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【壁新聞道場!】たのもーーーう!茨城県 その①

2014.08.08 掲載

茨城県は22枚ものかべ新聞の応募があったよ!今回はその中から逆川こどもエコクラブの6枚をご紹介!
今週は久松師範です。よろしくお願いしまーす!

 

逆川こどもエコクラブ その②
逆川こどもエコクラブ その③
龍ヶ崎市環境楽習講座
水戸市かみおおのアースレンジャー
八溝自然たんけんたい

  水戸市「逆川こどもエコクラブ」  

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☆かべ新聞をクリックすると大きな画像で見られるよ☆

逆川こどもエコクラブ①の新聞を書いてくれたみんなへ
師範から一言!━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━

水戸市の中心、駅のすぐ西側にある千波湖の生きものを調べたレポートですね。私は、水戸の古い地図と今の地図を比べてみたことがあります。千波湖は姿を変えてきていますが、今でもたくさんの生きものがすんでいるのですね。8月18日の調査だけでも、魚やエビが6種類も観察されました。

先生に教えてもらった生きものも、記しました。ウナギの記録もあるのですね。ウナギは、全国で個体数がとても減少している魚の一種です。ウナギの記録があるということは、千波湖には豊かな自然が残されているということの証明にもなりますね。

生きものの種類全体を見て、「千ばこには、きたない水でもすめる生きものが多い」と、まとめました。調べた結果からどんなことが分かるかを、自分なりに考えてまとめることは、とても大切なことです。とてもすばらしい新聞ができました。


とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・

生きものを記録するとき大切なことがあります。"いつ"、"どこで"、"だれが"、"どのように"というような内容を、記録することです。どのように採集したか、何匹採集されたかを記録することによって、千波湖の生きものの様子が、より一層はっきりしますね。千波湖の場所や、周囲の様子を説明すると、なお一層よい報告になりますよ!

まとめのところでは、きたない水でも生きる生きものがどれかを示すのもよいでしょう。茨城県には、霞ヶ浦などの湖沼もたくさんありますね。比べてみると、新しい発見があるかもしれません。外来魚(その地域にもともと住んでいなかった生きもの)の割合を調べるのもおもしろいですよ。

 

逆川こどもエコクラブ②の新聞を書いてくれたみんなへ
師範から一言!━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━

ビオトープをつくったときには、生きものがあまりいませんでした。しかし、9カ月後には、たくさんの生きものがみられるようになったことを新聞にまとめました。逆川の周りには、豊かな自然が広がっています。逆川に住む生きものが、ビオトープにもやってきてくれたのですね。時間がたつと、自然が回復するということを発見し、新聞にまとめてくれました。

新聞では、どこでどのような生きものが観察されたかを、ビオトープ周辺を描いた地図の上に記入しました。とても良い点です。種類の違いによって、生きものの数の違いがわかるような描き方をすると、新しい発見があるかもしれません。次回はまとめるときは、そのような工夫もしてみましょう

"分かったこと"では、ビオトープと千ばこのアオコの量を比べて、どうすればよいか自分なりの意見を書きました。他の場所と比べることによって、ビオトープの自然の豊かさが分かった上に、これから自分で取り組む課題も見えてきましたね。これからも、いろんな場所の生きものを観察していってください。


とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・

ビオトープをつくる前と後の様子を写真で示しました。たくさんの植物や動物がビオトープにやってきた様子が、ひと目でわかりました。それから、テナガエビやワカサギが観察されたことを書いてくれました。それらが、どんな生きものであるかを、図鑑で調べたり、先生の話を聞いて調べたりしたこともメモすると、より深みのある報告になりますね。

また、ビオトープの意味を説明したり、ビオトープをどのように作ったかを書いたりすると、ビオトープという言葉の意味を知らない人も、興味を湧いて記事を読んでくれるでしょう

観察された生きものの種類をよく見ると、カワニナもありますね。逆川の周辺では、ホタルの生息も確認され、皆で保全活動も行われています。ホタルの幼虫のえさとなるカワニナが発見されたことは、ホタルの生息する条件も整いつつあるということです。これから何年後かには、このビオトープにホタルの舞う姿が見られるかもしれませんね。このビオトープを、さらにたくさんの生きものが生息するような場所に、育てていってください。

逆川こどもエコクラブ③の新聞を書いてくれたみんなへ
師範から一言!━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─

千波湖の周りには、たくさんの昆虫がいることが分かりました。皆で観察すると、いつもは見過ごしてしまうような小さな昆虫も観察できますね。新たな発見も、まとめに記してくれました。

調査の方法は、かんきょう学習会に参加して、先生といっしょに見つけた昆虫を記したのですね。昆虫は、世界で最も種類数が多い生きもので、その生きざまも多種多様です。今回は「見つけ採り」といって、目に見える昆虫を探す方法でしたが、昆虫の性格を利用した採集の方法がたくさんあります。次回は、別の方法で昆虫を探してみると、さらにちがう種類が見つかるはずですよ。チャレンジしてみてください。

千波湖周辺で新しく見られるようになった虫も紹介してくれました。近年、茨城県内では、ツマグロヒョウモンやナガサキアゲハなど、もともとは南のほうに住んでいた昆虫が見かけられるようになってきました。小さな昆虫を観察することの積み重ねによって、大きな環境の変化が分かってきます。千波湖でどんな昆虫が見られるのか、これからも観察を続けてください。

とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★

新聞で紹介してくれた以外にも、茨城県で普通にみられるようになった昆虫がたくさんいます。クロコノマチョウやムラサキツバメといったチョウ類やラミーカミキリといった甲虫類などです。なぜ、小さな昆虫を発見できたかというと、たくさんの昆虫研究者が県内にどんな昆虫がいるのかを調べていたので、侵入した昆虫が分かったのです。これまでに、どんな調査が行われたのかを調べることも大切ですね。

クマゼミの鳴き声は、茨城県内でも各地で記録されるようになってきました。成虫を採集したという記録は少ないので、千波湖でこれから採集できるかどうかが楽しみです

ウスバキトンボは、5月から6月にかけて南方から遠路はるばる日本にやってきて、暖かくなるにつれ北上するトンボです。千波湖周辺では、8月末によく観察できると思います。日本各地でみられ、旧盆の頃からよく見られるので、地域によっては「精霊トンボ」とか「盆トンボ」とも呼ばれています。昆虫は、種ごとに生き方が違うので、それを詳しく調べることも興味深いことですよ。

 

逆川こどもエコクラブ④の新聞を書いてくれたみんなへ
師範から一言!━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━

千波湖学習会に参加して学んだことを新聞にまとめました。魚やエビのほかにも、植物プランクトンがたくさんいることが分かりましたね。捕った魚はたいせつに育てたいという感想も記してくれました。やさしく生きものに接する様子が感じられ、とても好感が持てました

今回の調査で捕まえた魚やエビは、全部で5種類でしたね。それぞれの種について、詳しく紹介してくれたので、記事を読む人も興味がわきます。ところで、千波湖には、もっとたくさんの生きものが住んでいることを知っていますか。千波湖の生きものについては、多くの人が調べているので、それらも参考にすると、千波湖の自然の様子をより詳しく学ぶことができると思います。ぜひ、調べてみてください

とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・

アオコについても調べました。アオコは植物プランクトンで、それが大量に発生して問題になっているのですね。アオコが大量に発生すると、ほかの生きものにとって害になってしまうといことも紹介してくれました。生きものどうしは、"食べる""食べられる"という関係で、とても複雑にからみあっています。生きものどうしのバランスが大切なのですね。

新聞記事では、どうすればアオコが減らせるか、様々な取り組みも調べ紹介してくれました。ここで一つ考えてほしいことがあります。大人たちが、いろいろなことを考えて実行していますが、自分でできることは何かありませんか?小さなことでよいのです。「ごみを捨てない」「汚れた水をできるだけ少なくする」「水の無駄を少なくする」・・・、子供たちでもできることがたくさんあるはずです。さあ、まずは一つ、実行してみませんか!

 

逆川こどもエコクラブ⑤の新聞を書いてくれたみんなへ
師範から一言!━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━

蛾をたいせつに飼育して、観察している様子がわかりました。生きものを大切にする気持ちが、新聞記事のいろいろな所から、うかがうことができました。生きものを飼育すると、発見もありますね。サナギでも、ぴくぴく動くことが分かったことなど、とても良い経験をしたと思います。

茨城県と沖縄県の石垣島の昆虫の比較をした点もよかったですね。両方の県で見られる種、沖縄だけ(南のほうに住む種)、または茨城だけ(北のほうに住む種)で見られる種はどれかを記すと、もっと蝶や蛾の生態がわかると思います。今度、調べてみてください。

石垣島のバンナ公園には、私も行ったことがあり、ちょっと懐かしくなりました。茨城県では見ることができないスジグロカバマダラやオオゴマダラを見ることができたのは、ラッキーでしたね!昆虫を通して、自然をもっともっと調べてみてください。


とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・

自然を調べようと思って活動すると、時に残念な出来事に遭遇してしまうこともあります。不法投棄のゴミに出会ってしまったのも、その一つですね。この経験から、自然を勉強して、自然を守る活動をしたいと考えたことが、とても素晴らしいと思いました。「逆川を愛する会」には、動物や植物のことについて、とてもよく知った人がたくさんいます。先輩たちから、いろいろなことを教えてもらってください。

かべ新聞には、灯火採集をしたいと書かれていました。どんな種が採集されるか、記録に残してください。いつ、どこで、だれが採集したかというデータが大切になります。採集した昆虫は、きちんと標本にすることも大切です。標本の作り方は、県の博物館などに問い合わせてみましょうそれから、種類だけではなく、量(数のことです)も調べることが大切です。調べた結果は、ほかの地域と比べてみてください。調査地の自然の様子がみえてきますよ!

 

逆川こどもエコクラブ⑥の新聞を書いてくれたみんなへ
師範から一言!━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─

ここ10年でしょうか、茨城県ではツマグロヒョウモンやナガサキアゲハといった南方系の種が普通にみられるようになってきました。そのことについて、水戸市の平均気温の変化のグラフとあわせて示し、温暖化によって昆虫の生息域が変化していることを、大変よくまとめてくれました。それぞれの種についても、よく調べてくれました。

読む順序が分かるように矢印を使ったり、写真の配置を考えたりしたところにも、工夫の跡がみられました。イラストもきれいに描けましたね。もともと水戸市に住んでいた在来種を掲載した点も、水戸市で新しくみられるようになった種を説明するのには、よい資料ですね

地球温暖化の原因のひとつに、温室効果ガスの影響が指摘されています。しかし、その発生源は様々で、温暖化を防ぐには、いろいろな方策をとらなければなりません。大人に任せるだけではなく、子供でもできることを実践していきませんか。Think Globally、Act Locally(地球規模で考え、足元から行動せよ)!


とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・

ナガサキアゲハやツマグロヒョウモンが、なぜ茨城県で急速に広がったかを、もう少し詳しく考えてみましょう。2種のチョウが茨城県で生息するためには、いくつか条件が必要です。そのひとつは、幼虫の食べるエサが1年を通して手に入ることです。ナガサキアゲハの幼虫はミカンなどの柑橘類の葉を好んで食べます。県内では、庭先に柑橘類の木を植える家が増えてきました。柑橘類が冬でも枯れないようになり、エサがナガサキアゲハに供給されるようになったのが、分布拡大の原因の一つと考えられます。同様に、ツマグロヒョウモンはスミレ類を食します。冬の花壇にパンジー(スミレ科スミレ属)を植える家庭も増えてきました。その影響も大きいと思われます

ウスバキトンボは、5月から6月にかけて南方から遠路はるばる日本にやってきて、暖かくなるにつれ北上するトンボです。繁殖力が強いので、夏の間はどんどん北に進むのですが、水戸市で冬を越すことはできません。温暖化が進むと、水戸市でも冬を越すウスバキトンボが見られるようになってしまうかもしれませんね。

セアカゴケグモは、上記の種の広がり方とちょっと違います。セアカゴケグモは、荷物に紛れ込んで遠くから運ばれてきたと考えられます。

新しく見られるようになった生きものの視点から、自然を見ること大切です。もっともっと調べてみてください。おもしろいですよ

久松師範、ありがとうございました!その②、その③ へと続くよ!

エコまるjumping.bmpのサムネール画像


逆川こどもエコクラブ その②
逆川こどもエコクラブ その③

龍ヶ崎市環境楽習講座
水戸市かみおおのアースレンジャー
八溝自然たんけんたい

 

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2013年度の壁新聞道場 → http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201310251020.html
2012年度の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201204191131.html

師範紹介その1 → http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201407111133.html
師範紹介その2 → http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201407111145.html