2015.08.05 掲載
茨城県は25枚のかべ新聞の応募があったよ!その中から7枚をご紹介。
今週は久松師範です。よろしくお願いしまーす!
茨城県 その①(「八溝自然たんけんたい」さん) その③ その④ その⑤
土浦市「土浦第五中学校 科学部」 | 龍ヶ崎市「龍ヶ崎市環境楽習講座」 | |
① |
② |
水戸市「かみおおのアースレンジャー」 | |||
① |
② |
③ |
土浦第五中学校 科学部さんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━
霞ヶ浦に流入する河川を10カ所も調べ,広い霞ヶ浦を総合的に調べたことがすばらしいと思いました。一つの河川の調査では見えない部分が,河川を比較することで見えてきますね。水質の違いを,さまざまな指標を用いて調べたことも感心しました。電気伝導度やCODなどは,中学生では難しい内容だと思いました。しかし,近くにある霞ヶ浦環境科学センターの協力を得て調べることができたのも,成果の一つですね。
写真や図を有効に活用して点も,工夫の現れたところです。科学部員の皆さんの活動の様子がよくわかりました。水質を表やグラフに表すと,比較するときに一目で分かるようになりますね。
水質の調査を行い,その値から何を読み取るかを考えるのはとても難しいのですが,今回,土地利用と関連づけて考察した点も,目の付け所がよかったと思います。さらに,データを積み重ねて下さい。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
霞ヶ浦の周囲をまんべんなく調査しました。しかし,霞ヶ浦には50を超える河川が流入するので,すべての場所で調査を行うことは無理です。今後に追加の調査を行うことが可能ならば,焦点を絞った課題を見つけていく必要がありそうですね。壁新聞を見ると,土浦五中の周辺はレンコンの栽培が盛んであると記されていました。霞ヶ浦とレンコンの水田とを一体化して考え,そこに生息している動植物と水質の関係を深めていくのも一つの方向としてよいでしょう。霞ヶ浦のプランクトンの経月変化などを調べるのもよいかもしれません。水質のデータは,降雨条件,水量などで大きく変わると思われますので,これも継続的な調査が望まれます。土浦五中の近くには,霞ヶ浦環境科学センターがありますね。理科の先生も常駐していますので,これからも共同して研究をすすめていってください。
新聞の体裁を見ると,理科の自由研究の書き方になっています。かべ新聞として紹介する場合には,読み手に何を紹介するかを決め,それを見出しにどう反映させるか考えて紙面を構成していくとよいでしょう。
土浦の各中学校の科学部は,様々な研究に取り組んで成果をあげていますね。切磋琢磨して,よい研究がすすむことを期待しています。
龍ヶ崎市環境楽習講座①を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━
太陽光発電や風力発電の方法を見た様子と,河川の生きものの様子の感想が大変よくかけました。
太陽光発電では,広さに驚いたり,発電量に驚いたりすることができました。風力発電では,風車の大きさに驚いたり,羽根の回る早さに驚いたりすることができました。発電をする場所で感じたことが素直に書かれていました。
龍ヶ崎の市内を流れる破竹川の生きものについても調べました。普段は何気なく見ている川ですが,よく調べてみると,たくさんの生きものが生息していることが分かりましたね。
インターネットや本で調べて,知識が豊富な人はたくさんいます。でも,実際に見たり触れたりした人の方が,何倍も身についていると思います。これからも,皆でいろいろな体験をしてください。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
発電所の見学や生きもの調査を通して感じたことが,生き生きと記されていました。「百聞は一見にしかず」というように,自分の目で確かめたことは忘れないと思います。それから,人の立場からではなく,生きものの立場からの目線も大切ですね。今回は,人が必要とする発電所だけではなく,川の生きものを見ることで,一段と視野が広がったのではないでしょうか。いい体験ができました。
かべ新聞の構成をみると,感想と写真がメインです。子ども達の活動をまとめる場,つまり,発電の場の様子をまとめたり,観察した魚の種類をまとめたりする時間を設けてみてはどうでしょうか?かべ新聞の作成の中に,まとめる時間を設けることによって振り返りができるので,より活動が深まると思われます。まとめの活動の時間をとることができたら,行ってみてください。
龍ヶ崎市環境楽習講座②を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━
破竹川の生きものを調査し,その多さに驚いたことや,楽しくエコ・クッキングをしたことが,大変よくわかりました。写真を見ると,皆さんが熱心に活動する様子がわかりました。
破竹川の調査では,思っていた以上にきれいな川を知ることができましたね。たくさんの魚を見ることができたこと,それに加えてカメを観察できたことなど,とてもよい経験ができました。最初は,興味がなかったけど,調査を進めていくにしたがい,興味がわいてくる様子もうかがえました。環境の勉強では,生きものと触れ合うことが,とても大事です。この経験をもとに,さらに環境保全の勉強をすすめてください。
豊かな自然を守る取り組みには,いろいろな事がありますね。その中で,自分ができることを考えることは,とても大切です。エコ・クッキングを通して,材料を大切に扱ったり,ゴミを少なくしたりする取り組みも見られました。家庭でも行えることなので,ぜひ家の人とも実施してみましょう。また,ガスの仕組みをすることで省エネを意識することもできますね。
今回の講座で,いろいろなことを体験しました。この体験を,日常生活にも生かしていってください。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
生きもの調査やエコ・クッキングの活動を通して感じたことが,生き生きと記されていました。ひとつの分野だけではなく,広い視野に立って環境を見ることができるように,講座が組まれていることに感心しました。
同じ環境楽習講座の壁新聞のコメントにも記しましたが,新聞の構成は,感想と写真がメインです。子ども達の活動をまとめや,さらに活動を通して興味を持ったり疑問に思ったりすることを加えると,より充実した壁新聞になると思います。次のかべ新聞も期待します。
かみおおのアースレンジャー①を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━
生きものの成長の様子を観察するのは,とても楽しいですね。昔は,絹糸をとるためにカイコを育てる農家がたくさんありましたので,観察することも簡単でした。最近は,カイコの幼虫をみることが少なくなってしまいましたから,きちょうな経験をすることができましたね。カイコの成長を温かく見守りながら,観察する様子がうかがえました。
カイコがマユを作る様子を見て,どんなところにマユを作るのかについての実験をくり返しました。中でも,高さのちがいや,部屋の形のちがいによってマユが作られるかどうかについてきょうみを持ったことは,目の付け所がよかったと思います。むずかしい装置を作らなくても,実験することができました。
カイコの実験を通して,いろいろなことを発見しました。さらに,実験方法を工夫して,カイコの性格を調べてください。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
小学生らしい物の見方で,実験・観察に取り組み,好感の持てる作品ができあがりました。実験方法についての改善点と,まとめ方について,いくつかアドバイスしましょう。
四角や星形などことなる形の部屋を準備し,どこにマユを作るかについて実験しました。それぞれの部屋の数がちがっていたので,どれがよいかを比べるようなときは,同じ数にしたほうがよいでしょう。研究を行うとき,比べることはとても大切ですが,その時は条件を同じにするということです。そう考えると,部屋の材質や広さも同じにするといいですね。今回の課題は,工夫しだいで,いろいろな実験に発展しそうです。再実験を期待します。
研究のまとめ方(もぞう紙への書き方)では,「研究の方法」について書くことも大切です。方法の違いによって,結果が大きく変わることがあるからです。それから,結果をグラフや表にあらわすと,新しく気づくこともでてきます。たとえば,マユがどの段につくられたかについてグラフを書くと,18-19cmの段にマユが多く作られていることがわかります。
ひとつのことを追求すると,その課程でさまざまな経験ができます。これからも,がんばってください。
かみおおのアースレンジャー②を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━
空気砲の実験,とても楽しいですよね。私も子ども達と一緒につくったことがあります。
穴の大きさのちがいによって,空気のとどく距離を比べました。穴の大きさは3種類でしたが,それぞれの大きさで実験を5回行いました。実験には“誤差(ごさ)”といって,結果にばらつきが生じます。実験を繰り返すことによって,誤差を小さくすることができるので,実験を5回行ったことは,とてもよいことだと思いました。
実験を行った結果,穴の大きさが小さいほど,空気が飛ぶことがわかりました。「穴が小さいと空気がもれにくいので,空気は遠くまで飛ぶ」という考察も,立派です。もっと小さい穴で実験して,1番遠くに飛ぶ大きさを突きとめてほしいと思いました。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
みんながよく知っている空気砲の実験を行いました。穴の大きさをかえて,空気がどこまでとどくかを調べるというかんたんな実験でしたが,条件を整えたり,同じ実験をくり返したり,結果をまとめる方法がしっかりしていました。穴の大きさを変えるだけではなく,箱の大きさや形を変えるなど,いろいろなバリエーションで実験できそうですね。さらに,追加の実験の実施をお願いします。
今年は,5年生になるので,結果のまとめ方については,レベルアップを考えてみましょう。今回の実験を例にすると,実験を5回行いました。5回の値の平均を求め,比べるというまとめ方もあります。また,グラフに表すことも面白いでしょう。グラフが直線的になるのか,曲線的になるのかを見れば,新しいことに気づくはずです。
かんたんな実験ですが,見方を変えると,いろいろな方向に発展しそうな実験ですね。この実験を元に,いろいろなことにチャレンジしてください。
かみおおのアースレンジャー③を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━
ダンゴムシが,左右交互に曲がる性質について,いろいろな実験で突きとめました。実験方法,結果,考察のまとめ方もわかりやすく,実験の様子がよくわかりました。
実験の内容を見てよかった点は,同じ実験を何回も繰り返し行っている点です。“ダンゴムシが歩く向きを変えたのは,規則があるのか,それとも偶然なのか”を見分けるのは,1回の実験ではわかりませんね。偶然に起こったのかどうかを確かめるためには,実験の数を増やすことが必要です。高校や大学に進学すると,数学で「確率」という勉強をします。そうすると,どうすれば統計的な処理ができるかがわかってきて,この実験がもっと面白くなってきます。
実験結果を,見やすいグラフや表にまとめた点も評価できます。方法と結果を対に見ると,内容がすぐわかりました。
総合的に,よくまとまった実験だと思います。次のステップが楽しみになってきました。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
ダンゴムシの歩き方についての一連の実験は,シンプルな方法で行ったものですが,とてもきょうみ深い結果がえられました。今回はT字路での走行実験をくり返しましたが,角度を変えた通路,たとえば30度,60度,120度などで実験してみるのも面白そうですね。これからどのように発展するか,楽しみなテーマです。先行研究も多数ありますので,それらを参考にして実験をアレンジするのもよいでしょう。
とてもよくまとまった研究ですが,理科の自由研究の掲示物として(かべ新聞としても同様です),工夫するとよい点があります。人に読んでもらうためには,“引きつける”ことが大切ですね。たとえば,タイトルを「ダンゴムシは通路を覚えているか?」 というように,テーマにそくしたものにするのも一案です。掲示物全体が落ち着いた色合いですので,目立つ色使いにするのもよいでしょう。ダンゴムシのイラストや,荘司くんの実験の様子の写真も見たいような気がします。実験をくり返すと共に,見せる工夫もひとつ行ってみてください。
かみおおのアースレンジャー④を書いてくれたみなさんへ
師範から一言━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━
茨城県環境カウンセラーの山口先生のご指導を受けての野鳥観察ですね。専門の先生に野鳥の話を聞くことできて,とても勉強になりましたね。鳥の種類を見分けるのはなれないとむずかしいので,初心者はときどき間ちがえてしまうことがあります。今回の報告は,専門家のご指導を受けていますので,信頼性の高い研究ができたと思います。鳥のことをたくさん勉強して,今度は教えることができるようになるといいですね。
さて,観察の内容をくわしく見てみましょう。年間を通して観察した結果を示してくれました。今回の結果を見れば,上大野小学校の周辺でどんな鳥が生息しているかがわかりますね。また,季節的な消長をみることもできるように,工夫がされていました。留鳥とそうでない鳥の区別もつけたので,鳥の生態もわかりますね。
観察を通して,改めて気づいたこともありますね。上大野小学校の周辺には,豊かな自然があるということです。この自然をこれからも大切に生かしていってください。
とっておきのゴシドウ★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★・・・・・・★
正確なデータを残すことができました。まとめ方を工夫すると,より見やすくなるので考えてみましょう。
見た鳥の種類を,観察日ごとに○をつけて表にしました。丸をつけたところに,観察できた数を記入すると,表もスッキリするし日ごとの個体数も一度に見ることができますね。それから,1年間のトータルで見られる種数や,留鳥と夏・冬鳥の割合をグラフで表すこともおすすめします。
観察した野鳥のスケッチなどを掲載しました。鳥をよく知らない人にとっても便利ですね。さらに,それぞれの野鳥の生態を調べてみると,植物や昆虫などのこともわかってきて,自然を広く見ることもできるようになるでしょう。
観察を続けると,これまで記録がなかった野鳥を見ることができるかもしれません。定期的な観察を続け,上大野小学校周辺の自然を調べていってください。きっと,すばらしい自然を再発見することができますよ。
久松師範、ありがとうございました!次はどこの地域かな?お楽しみに!
茨城県 その①(「八溝自然たんけんたい」さん) その③ その④ その⑤
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師範紹介ページはこちら! その①
その②
2013年度の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201501071712.html
2012年度の壁新聞道場一覧はこちら http://www.j-ecoclub.jp/kabe/201204191131.html