充実のための参考となって、どんどんクラブが元気になりますように★季節を感じるだけじゃない!防災にもお役立ち◎ 野草、すごいぜ!
活 動 ク ラ ブ あっそ児童館エコクラブ(児童館のクラブ)
活 動 分 野 自然・生物多様性
朝来(あっそ)児童館に毎週土曜集まる「上富田ふれあいルーム」のメンバーで活動しています。平成29年度は、日頃の活動に防災に必要な知識と体験を取り入れたプログラムを年間企画し、自然に楽しく学べる活動を行いました。※H29内閣府「防災教育チャレンジプラン」に採択されました。
内容(プログラム)について
今の日本は、多くの子どもたちが衣・食・住に恵まれていますが、戦争を体験している世代や、大災害を体験した人は、この豊かさが当たり前ではないことを知っています。
一方、野菜と野草は「栽培されているか・いないか」で分かれています。そこで、おいしい野草と食べ方を知るとともに、毒草と区別がつくようになれば、これから起こるかもしれない災害への備えとしても役立つのではないかと考えて企画しました。
活 動 時 期
春の七草が楽しめる1月と、野草がぐんぐん成長しはじめる4月(和歌山では3月後半)がオススメです!1月は、七草粥を食べる意味についてもみんなで考えることができます。
活 動 場 所
野草が生えていそうな場所。車通りの少なく、子どもたちが分け入ってもサポーターが見つけやすく迷子にならなそうな草地や里山などがよいでしょう。
当日の活動プログラムの流れ
探す野草の種類の数や調理法にもよりますが、野草探しと調理で2時間くらいです。
ワラビやタラノメ、七草など人気のある野草は、他の人も採取に来ることがあるので、事前にどんな野草がありそうか、下調べをしておくとスムーズです。
また、「当日に全くない!」という事態を避けるためには、少し採取しておいてもいいかもしれません。
①この時期にどんな野草があるのかを、事前にみんなで確認し合います。
野草にくわしい専門家に講師を頼みましょう。地域に山野草のが好きな人たちが集まった会などがあれば、ぜひ声をかけてみてください。自治体に相談しても専門家を紹介してもらえるかと思います。
食べられる野草のリスト(画像)をもって、フィールドに出発です!
②①のリストを見ながら、みんなで野草を集めます。
③集めた野草を出し合って並べます。同じもの・似ているものをまとめていき、講師と一緒に野草の名前を確認して、食べられる野草かどうかを判別します。
④食べられる野草は、みんなでにおいをかいだり、やさしく触ったりして、独特な風合いや香りなど特徴を発表し合いましょう。しっかりメモを取っておくと後々役立ちます。
⑤食べられない野草(毒草)は、食べられる野草とどこが違うかをみんなで考えます。
とても似ていて区別がつかなくても、「似た毒草がある」という事を知っていれば、「念のため食べない」と言う選択ができると伝えます。
⑥野草を使って調理をします。
1月は七草粥、4月(暖地では3月)はたくさんの野草が見つかるので、天ぷらがオススメです♪ 調理は、子どもたちにも参加してもらうと満足度が高くなります。天ぷらをする時は特に、火の取り扱いに注意してください。
春の七草:せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな(カブ)、すずしろ(ダイコン)
1月7日は人を大切にする人日(じんじつ)の節句で、日本古来の「若菜摘み」と中国の「七種菜羹(ななしゅさいのかん)の風習が交わって「七草粥」が食べられるようになったそうです。
七草粥で無病息災を願うと共に、野菜や果物の不足しがちな冬にビタミンを補い、お正月のごちそうで疲れている胃腸を休める目的もあります。
3・4月はまさに野草まつり!
今回は、フキ・カタバミ・ハコベ・ドクダミ・イタドリ・タンポポ(葉)・ワラビ・ハハコグサ・アザミ・ノビル・セリ・カラスノエンドウ・タラノメ・ヨモギ・スイバ・ユキノシタ・サルトリイバラ・ナノハナが見つかりました。
他にも身近にある食べられる野草はたくさんあります。
例:クローバー、オオバコ、スベリヒユ、ヒユナ、フェンネル、ツクシ、タンポポの根(きんぴら)
飲んでもおいしい!
ドクダミがある時期は、事前にドクダミ茶を準備して、みんなで試飲するのもいいでしょう。タンポポの根からはタンポポコーヒーができます。
ちなみに、ドクダミは別名「十薬」(じゅうやく)と言い、解毒、利尿作用などいろいろな効能があります。
【当日用意するもの】
●野草採取の時●
メンバー:汚れても良いスニーカー(サンダル禁)、長袖の上着、長ズボン、
採取した野草を入れる袋、軍手。
サポーター:メンバーと同じもの、植物図鑑、万能ハサミ、シャベル、ゴミ袋、
食べられる野草のリストと毒草についての資料
(パソコンを使う場合はスライド)。
●調理の時●
メンバー:エプロン、三角巾、マスク
サポーター:メンバーと同じもの、鍋、カセットコンロとガス、皿、お椀、菜ばし、
箸、新聞紙、キッチンぺーパー、まな板、包丁。
その他、調理法に合わせて天ぷら油や調味料、お米など。
※メンバーにマイはし・マイ皿などを持ってきてもらっても良いですね。
※防災の観点としては、「食器がない!洗う水がない!」ということにして、牛乳パックとポリ袋で汚れたら袋を取り換えるだけの食器を作ってみてもおもしろいですよ。野草と一緒に枝も採取して、お箸を作ってみてもいいし、牛乳パックでスプーンも作れます…サバイバル!
プログラムを体験したメンバーの様子
・最初は「草を食べるのか…」とメンバーの手がなかなか伸びませんでしたが、サポーターがいくつか食べてみて感想を言うと徐々に食べるようになりました。ワラビはポテトのようにホクホクしていて、最後はとり合いになるほどの大人気でした。
・ドクダミ茶は子どもたちにも好評でした。ドクダミの効用も、ドク・ダメ=毒をおさえる で覚えやすいと思います。
このプログラムのオススメポイント!
今回はあいにく雨だったので、大人が野草を探してきましたが、子どもたちも探しているうちに「宝探し」のような気分で夢中になって、様々な野草を見つけてくれると思います。
どういうところにどういう野草が生えているのかということも徐々に覚えるようになります。
「この草が食べられるんだ」「似ている毒草があるから食べないでおく」という新しい知識とともに、災害に備える力の一つになると思います。
自宅の食卓でも、野草おかずのレパートリーが増えました^^◎
また、野草の多くは薬草としての効果もあるとのこと。虫さされのかゆみ止めや防虫剤になるなど、次のステップとして様々な効用をもつ野草を調べるきっかけにもなります。
「リアルヴォイス」では、幼児から取り組める簡単なプログラムから、学校や地域全体で取り組めるプログラムをご紹介いただけるサポーター&コーディネーターを大募集しています!また「こんなプログラムを紹介してほしいな」というリクエストも同時に受付けています♪
タイトルを「リアルヴォイス」とし、ぜひ全国事務局までメールをお寄せください。
プログラムをご紹介いただいた方は、こどもエコクラブ粗品を差し上げます。
皆様からのたくさんの声(ヴォイス)を、お待ちしています!