2019.05.30 掲載
高度経済成長期に埋め立てられ開発が進んだ東京湾の中で、生きもののすみかを守るために残された「行徳鳥獣保護区」。普段は立ち入れないこの区域で5月25日(土)、子どもたちを対象に自然観察会が行われました!
この日先生になってくれたのは、普段は全国の三菱電機グループで働く社員のみなさんです!研修と実践を重ねて、ついにこの日先生としてデビュー★
まずは体と気持ちをほぐすため、「巣を替わろう」ゲームに挑戦!向かい合った2人が両手をつないで「巣」となり、その下に1人が「鳥」になって入ります。「巣を替わろう!」という掛け声で、鳥はいっせいに巣を出て別の巣へダッシュ!新しい巣に入れず残ってしまった鳥が、次に「巣を替わろう!」と声をあげます。巣を作っていた子もみんな鳥がやりたくなり、全員が鳥になれるまで続けました♪みんなすっかりほぐれたよね!
ゲームの後はいよいよ鍵のかかった門が開き、鳥獣保護区の中へ。ちょっぴりワクワクします♪この地域はかつては干潟や浅瀬で、水鳥が多くやってくる場所でした。開発が進む中、鳥たちのすみかを守ろうと保護運動が起き、その結果、埋め立て地に保護区が造成されました。その後、風や鳥たちが運んだ種が芽生えて木が育ち、水鳥が過ごしやすいよう人の手で池や水路を作ったりして、現在の姿になったそうです。今では野鳥はもちろん、いろいろな草や木、虫たちやタヌキもすんでいます。
保護区に入ると干潟が見えてきます。動いているのは白いハサミを振っているヤマトオサガニと泥だらけのトビハゼ!不思議と、自分がじっとしていると、生きものが動くのが目に入ってきます。
今日の観察のテーマは「五感を使うこと」。目で見るだけでなく、においをかいだり触ってみたり、味わってみたりもするのです。袋の中にあるものを触ってみて、同じ手触りのものを探してみるゲームもやってみましたよ!
みんなが歩いていく地面には直径3cmくらいの穴が点々と。これはクロベンケイガニの巣だそうです。穴の中を棒でつついてみましたが、はさまれるとすごく痛いと先生に聞き、ちょっとドキドキ★
シロツメクサの色違いのようなムラサキツメクサ(アカツメクサ)やスイカズラの花をつんで口に入れると、ほんのり甘い蜜の味♪赤や紫、黒に色づいたクワの実も甘くておいしいのです。
カタバミの葉をもんで10円玉をこすると、なんとピカピカに!カタバミに含まれるシュウ酸が、サビを分解してくれるのだそうです。
草の茎にところどころ泡がついているのは何だろう?泡をそっとさわると、中から小さな黒い虫が!アワフキムシの幼虫が身を守るため泡を立てているのです。この泡の成分は、洗剤と同じ界面活性剤なんだとか。
歩いているとクイズを書いた札があちこちに。「竹と笹のちがいは?」というクイズの前で考え込む子どもたち(と大人)ですが、正解は茶色い皮がはがれるのが竹、はがれないのが笹だそうです(※諸説あり)。
おや?ここにはクイズではなく「クロロフィルさんを呼んでみよう」と書いてあります。呼んでみるとコック姿のクロロフィルさんが登場!私たちが吐く息に含まれる二酸化炭素を材料にして、草や木が酸素を作っていることを教えてくれました。草や木などの自然を大切にします!と約束すると、クロロフィルさんは去っていきました★クロロフィルさん、ありがとう^^/
他にも、シャリンバイの花にやってきたアオスジアゲハや、アブラムシを食べるテントウムシ、服にくっつくヤブジラミや、葉っぱの葉脈や手触りの違い、タンポポとマツボックリの種を遠くに運ぶ工夫など、ここには書ききれないほどたくさんの不思議を見つけることができました。子どもたちも、「もう一回さっきのところ行く!」「カニつかまえたい!」「ここにもカタバミあった!10円玉貸して!」と、まだまだ遊びたい様子。この保護区を手入れしながら大切に守ってくれている行徳野鳥観察舎の方々と、たくさんの生き物を一緒に見つけてくれた三菱電機の先生たちに感謝しながら、観察会は終了しました。本当に、ありがとうございました★