2016.11.16 掲載
茨城県は18枚のかべ新聞の応募があったよ!
②・③に引き続き逆川こどもエコクラブの壁新聞5枚をご紹介。
今週は久松師範です。よろしくお願いしまーす!
水戸市「逆川こどもエコクラブ」
⑤ | ⑨ | ⑪ | ||
⑫ | ⑬ | |
逆川こどもエコクラブ⑤の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━
10年前に,ホタルの保全活動がはじまってからの様子が,年代ごとにまとめてあり,大変よく分かりました。逆川こどもエコクラブの皆さんが,ホタルの保全活動をしていることは,いろいろな場面でうかがっていました。今回,壁新聞を見て改めて活動の様子を知ることができました。
10年の歩みを見て,活動が長く引き継がれた要因を考えてみました。ホタルの出現に欠かせない環境をはじめに整備し,ホタルだけではなく,まわりの自然を見直すことができました。そして,ホタルが毎年発生するようになり,活動が続いたのだと思いました。大きな視点で活動を見通せたのが,よかったと思えました。
たった6人ではじめた活動が,大きな広がりをみせ,大勢の参加者が加わった様子がよく分かりました。メンバーの写真も掲載されており,成長した様子を見ることもできました。
いろいろな機会に発表の場を得たことは,メンバーの資質の向上にもつながりましたね。活動をまとめて発表することで,自分の考えをしっかり持つことができたことと推測します。その結果として,各種の賞を受賞されました。御祝い申し上げます。これからも,ホタルを通して逆川の自然を守る活動を進めていってほしいと感じました。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
ホタルの保全活動の様子が,時代ごとに記されていて,読み物としても面白く,かつ内容も豊富な新聞です。もう一つグレードアップするならば,メリハリのある紙面のレイアウトを考えることが大切でしょう。
たとえば,見やすくするために大きく年号を入れたり,各項目に大きな見出しを入れたりするのです。新聞には“見出し”や“リード文”といったものがあります。それを見習い,紙面のレイアウトを考えると,さらに読みやすい新聞になると思いました。参考にして下さい。
さて,逆川こどもエコクラブのホタル保全活動は,一区切りの10年を迎えました。メンバーも成長し,これからどのようにしていくか考える時期になってきましたね。これまでの保全活動を継続するとともに,新たに加わるメンバーとどんな活動をしていくのかを考えていって下さい。さらなる発展を期待しています。
逆川こどもエコクラブ⑨の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━
栄宏中学校の裏の荒れ地を復活させる様子が,手に取るように分かりました。たくさんの写真が順序よく並べてあり,工夫の跡がうかがえました。
不要な木を間伐したり雑草を取り除いたりして,森をきれいにしていくと,不法投棄が目立ってくるという記事に注目しました。5tものゴミを搬出することができたとのこと,感動しました。
さらに,PTAや公園協会,逆川エコクラブなど,多くのなかまの力によって,湿地を再生させることができたことも,素晴らしいと思いました。栄宏の泉が,多くの人々に見守られることで,保全活動が永続しますね。
それから,地元のホタルの再生を目指していること,生物多様性の保全の点からも評価できます。
これからの活動が楽しみですね。また,報告して下さい。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
壁新聞を見て,荒れた湧水が“栄宏の泉”として復活し,ホタルが再生していく道のりがよく分かりました。そこで,“栄宏の泉”をこれからどうしていくかが,これからの課題だと思います。
ホタルの再生を目指して活動が始まりました。ゴミと取り除いたりホタルの幼虫を放流したりして,環境は整ってきました。つぎに取り組むことは,“栄宏の泉”にホタルの幼虫を放流しなくても,永続的にホタルが発生するようにすることですね。里山の環境は人の手が入らないと荒れ果ててしまいますが,そこに生きるホタルは手を加えなくても発生し続けます。どのような環境がふさわしいか,試行錯誤を繰り返していって下さい。
それから,ホタルだけではなく他の生きものの様子も観察していって下さい。豊かな自然は,たくさんの生きものが,お互いに関わりを持ちながら生きています。特定の生きものを見るだけではなく,大きな視点からも自然を見ることができるようになってほしいと思います。
“栄宏の泉”には,たくさんのサポーターがいますね。その方々と協力しながら,どのような泉にしていくか考えていって下さい.期待しています。
逆川こどもエコクラブ⑪の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━
読みたくなるようなキャッチーな見出しで,字が大きく目立つので効果的です。
それから,ホタルの生息条件と,栄宏の泉を比較したことがよかったと思いました。自分たちで一生懸命行っていることが,正しいかどうかを判断するとき,先例と比べるのは常套手段ですよね。それから,一般の読者にとっては,生きものの姿を思い浮かべることがむずかしいので,住んでいる生物の写真を掲載してくれたのは助かります。これから環境が落ち着いてくると,さらに多くの生きものが記録されると思います。継続的に調査することをおすすめします。
協力者の方がいらっしゃることも心強いですね。みなさんの協力を得ながら,栄宏の泉が発展していくことを期待します。ただし,ホタルの再生に目をとられて,他の生きものをお座なりするようなことないようにして下さい。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
壁新聞をまとめたのは栄宏中学の生徒のみなさんなので,より新聞らしくするにはどうしたらよいかという視点に立って,コメントしましょう。
新聞では,見出しを見て「お,この記事はおもしろそうだぞ!」と感じさせます。そして次のリード文を読んで「ふむふむ,だいたいこういう内容が書かれているのか」と把握させます。見出しとリード文で興味を喚起し,そして詳しい内容の本文を読ませるような構成をとります。つまり,新聞では3段階で,だんだん深く理解させるように工夫しているのです。そのことを考えると,この新聞には,リード文がありませんでした。詳しい内容(記事の部分)は,分かりやすく図表を使いまとめられていますので,問題はないでしょう。“栄宏の泉とは”というような項目は,この記事をはじめて読む人にとっては大切ですよね。
ちょっとした工夫で,より見やすい新聞ができます。栄宏の泉のその後がどうなったか,また報告してください。期待しています。
逆川こどもエコクラブ⑫の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━
栄宏の泉が生まれ変わる様子がよく分かりました。遊水地というときれいなイメージがありますが,ゴミが散乱したり雑草が繁茂したりしていては,せっかくの泉が台無しですよね。よみがえった泉を見たくなりました。
紙面の構成を見ると,作業の様子が時間を追って書かれていたのが効果的でした。間伐して雑草を取り除き森がきれいになるにつれ,不法投棄が目立ってきました。植物がゴミを覆い隠していたことに,自然の懐の大きさを感じることができました。また併せて,このような里山の環境を維持するためには,人の手入れが必要なことも改めて認識させられました。
所在が分からないホタルではなく,地元のホタルを放流したことも,生物多様性の保全を考えると重要なことですね。ひとつひとつの仕事が大切な意味を持っていますから,その意味を考えながらこれからも活動を推進して下さい。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
壁新聞をまとめたのは中学生の生徒のみなさんなので,どんなことを書いたら読み手に感動される新聞なるかという考えに立って,紙面を見直してみましょう。
まず,新聞で何を訴えたいのかについて考える必要があります。栄宏の泉をよみがえられた経緯はよく分かりましたが,なぜホタルを再生したいと考えたのか,これからどうしたいのかという視点を明らかにして,もっと訴えることも必要だと感じました。一連の活動を行ってみて苦労した点や,これから行いたい活動など,自分の言葉で記してはどうでしょうか。自分たちの気持ちを込めて書いた文章は,読者にも感動を与えるものですよ。
体裁を工夫することもおすすめします。タイトルを工夫することもできるし,字体を変えることもできます。写真を大きくして活動の報告を視覚から訴える方法もあるし,自分たちの感想を書くこともできます。
いろいろな工夫ができますね。皆で相談しながらよりレベルアップした次の新聞を期待します。
逆川こどもエコクラブ⑬の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━
アサギマダラの越冬個体の報告がありました。アサギマダラが越冬するのは茨城県が北限で,県内で6カ所が報告されているのみです。貴重な越冬地ですから,環境の保全なども考えてほしいと思いました。
ジャコウアゲハの成長の様子もよく分かりました。採集したサナギを木にボンドでつけるなど苦労しましたね。木の上側につけたサナギは死んでしまうと予想しましたが,どんな理由からでしょうか?ちょっと知りたくなりました。オオムラサキなど,他のチョウと比べて観察しているので,よりジャコウアゲハの育ち方が分かりやすく記録できたと思います。
スズメガの成長の様子も,良い観察記録です。羽化した記録だけではなく,羽化できなかった記録を,きちんと書いているのもいいですね。所々に感想が記されていたり,思い出の写真がはってあったりしたので,1年間の活動の様子がわかりました。茨城県で最近見られるようになったラミーカミキリの紹介もありました。
楽しく新聞を見ることができました!
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
詳しい観察記録が,写真や図で説明されていたので,とても分かりやすく楽しく読むことができました。内容ごとに色分けがした工夫も見られました。ちょっとした工夫で,さらに読み手を引きつける新聞に変身できると思います。
今回の新聞では,大きな話題が3つありました。アサギマダラの越冬とジャコウアゲハの羽化,スズメガの羽化です。色分けされていましたが,そこに中タイトルを目立つようにつけてみてはどうでしょう。ひと目で,この新聞の伝えたいことが分かります。それぞれに,リード文をつけたりするのもよいかもしれませんね。丁寧な観察記録としてまとめられているので,次ぎにまとめる際は,読み手にいかに伝えるかという視点でまとめて下さい。さらに,バージョンアップした新聞に進化すると思います。
今年はどんな観察をしているのでしょうか?読み手を意識した新聞づくりを行って下さい。次の新聞も期待しています。
久松師範、ありがとうございました!次はどこの地域かな?お楽しみに!
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2015年の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201603301552.html
2014年の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201501071712.html
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