2015.10.21 掲載
北海道は2枚のかべ新聞の応募があったよ!今週は大竹師範です。よろしくお願いしまーす!
釧路市「こどもエコクラブくしろ」 | 北見市「オホーツクエコクラブ」 |
こどもエコクラブくしろさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━
こどもエコクラブくしろのみなさん、こんにちは!
みんなの作ったエコクラブ新聞「釧路湿原 風だより2014」を見てびっくりしました。誌面を3つに分けて、「身近な自然と2014活動報告」「釧路湿原に住む絶滅危惧の心配がある動植物の紹介」「自然災害から身を守る注意」をテーマに取り上げています。
紙面の構成、印刷かと思えるほどきれいに書かれた文字やイラスト、文章が理路整然と組み立てられていること等々、すばらしい出来栄えです。さすがに、19年続けてきたクラブの先輩から受けついだ実力を感じます。世界に誇れる釧路湿原やそこに暮らす動植物が守られるように、みんなの活動が活かされていることと思います。
冬のきびしい気候だけれど自然に恵まれた釧路で、一年間いろいろな活動―自然観察・外来生物調査と防除・勉強会参加や交流活動―をバランスよく実施していますね。
活動報告の内容は、時計回りに並べられた小さい写真と活動項目の箇条書きなので、少しわかりにくいですね。みんなが一番印象に残ったことや、がんばったことをもうちょっと説明してくるとよかったかな。外来生物の防除は、どのようにするのかかべ新聞を読んだ人は知りたいと思うでしょう。ウチダザリガニ以外の外来生物にはどんなものがあるのですか?外来生物の見分け方も、知りたいな。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
釧路湿原自然再生の植樹では、苗木はどんぐりから作りましたか?どんな苦労があったかな?そんなことも書いてくれると、植樹活動に関心がある人たちにも参考になるでしょう。
釧 路湿原の希少動植物について、「どう守り私たちと共生していったらよいかを考えるきっかけになれば」、と新聞には書かれています。みんなはどうすればよい か考えましたか?そのことを書いてくれるともっと良かった、と思いました。パズル遊びは12枚の生き物の絵をどのように使うのですか?食べる⇔食べられる の関係(食物連鎖といいます)で結びつけるとか…?以前、網走の流氷の上にいるオジロワシを見ましたが、釧路湿原では食べるものがちがうだろうなと思いま した。
最近の自然災害といえば、東日本大震災ですが、釧路でも津波の被害がありましたね。
一方、台風や豪雨による災害も頻発しています。釧路湿原風だよりのテーマに選ばれたのはなぜか、考えてみました。
何となく、むかしより自然災害の回数が増えている感じがします。その原因について、みんなで話し合ってみましたか?
台 風が北海道へ近づくことは、少なかったように思いますが、最近は強い勢力のまま接近することがめずらしくなくなりました。地球上の大気の状態が変わってき たのでしょうか?生物の絶滅の原因の一つは、気候の変化です。わたしたちは、どのように関わればよいでしょうか?すこしむずかしい問題ですが、考えてみて ください。災害時に必要な「非常持出袋」(ミニチュア)は、傑作ですね。中身も見ましたよ。ところで、みんなの家には、非常持出袋は用意していますか?地 元自治会などが行う防災訓練などに参加してみると、実体験ができてよいと思います。
みんなは、自分たちの活動について情報発信をこころがけていますね。これからも、みんなの活動をかべ新聞にして、発表してくれることを期待しています。
★☆サポーターの方へ☆★
初めて拝読しましたが、内容、外観ともによくまとまった読みやすく、すばらしい新聞です。長年、こどもたちが釧路湿原という豊かな自然に直接ふれ、資源を大切にするこころを育てることを狙いとした活動を行ってきた成果が、現在につながっていると思います。
壁新聞の作成には、11~12月を費やされています。文字、イラスト、写真には相当注意して作成された様子がよくわかります。これに使われる時間を、これ からは現在みられる問題を解決するために、どのように取り組んでいけばよいかについて、難しいことですが、こどもたちに考えさせることをお勧めします。そ の視点を持って環境問題に自ら取り組む人を増やしていきたいものです。「壁新聞 応募用紙」には、小学校5年10人とありましたが、壁新聞では「小中学生8名」がメンバーとなっています。一年間で、メンバーに変更がありましたか?新聞 を読むときに、子どもたちの学年を意識しています。
「自然災害」をテーマの一つに取り上げられましたが、貴クラブが長年取り組まれてきた テーマと少しずれがあるように感じましたが、いかがでしょうか。ご承知のように、環境問題は互いに関係しあっていますから、境界線を引く必要はありませんが、生物種の絶滅の要因の面から、環境問題(自然災害の発生原因など)に気付かせる方法もあると思います。絶滅を防ぐために、外来生物の防除のほかにもい ろいろな要因があり(たとえば、森林の維持、水質汚染の防止、気候変動)、それらについて何か取り組みを考えることもあるのではないかと思います。
いずれにせよ、豊富な年間活動の実践、壁新聞作成のご指導などに、拍手を送りたいと思います。まさに、継続は力なり!です。貴クラブのご活躍に期待しています。
オホーツクエコクラブさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━
オホーツクエコクラブのみなさん、こんにちは!
みんなの作ったエコクラブ新聞「未来に残そうオホーツク海の流氷」から、みんなが北見やオホーツク海沿岸の地に対する愛着や自然を残そうという思いが伝わってきました。全体のテーマの割り付けや、書いている記事の内容や写真の使い方も優れていて、とても分かりやすいです。使われているイラストも上手に描けていて感心しました。「未来に残したいもの」「ESD全国こどもフォトコミュニケーション」「流氷調査」「思い出の流氷のまち」と展開されていますが、今住んでいる北見からは流氷が見えないのでしょうか。みんなで懐かしんでいるようすがよくわかりました。
流氷のプラスとマイナスを比較している点もよかったです。観光客を集める観光資源としての効果が大きいこともわかりました。自然の状態でなかなか見ることができない「あざらし」や「おじろわし・おおわし」、観光船が氷を砕いて進むようす等、観光客には魅力的ですね。また、流氷が運んでくる「アイスアルジー」(氷中藻)が、海を豊かにしてくれて漁業を支えていることもわかりましたね。アイスアルジーが海洋生物のエサになり、食物連鎖につながっていくこともわかりました。たぶん、食物連鎖の頂点には、オジロワシやオオワシがいるのでしょう。流氷の海で食物連鎖が完結していることを見ることができて、すばらしいと思います。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
活動のテーマを考えたとき、地球環境の急激な変化に伴う自然現象に着目しましたね。急激な変化といっても、一年一年の自然の変化はわずかずつですし、不規則に変動します。わずかな年々の変化が続いて数十年たつと、変化がはっきりわかったりします。「流氷調査」をして、データで流氷勢力と気温の関係をつかみ ましたね。何に基づいて判断するか、それは大事なことです。流氷期間の統計という別の角度からのデータも示してくれました。みんなは、まだ10年前後の人生ですので流氷の変化の実感がないかもしれません。まわりのお年寄りに聞いてみましたか?グラフやデータにある50年前の流氷と生活の関係を聞いてみると よいかもしれません。調査の最後に、結果についての自分の感想をまとめていることも、たいへんよいことです。このことは、次に何か調べるときに参考になると思います。調べた資料にも触れていて、好感が持てます。
流氷は、船を出すことができない漁師の人たちにとっては不便なことですし、海上輸送ができないマイナスがありますが、それを上回るよい点があるので、残し ていきたいですね。ものごとには、良いところ悪いところ両方がありますから、流氷のマイナス面もちゃんと考えるのはよいことです。
では、流氷を残すにはどうすればよいでしょう?最後の感想の中に、「身近なところからエコな活動を続けて行く」と書いてありますが、実際にどんなエコな活動を続けてくれますか?そこを書いてくれると、もっと良かったと思います。
★☆サポーターの方へ☆★
平成20年から活動を続けているとのことですから6年間になりますね。
その間、クラブのこどもたちも成長したことと思います。その成果が、この新聞に現れていると思いました。流氷について、幅広くいろいろな視点から調査しています。それらの調べた結果を自分なりに理解して、新聞に表現しています。意見交換もなさったことと思います。
流氷が少なくなる傾向を示しているのは、たぶん気候変動(地球温暖化)の影響と考えて間違いないと思います。今回の新聞では、読む人に流氷を残したいという気持ちにさせる力は十分にあると思いました。
地球温暖化を防ぐことは、個人としては難しい点はありますが、エコな活動についての記述があると良いと思いました。「壁新聞応募用紙」には、5項目が書いてありますが、新聞を読む人には伝わりません。
流氷について、理解は深まりました。流氷が未来に残せるように、みんなで努力しましょう。
大竹師範、ありがとうございました!次はどこの地域かな?お楽しみに!
ご意見ご感想もお待ちしております!
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2013年度の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201501071712.html
2012年度の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201204191131.html