2016.06.15 掲載
茨城県は18枚のかべ新聞の応募があったよ!その中から逆川こどもエコクラブの4枚をご紹介。
今週は久松師範です。よろしくお願いしまーす!
水戸市「逆川こどもエコクラブ」
① | ② | ③ | ④ |
逆川こどもエコクラブ①の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━
涸沼(ひぬま)は,平成27年5月28日にラムサール条約湿地に登録されました。水鳥が生息する重要な湿地で,ヒヌマイトトンボなど絶滅危惧種が生息する涸沼の自然環境が,国際的に認められたことになります。その涸沼の様子を,壁新聞で詳しく説明してくれましたね。どんな生きものが生息しているのか,なかまごとに分けて示してくれたので,とても見やすくなりました。トピック的に“絶滅危惧種”や“外来種”について書かれていたのも,よいと思いました。
それから,それぞれ生きものについての解説も書いてくれました。調べることにより,より学習が深まったと思います。ラムサール条約では,地域の人々の生業や生活とバランスのとれた保全を進めるために,湿地の「賢明な利用(Wise Use:ワイズユース)」を提唱しています。涸沼の生きものと私たち人間が,どのように暮らしていったらよいか,これからも考えていってください。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
タイトルにした“食物連鎖”は中学校3年生で勉強する内容ですね。中学校の教科書には,「ある種類の生き物を食べた生物は,次は自分がほかの生物に食べられることがある。これらの関係を線でつないでいくと,鎖のように見えてくる。これを食物連鎖という。」と書いてあります。涸沼の生きものについて,食物連鎖を詳しく見てみると,同じ昆虫でも花粉や花蜜を食べるなかまがいたり,小さな昆虫を食べるなかまがいたりしますね。線でつなぐと非常に複雑になります。食物連鎖の図を正確に記すのは,とても難しいですね。
生産者である植物,消費者である草食動物,その草食動物を食べる肉食動物というように生きものを分けて,生物の数量をもとにピラミッドを作ることができます。“生態ピラミッド”といいますね。“食う食われる”の関係を正確に調べることによって,生きものの世界の複雑さが分かってくると思います。次に壁新聞をまとめるときは,気にかけてください。
逆川こどもエコクラブ②の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━
ひと目で,ホタルの再生活動の壁新聞だと分かりました。タイトルのつけ方が,すばらしいですね。
ホタルが見られなくなった3つの理由や,ホタルが生息するためにはどのような環境が必要かも書きました。どうすれば,ホタルが再生するか,簡潔にまとめることができたと思います。
まとめのところでは,環境を守らないと「ホタルをはじめ様々な生物が生きていけなくなる」ということに気づいたと書かれています。ホタルだけを復活させるのではなく,ほかの生きものへも目が向けられたのは,自然を守るときにとても大切なことです。色々な活動を通して,このことにも気づいたこと,とてもよかったと思います。
逆川のホタルの活動は,いろいろなグループが行っていますね。皆で協力して,よりよい環境をつくっていってください。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
新聞の記事で,ちょっと分からないことがありました。「逆川ホタレンジャーの成果」として,ゲンジボタルとヘイケボタルの発生数のグラフがありますね。逆川緑地の発生数が増えていることは分かったのですが,いっしょに書かれている常願寺のホタルの数はへっていますね。「常願寺とはどこにあるのか? 寺なのか川なのか? なぜホタルはへっているのか?」など,聞いてみたいことが出てきてしまいました。これらが分かるように新聞をつくることも大切ですね。
新聞をつくるときに大切なことがあります。“いつ,どこで,だれが・・・”といったことを,きちんと書くことです。このことをもとにして新聞を見直すと,逆川で見ることができるホタルは,“ヘイケボタルなのかゲンジボタルなのか”とか,“いつ頃見ることができるのか”といった内容を,追加して書くこともできますね。
「ホタルを復活させるためにはどうしたらよいか」を中心にするなら,ちがった書き方もあるでしょう。どのようなことを,相手に伝えたいかを考えることが大切ですね。
逆川こどもエコクラブのみなさんは,いろいろなことに取り組んでいますから,壁新聞などを通して,どんどん情報を発信していってください。期待しています。
逆川こどもエコクラブ③の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━
青いもぞう紙に千波湖の魚についてまとめました。新聞の内容と紙の色がマッチしていて,分かりやすいですね。すんでいる魚も写真でしょうかいしてくれたので,すぐ分かりました。
千波湖には,ウナギもすんでいるのですね。ウナギは,数が少なくなり心配されている魚のひとつです。そのような魚がすんでいるのですから,千波湖は自然がゆ たかな湖ということになりますね。しかし,もともとすんではいなかった魚も,たくさん記録されています。ブルーギルやタイリクバラタナゴなどですね。
それから,千波湖で魚を調べているようすを,写真で見ることができました。湖の中に入って調べたのですね。がんばったようすが,写真を通して感じ取れました。
“まとめ”では,これからの目標を,しっかり書くことができました。自分で何ができるかを考えて,実行していってください。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
人の手によって,ほかの地域から入ってきた動物や植物のことを,外来生物といいますね。壁新聞では,千波湖にもともとすんでいた魚と,ほかの地域 から入ってきた外来の魚について調べることができました。そして,“まとめ”のところでは,外来生物のことについて「外来種がいて,とても残念な結果」だと感想を書きました。そこで,ひとつお願いです。どうして外来種がいると残念なのか,その理由が知りたいのです。たくさんの魚がいるといいことだと思われ がちですが,外来生物のことを知らない人にもわかるような,解説が欲しいと思いました。
それから,千波湖で調べたようすが写真で 分かりました。調査後の笑顔がよくとれていますね。じっさいに,千波湖の中で調べていることも分かりました。写真を見て,調査のようすを知りたいと思いま した。いつ,だれが調べて,どのような魚がとれたのかについて記録することは大切なことです。私がつとめている博物館で標本をあつめるときには,必ず“い つ,どこで,だれが”採集したかについて記録することにしています。次に,壁新聞をつくるときには,そのようなことも書いてほしいと思いました。
自分で調べたことについてまとめることは,とても大切です。これからも,壁新聞などにまとめて,みんなにも知らせてください。
逆川こどもエコクラブ④の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━
とてもすてきなレイアウトだと思いました。それから,涸沼がラムサール条約湿地に登録された理由やその意義などを,ストーリーがあるように順番立てて記したので,とても読みやすい新聞となりました。それぞれの項目は,番号をつけたり箇条書きにしたりして,ひと目で内容が分かるように工夫されました。
涸沼で注目する生きものの解説も,要点が分かりやすく書かれました。ヒヌマイトトンボの発見者の廣瀬さんと小菅さんの若かりし頃の写真は,よく手に入りましたね。今の写真と比べながら,お二人の長年の努力もうかがえました。涸沼に訪れるスズガモの個体数は,世界の1%にもなるのですね。すごい数が生息できる涸沼は,自然豊かな水域であることが分かりました。
涸沼には,豊かな自然が残されていることが分かりました。ラムサール条約湿地に登録されたことで,さらに注目されるようになりますね。涸沼の自然を守っていくにはどうしたらよいか,みんなで考えて実行していってください。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
涸沼がラムサール条約湿地に登録されたことと,涸沼の自然についてよく分かる新聞ができあがりました。これをまとめるきっかけになったのが涸沼学習会ですね。いつ,どんな勉強を,だれが行っているのでしょうか?壁新聞を見て,そんなことを知りたくなりました。次回,壁新聞にまとめるときは,学習会の感想なども記してみましょう。
写真をたくさん入れ込んだので,どのような生きものがいるのかが,一目で分かりました。ただ,これらの生きものがどんな生物なのか,説明がなかったのは残念です。小さな写真をちりばめてきれいに見せるのも工夫なのですが,新聞ですから意図的に,例えば絶滅の恐れのある種をまとめるようなことをすると,もっと内容のある新聞になりますね。
全体的に,とてもきれいにまとまっている壁新聞だと思いました。これに,自分たちが自ら学んだことを,自分の言葉で記せるようになるといいですね。期待しています。
自分で調べたことについてまとめることは,とても大切です。これからも,壁新聞などにまとめて,みんなにも知らせてください。
久松師範、ありがとうございました!次はどこの地域かな?お楽しみに!
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2015年の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201603301552.html
2014年の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201501071712.html
2013年の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201204191131.html