竹の子エコクラブ(埼玉県)
三芳町で300年以上伝承されている落ち葉堆肥農法の「落ち葉はき」を体験しました。竹の熊手と八本ばさみと呼ばれる大きな竹籠を使う伝統的なやり方です。農家の名人から道具の説明とやり方の指南を受け、みんなで境内林の落ち葉を掃き集めました。集めては籠に入れ、たまってきたら籠の中に入って足で踏みました。籠の淵の方から踏んでいくと落ち葉がこぼれにくくなります。三芳町主催のイベントに毎年参加しています。担当の観光産業課が子どもたちへの体験の場として大切な機会であると受け止めて、一般募集を控えた年も竹の子エコクラブのために特別実施をしてくれました。
初めて参加した低学年のメンバーが「俺は落ち葉はき名人になる!」と鼻息荒く張り切っていました。みんな夢中で落ち葉に取りかかるので、冬の雑木林の中とは思えないほどぽかぽかと暖かくなりました。掃き終えた雑木林をお父さんサポーターたちが「気持ちがいいなあ」と満足そうに眺めていました。
三芳町にこんなに続いている農業のやり方があるんだと「落ち葉はき」体験で伝わったんじゃないかと思います。何たってまず楽しい。でもこれを農家の方たちが家族だけでするのはしんどい作業。竹の熊手はしなやかで使いやすい。けれどその道具を作れる職人さんがもうほぼいない。集めた落ち葉の行き先やそれからどうなるか、メンバーには興味を持って欲しいと思います。伝えていくのも大人の役割だと思っています。落ち葉は堆肥置き場に集められ、切り返しをしたり、農家によって糠を混ぜたりしながら1年、2年後に落ち葉堆肥になります。他にも落ち葉はさつま芋の苗床に使われる、ゴミなんかじゃない、農家にとって宝物。なんてエコな農業なんでしょう。