2015.11.04 掲載
兵庫県は28枚のかべ新聞の応募があったよ!その中から4枚をご紹介。
今週は池田師範です。よろしくお願いしまーす!
兵庫県 その① その② その③ その④ その⑤ その⑦ その⑧
姫路市「南大津ecoキッズ」 | 姫路市「NYAXA(ニャクサ)」 |
姫路市「しらさぎチアーズ」
① | ② |
南大津ecoキッズさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━
「タガメを育ててみよう!」「タガメって何だろう」というフレーズは、読む人がきょうみをもつような分かりやすい小見出しですね。編集後記もあり、レイアウトが分かりやすく構成されています。編集後記に書いてある「水のこと」「タガメのおせわの大変さ」については記事から伝わってきますが、「なぜ絶滅の危機にあるのか」についてどういうことに気付いたのかな?!記事に書かなかったことでも、ぜひ記録に残しておくといいですよ。
タガメが食べたあとのエサの写真、ありがとうございます。飼育してみないと分からない貴重なものですね!写真のコメントにある「こんな姿になるとは予想していませんでした」というのが、大切な発見だと思います。タガメの口をよくかんさつしてみましょう。カメムシ目に分類されているように、とがったストローのようになっています。みんながストローを加えて食べ物につきさすことを想像しみてください。どうなるかな?!
7/21~8/31までのかんさつ記録があるので、飼育のようすがよく分かります。10匹が1匹になってしまったのは残念だと思いますが、1匹成虫になったことも立派なことです。自然の中では成虫にたどりつくのはもっと少ない確りつです。
脱皮の途中で死んでしまった幼虫がいたように、昆虫にとって脱皮は命がけです。脱皮中に敵におそわれたら、どうすることもできません。今回かんさつしたように、脱皮に失敗するものもたくさんいます。脱皮が終わってからもしばらくは体がやわらかいので、すぐにきずついてしまいます。自然は広いので脱皮のときにかくれる場所も多いのですが、飼育するときにはなるべく広いケースでかくれる場所をたくさんつくってあげるといいです。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
タガメの飼育はエサと水かえが大変だったようですね。自然の中ではタガメはエサと水かえに困ると思いますか?他の生きものをエサとして食べるので、エサとなる生きものがくらせる環境が必要になります。自然の中でもエサを食べれば水が汚れるはずですが、水かえしなくていいのはなぜか考えてみましょう。
「オスが卵の世話をする」「メスが卵をこわすことがある」とありますが、昆虫としてはめずらしいことです。今回は幼虫をもらってきて成虫にするまでのお世話なので、成虫の産卵行動はかんさつできなかったと思いますが、機会があればチャレンジしてみてください。
NYAXA(ニャクサ)さんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━
大きく描いてあるタガメはよくかんさつしていて特ちょうがはっきり出ています。カメムシの仲間はストローのような口をもっていて、肉食のばあいはしょうかえきでとかして昆虫の体液をすいます。セミもカメムシの仲間で、ストローのような口で木のしるをすっています。
とったえものをにがさない太いうでは何といってもタガメのみりょくてきな特ちょうですね。肉食の昆虫は水中でないところにもたくさんいて、カマキリ、トンボ、キリギリスなどがそうです。つかまえた昆虫をにがさないように、前あしにトゲがたくさんついています。タガメはどうでしたか?同じく水中にいるミズカマキリもカマのような前あしをもっているので、どちらも今度みつけたら前あしをじっくりかんさつしてみてください。
呼吸かんがデリケートであることを、飼育をとおして気付いたことはすばらしいです。水中にいても魚のようにエラ呼吸をしているわけではなく、くだを使って空気をとりこんでいることが分かります。人が水中でシュノーケルを使って呼吸をする感じに似ていますね。生きもののことを知るには、じつぶつを手にとってかんさつするのがいちばんです。
じつぶつだいのタガメの脱皮がらは、飼育してみないと見たり触ったりできないものですから、よいけいけんをしたと思います。昆虫は脱皮しないと大きくなれません。なぜでしょう?人は体の中にある骨で体をささえていますが、昆虫は体のいちばん外側のかたい皮で体をささえているので、大きくなるときにその皮をひとまわり大きいものにこうかんしないといけないのです。
8/31にほうりゅうできて良かったですね。タガメとの別れがかなしいほど、タガメを大切に育ててくれたことが伝わってきます。また、ぜひつづけてください。きっとまた新しい発見があるはずです。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
タガメギャラリーは新聞のコーナーとしておもしろいアイデアです。せっかくなので、一言ずつでいいのでコメントをつけてくれると初めてこの写真を見る人にも分かりやすくなると思います。
発見したことをふきだしで書いてくれたのはいいですね。ただ、そのふきだしが赤い線で消されたようにぬりつぶされてしまっているので、せっかく発見したことを伝えるためには、文字が目立つような工夫をするといいと思います。
7/21~8/31までのかんさつきろくは、データがとれない日があっても続けたことが大切なことです。生きものを育てるのもエコ活動をするのも、続けることが大切です。「データ不足」がどういう意味か、A、B、C、Dは飼育していたタガメの数なのかどうかなど説明があると分かりやすくなりますよ。
しらさぎチアーズ①の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━
竹をモチーフにした新聞のデザインがとても目をひきます。竹の節を上手に使って、記事を分けているアイデアもよいと思います。
竹が1日で1mも伸びることができるのは、節と節の間が全て成長して伸びるからです。タケノコをたてに割った切り口をそうぞうしてみてください。タケノコのときは節と節がくっついたようになっていますが、節と節の間がぐんぐんのびるので、新聞にデザインしてくれた絵のように節と節の間が広がります。
竹の伐採は、体力の消耗も考えて涼しい時期がいいということが分かりやすく説明してあると思います。竹を機械でチップにする様子を見学しましたか?木も種類によって固さが異なり、たとえばキリはやわらかく軽いですが、カシは固くて重いです。竹は固いのでチップにするのも大変です。
淡路島の山には竹が60%、木が4%という数字におどろきました。竹が身近な存在ともいえますね。竹のエネルギーの利用はいろいろなところで試みられていますが、竹は中が空どうでかさばるので、たくさん運ぶのが大変です。その点でも地産地消できると、遠くに運ばなくていいので運ぶエネルギー(車のガソリンなど)が節約できます。「自走式ウッドチッパー」はその場でチップにすることができるようなので、はんしゅつできない場所以外でもうまく活用できるといいと思います。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
竹は根でつながっているので、地上に見えないところに広がっていたりして、放っておくとあっという間に暗い林になってしまいます。暗い林になると地面に太陽の日差しが届かなくなるので草が育たず、生きものも少ない林になってしまいます。そのため竹の管理は大切です。
さて、竹は木でしょうか?草でしょうか?草はせんたんがどんどん成長するのに対して、木はせんたんだけでなく半径方向にも成長して太くなります。日本の場合は、木の年りんを思い浮かべてください。草には年りんはありませんよね。竹はどちらに近いか考えてみるとおもしろいでしょう。
竹の花を見たことがありますか?60年に一度咲くといわれていますが、竹林はたくさんあるので、毎年どこかで見られます。地下の根で広がっていた竹が、その土地にもう広がるためのえいようがなくなると、花を咲かせて全部枯れてしまいます。ササも同じでこの間近所のササやぶの花がいっせいに咲き、全て枯れてしまいました。今度竹の花も見つけたら観察してみてください。
しらさぎチアーズ②の新聞を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━
たくさんのエコにつながる活動をしましたね!
募金活動ではみんなの気持ちがまわりの人に届いて、たくさんの募金が集まったのだと思います。エコ活動は一人ひとりができることをすることが大切ですが、みんなに知ってもらうためにアピールすることも必要です。このかべ新聞も、みんなの活動を全国にアピールするよい手段になっています。
エコクッキングでは、「買いもの」「料理」「かたづけ」の中で、エコを考えたことによって一番大変だったのはどれでしょうか?きっと人によってちがうでしょう。買いものでは地元の野菜や肉を選んだかな?!地元の食材を使うとなぜ環境やエネルギーを大切にできるのでしょう。難しいかもしれませんが、他の地域のものを車で運んでくると、その分ガソリンなどのエネルギーを使ってしまうことになります。食事は毎日のことなので、これからもエコクッキングでおいしく食事をしてください。
トレーは食品売り場ではいたるところで利用されていますが、トレーに戻すためのリサイクルはこれから始まったのですね。トレーを作るためにたくさんの原油を使っているので、リサイクルが進んで原油という限られた地球の資源を大切にできるといいですね!
竹も木と同じようにバイオマスエネルギーの1つです。竹林を伐採することが環境はかいにならないということに気付いたことがすばらしいです。また、竹を燃やすと地球温暖化の原因とされる二酸化炭素がでますが、それはもともと空気中にあった二酸化炭素を使って竹の栄養として取り入れたものなので、空気中に戻っただけと考えることができます。これは竹だけでなく植物全体にいえることです。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
植樹活動の手順は、この新聞をみて植樹をしようと考えている人の参考になると思います。「わらをひく」「なわをかける」はなぜそのようなことをするかについて、説明してくれるともっと分かりやすい記事になります。植えることはまず大切ですが、元気に大きく成長することが目的なので、植えた木がどうなったか、これからも関心をもって見守ってください。
姫路城のそうじでは、落ち葉がたくさんあったということは木がたくさんあるのでしょうね。写真にも大きな木が写っています。落ち葉は自然のものであり、ゴミではありませんが、お城のような場所では土の上に落ちるとはかぎりません。土の上に落ちた葉はいつのまにかボロボロになって土の一部になってしまいます。落ち葉を分解してくれる小さなそうじやさんがいるのは知っていますか?小さな虫や菌(きん)の仲間たちです。落ち葉の下の土をそっととってルーペやけんびきょうでのぞいてみてください。
池田師範、ありがとうございました!次はどこの地域かな?お楽しみに!
兵庫県 その① その② その③ その④ その⑤ その⑦ その⑧
ご意見ご感想もお待ちしております!
〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町1-4-16 馬喰町第一ビル9階
公益財団法人 日本環境協会
TEL:03-5643-6251 FAX:03-5643-6250
Email: j-ecoclub@eic.or.jp
2013年度の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201501071712.html
2012年度の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201204191131.html